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出会い

はじめに

こうして自主的に長い文章を書き起こすのは初めてかもしれない(2021年10月28日現在)。今まで、レポートや履歴書、何かに追われていなければ文章を書くことはしなかった。それゆえに、自分の気持ちを言葉にすることが苦手だ。事実を堅苦しい口調で纏めていく訓練しか受けていないわたしには、余りにも難しい。感情の起伏がストレスになってしまうわたしは、小説を読むことも避けてきた。


そんな人間が、自分のことを記述していくには拙すぎる語彙力で、これから言葉を紡いでいこうと思う。きっとそれは、ひどく不恰好なのだろう。でも、記録しておきたい。わたしと7人の少年たちとの出会い、そして、毎日吐きそうなほど尊敬し愛おしいと感じる人との出会いを。

BTS、防弾少年団との出会い

2021年1月、彼らに出会った。実家に帰省していたわたしは、母が"BTS"というグループに最近ハマっているということを知った。永遠にDynamiteのパフォーマンスを見ている母。

(なんだかパッとしないなぁ。)

そんな事を思いながら、母がKPOPに興味を持ち始めたのを良いことに、元々別グループに少しだけハマっていたことがあったわたしはそちらの曲を布教しはじめた。でも母はずっと、パッとしない7人組の映像を見ている。その頃、訳あって音楽を全く聴いていなかったわたしは、

(なんだかレトロな曲調だけど、最近はこういうのが流行ってるのか?)

などと考えていた。結局わたしの布教は実を結ばず、母の流す7人組の映像をぼんやり流し見た。


母がそこまでハマるグループかぁ、と思いながら、彼らのMVを見てみた。高校時代はEDMばかり聴いていたし、洋楽hiphopやラップも好きだったので、彼らの音楽は心地よく耳に響いた。久しぶりにワクワクした。MIC Dropを見たときには(アオキとコラボしてるの!!??)と心底驚いた。そしてDNAのMVを見た時かな、(なんだかものすごい顔面の人がいる…)と衝撃を受けた。(この人がVね、テテって呼ばれてるんだ)と、テテペンになった。

そこからとりあえず公式Twitterをフォローしてテテの画像を保存しまくった。彼らを知ってから2週間も経たない1月13日、ファンクラブに入った。でも、この頃の記憶がすごく薄い。タイトル以外の曲は全然知らなかったし、情報は追えてなかったし、彼らがどういう人間なのかもわからなかった。ただ、彼らの曲は好きだった。


(のちに、「血、汗、涙」が彼らの曲だということを知る。リリース当初にどこかで聴いて、「血汗涙て(笑)」とか思ってた。当時の自分を全力で殴りに行きたい。)

SUGA、ミンユンギとの出会い

テテペンになるよりも前、BTSという存在を認識してすぐ、母がTVに映す彼らのインタビュー映像を横目で見ていた。確か、『無人島に持っていくなら?』みたいな質問だったと思う。その質問に対する7人の「少年」たちの答えを聞いていて、何だかやけに引っかかる回答をする人がいた。びっくりするほど現実的で、アイドルらしくない、自分の意見を曲げずに主張し続ける。(なんだか浮いてない?この人ちょっと苦手かも)と漠然と感じた。名前もわからなかった。声が低くて、淡々と話す、そんな人だった。


その後、ゆるゆるとタルバンのまとめ動画などを見て、何となく彼らのキャラクターが掴めてきた。けど正直、当時のわたしはテテしか見ていなかったと思う。本当に記憶がない。そんなこんなしている内にオンラインファンミーティングがあることを知った。彼らの音楽が好きなわたしはすぐチケットを買った。ファンミーティングの日が近づくと、Twitterがある話題で盛り上がっているのに気づいた。

「大吹打やるの!!?!?!??」

(何?"おおふきうち"って?)何も知らなかったわたしはそう思った。とりあえず調べた。(あ、SUGAの曲なんだ……、個人名義でも活動してるんだ)と、その時に知った。


……なに、これ。Twitterを賑わせていた曲を聴いてみると、めちゃくちゃかっこいい。正直、好みどストライクだった。今まで全く興味がなかったどころか苦手ですらあった人がこんな音楽をするだなんて。でもやっぱり、当日はテテばかり見てしまっていた。SUGAは大吹打のときに(かっこいい音楽だなぁ)と見ているだけだった。有名なタイトル曲ばかり聴いていたわたしは、披露された曲もわからない曲ばかりだった。楽しかったけど、楽しみきれなかったのが悔しくて、沢山動画を見た。曲も聴いた。


……あれ?気づいたらSUGAの動画ばかり見ていた。この人のツッコミ面白いな、頭の回転が早いんだろうな。あ、こんな風に笑うんだ。本名はミンユンギっていうんだ。ソウジュコンが終わってから、私のカメラロールにはSUGA、ユンギが登場しはじめた。そのあたりの記憶も本当に薄い。ただ、ものすごいスピードでミンユンギという、深くてあたたかくて、愛が溢れた沼に落ちていったことは覚えている。


彼が作詞作曲をしていて、元々プロデューサー志望だったことを知り、もう一度"大吹打"を聴いてみた。あ、やばい、すごく好きだ。この人も、この人の作る音楽も、どうしようもなく好きだ。そこからAgust D名義の曲の日本語訳動画を見た。多分、2曲目に聴いたのは"Agust D"だったような気がする。相変わらずわたしの好みどストライクの音づくり、音選び。そんな音楽に乗って挑発的な歌詞を撃ち込んでいく彼を見て、全身の血液が沸騰したようだった。本当に久しぶりに、音楽を聴いてゾクゾクした。

そして、"The Last"を聴いた。関連動画として出てきたから、流れで。曲が始まる。鼓動の音と、荒い息遣いがわたしの耳を覆った。

(あ、もう、後戻り出来ない。)

なんとなくそんな気がした。歌が始まる。そこからはもう、何も考えられなかった。鈍器で後頭部を思い切り殴られたような衝撃。曲が終わると、視界がテレビの砂嵐のようになった。精神的に不安定だった時期があるのは知っていた。デビュー前に事故にあったことも知っていた。でも、わたしは何も知らなかった。彼のことを、何一つ知らなかった。


そこからはもう、ずっと彼の虜だ。

朝起きてすぐ、遠い場所にいる彼に思いを馳せる。よく眠れたかな。朝ごはんは食べたかな。
日中も彼の、彼らの音楽を聴く。いま幸せかな。
夜、眠る前も考える。お仕事お疲れさま。辛くなかったかな。楽しかったかな。

そして、毎日思う。あんな曲を、あんな歌詞を書けるような過去を背負いながら、笑っていてくれてありがとう。デビューしてくれてありがとう。わたしたちを出会わせてくれてありがとう。幸せにしてくれてありがとう。幸せを教えてくれてありがとう。


生きていてくれて、ありがとう。

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