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『作戦報告』

夜、我々はその廃墟に潜入した。

「潜入 」

ハシゴを使って中に入る。建物はボロボロで、床や壁には穴が開いていた。足元に気をつけつつ、奥へ進んでゆく。あの情報が正しければ、ここは奴らの潜伏先の一つ。少しでも収穫があることを祈る。

俺たちはついに最上階まで探索した。

「探索」

小さな扉をこじ開けて俺たちは中へ入った。こういう所は埃っぽくて嫌になる。おまけに夜で真っ暗なので、支給品の懐中電灯を使ったが、いまいちパワーが足りなくてあんまり役に立たなかった。
あれもう買い替えた方がいいぞ。

強烈な光に照らされたときに思ったんです。
ああ、これは罠だったんだなって。

「光線」

そのライトは、一瞬爆弾でも爆発したのかと思ったくらい強烈な光でした。暗がりに潜んで僕たちを待ち構えていたんです。まぶしさと熱とでクラクラしました。まんまと罠に引っかかったんですね。

そう、これは『罠』
予定通り我々は窓から外へ飛び出した。
思っていた以上に夜の海は冷たかった。
 

「罠」

奴らは本当に潜んでいた。あの情報に引っかかったフリをした「おとり」としての我々の役目は一応終わったので、予定通りひび割れた窓を蹴破って脱出した。強いて今後の改善点を上げるなら、夜の海に飛び込むのはやめた方がいい。普通に痛いし寒すぎる。

よく「一匹みたら百匹いると思え」なんて言うよな。
じゃあ、三匹いたら…?

さて、覚悟は決まったか?

「覚悟」

俺たちが全方位を取り囲んでもまだ、状況を理解できていなかったようなので、ヒントを出してやった。自分達の作戦が失敗したとは気がついたようだったが、ちょっと遅すぎ。たかをくくってナメすぎたな。
俺たちは覚悟が違う。

総評

奴らのスキをつきつつ、おとりの三人を中心に全体数で圧倒した今作戦は、「成功」と言ってよいのではないだろうか。情報をうまく活用できていたとも思う。指摘された改善点は次回からの参考としたい。
また全体数の多さが我々の強みであることを今作戦で再認識した。

今後は三人と同レベルで身体を張れる人員も育成し、いつでも代えが効くように随時補充していくこととする。

以上

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