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日本酒のお話 〜 天河大辯財天社と猩々(しょうじょう)

地元の水、地元の米、地元の蔵元…
やはり地酒を選ぶにあたっては気になるところです。
奈良県は吉野にある天河大辨財天社に行ってまいりました。

天河大辨財天社

雰囲気のある拝殿に入ってからは撮影禁止の様で、手前から撮った写真しかありませんが、実際にお参りすると拝殿内は空気が別物の様に感じられます。交通の便を云々すると確かに行きにくい場所ではありますが、それでもはるばるお参りに行く人が多いのは分かります。
名前の通り弁財天をお祀りするのかと思いきや、やはりそこはそれ神社ですから、市杵島姫命が主祭神で、市杵島姫命=弁財天という結びつけ方をしている様です。
もっとも、天宇受売神=弁財天という説もあり、そのあたりを追及するのは野暮というものです。

帰り道にお土産に吉野の日本酒を買おうと考えて、立ち寄ったのがこちら、北村酒造さんです。

北村酒造さん

猩々(しょうじょう)という中国の伝説の生物がお酒の名前に使われています。
お酒の種類は豊富でした。色々と説明を受けて選んだのがコレ。

猩々 純米吟醸 吉野産酒米100%

純米吟醸というだけならあちこちにある訳ですが、こちらは吉野産の吟のさとというお米を100%使っているのがポイント。
お店の人曰く「ウチの酒は甘口ですよ」ということでしたが、実際に飲んでみると確かに仰る通り。
甘口で突出した苦味やアルコール感がある訳ではなく、フルーティー感もほどほどにオーソドックスに純米吟醸をまとめるとこうなります、という地酒の見本の様な印象です。雑味もなく後味スッキリ。強いて言えば少し酸味寄り。

地酒は甘いから好まないという人もいらっしゃる様ですが、そういう好みがハッキリした人はともかく、そうでなければ飲みやすい、いわゆるハズレ感の無い日本酒でした。
そしてもうひとつがコレ。

猩々 露涼し
スペックはこちら

猩々の純米吟醸という点では同じですが、こちらは酒米に五百万石を使っています。
味の方向性は似ていて、吟醸らしい甘口さと日本酒としての主張、辛味苦味が上手く残してある感じ。いわゆるケチのつけにくい日本酒です。上の純米吟醸とは微妙な違いを感じるのは酒米の違いでしょうか?

こうしてみると、日本全国あちこちに蔵元があるものです。今でこそ流通経路も情報伝達手段も豊富ですが、やはり長年その土地で支持されてきた酒の特徴がそれぞれにあるのでしょう。そんな観点から、その土地の米にも目を向けてみようと思わされた次第です。

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