★ゲーム配信と台パン:まいにち100字【42日目】

・台パンは、ゲーム配信と切っても切れない関係にある。ゲーム配信におけるリアクションのなかで、これほど簡単に感情を表現できるものはない。

・最も古く、有名な例として「キーボードクラッシャー」を挙げても良いだろう。
台パン、叫び、マウスやキーボードの破壊など、のちに「キレ芸」と称されそうな技術をすべて盛り込んでいる。机のものをすべて落とす、という技も芸が細かい。
すでに本人(HERCULES BEATS)が動画を上げている通り、この動画はいわば「ネタ動画」であり、ある種の短編映像と言える。瞬間的な感情に身を任せたのではなく、「アホみたいにキレてるヤツはおもろいかもしれん」というアイデアを、事後的に形にした点が素晴らしい。以下は、リアクション動画に日本語字幕が付いたもの。

https://youtu.be/Urrzuo1HwRo

(関連動画で「修羅パンツ」も出てきて、非常に懐かしい気持ちになった。布団にくるまり暴れたあと、何故か服が脱げてるのがポイント高い。)

・さて、現代の台パン配信者として一ノ瀬うるはを挙げておこう。彼女の台パンは、(多くの場合握りこぶしで)机を叩いたあと、マイクスタンドのアームが振動することによって、独特の音響が発生する点がおもしろい。
その音響を利用して、去年の暮れには除夜の鐘動画が有志によって作成された。

https://youtu.be/3BzmT26HBD4

また、怒りの原因が発生した瞬間よりは、少し時間を置いて台パンしているところもポイントが高い。感情が沸々とわき、耐えられなくなって最終的に台パンに至る流れが想像できる(ついでに、体を大きく使っているため、モーションキャプチャが高確率で外れるのも良い)。ここからわかるように、台パンはリズムやタイミングが重要である。

・以下の切りぬきでは、一ノ瀬うるはの台パンと花芽すみれの台パンが、非常にリズム良く2連続で放たれ、気持ちが良い。

https://youtu.be/NC7nAgf9IIM

ここでも一ノ瀬は、怒りの原因が発生した瞬間ではなく、若干のディレイを入れて台パンをしている。そして、それを内心煽りながらやって来た花芽すみれも、同じところで死に、そして台パンを放つ。非常に美しい流れである。
(もっと言えば、橘ひなのが音もなく死に、英リサが沼らずちょちょいとゴールしていく様も、このシーンの良さと言える。)

・このように、台パンは最初「キレ芸」の一環として登場したが、現在では、①音質②リズム/タイミング③文脈、といった要素が絡んだ感情表現になっていると言えるだろう。

おわり❗️

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