★OVA『ガンスミスキャッツ』OPにおける、水玉トーンのオーパーツ的用法:まいにち100字【25日目】

アニメOPについて書くとなると、いろいろなOPをチラ見/収集してしまい、時間がなくなってしまう。ということで大急ぎでいきます。

アニメOPにおいて、本来漫画で用いられる「水玉トーン」が使用されることは、それほど珍しいことではなくなった。その理由のひとつとして、00年代のシャフトのアニメOPにおいて、水玉トーンが多く用いられたから、と言えるだろう。特にそのスタイリッシュなデザインを誇る『ぱにぽに』OP群、長いシリーズとなった『ひだまりスケッチ』OPでも水玉トーンは欠かせない存在となっている。

特に『ぱにぽに』OP1「黄色いバカンス」は水玉トーンをより抽象的に解釈している(2005年)。「ちょっとキケンな感じ」の部分でベッキーの眼にクローズアップされ、ベッキーの眼はドットに分解される。最後に残ったわずかなドットの空間に、我々は一条さんを見付ける。この表現は、キャラクターは点で構成されたものである、という観点を暗示してもいる。

さて、OVA『ガンスミスキャッツ』のOPも、『ぱにぽに』に負けず劣らずのスタイリッシュさを誇る(1995年)。このOPには言及したい点がたくさんあるのだが、今回は水玉トーンの点に絞って述べよう。

このOPでは、ラリー・ビンセントとミニー・メイに、時折水玉トーンがかけられている箇所がある。しかし、キャラクターの輪郭をはみ出し、非常なラフな仕方で水玉トーンがかけられているだけでなく、その水玉トーンは風になびくかのように動く。確かに、本来の水玉トーンが影や暗さの表現の代用とすれば、影や暗さも移動するので理にはかなっている。しかし、このOPの水玉トーンは、リアルな影の動きを超えて動いているように思える。

こうした水玉トーンの用法は、もちろん筆者の不勉強もあるにせよ、あまり見たことがない。現代の映像にも幅広く応用できる用法のように思えるので、是非使用してみて欲しい。
*他にも上記のような用法があれば、コメント等でご教示ください🙇

おわり~。

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