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ニュースに関連する特許をJ-PlatPatでサクっと探す-核融合発電の米新興企業「ブルー・レーザー・フュージョン」を例に-

「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。

タイトルにある「ニュースに関連する特許をJ-PlatPatでサクっと探す」については以前イーパテントYoutubeチャンネルでも配信したことがあるのですが、

今回はこちらのnoteの方で、別のニュースを取り上げて記事として開設したいと思います。

今回取り上げるのは以下のニュースです。

ソフトバンクと伊藤忠商事が核融合発電の米新興企業、ブルー・レーザー・フュージョン(BLF)に出資した。独自のレーザーを用いて安定した発電を可能にし、2030年をめどに商用化を目指す。

レーザーを用いた核融合発電というのがあるんですね。。。初めて知りました。

BLFは青色発光ダイオード(LED)の開発で14年にノーベル物理学賞を受賞した中村修二氏が最高経営責任者(CEO)を務める。

なんと青色発光ダイオードでノーベル賞を受賞した中村修二さんがCEOを務める企業とのことでした。

ということで、レーザーを用いた核融合発電という特許について早速調べていきたいと思います。

ちなみに「注目テクノロジーの特許検索式・リスト」シリーズでも核融合(グローバル)を作成しているので、ご興味あればぜひご覧ください。


1 まずはBLFの特許を確認する

まずは、新興企業とはいえ特許出願している可能性もありますので、BLF(Blue Laser Fusion)名義で公開されている特許がないか?とGoogle Patentsで調べてみます。

2件ヒットしました。うち1件はGB202320129D0ということでイギリスの特許なのですが、ページを開いても何も書かれていません。

実はD0という種別コードは「こういう特許が出願されましたよ」という告知をするためのもので、発明の名称、出願人、日付しか情報がありません。公開公報前に発表されるのですが、イギリスがなぜこのようなシステムを採用しているのか謎です・・・・(誰かご存じの方がいれば教えて下さい)。

それはともかく、もう1件の米国特許を見てみましょう。

まず発明の名称からレーザーの特許であることは分かります。

そして、Google機械翻訳を使って内容を読んでいくと、発明の背景のところに

本発明は、一般に、高強度パルスレーザー生成技術に関する。特に、本発明は、高強度パルスレーザー発生システムおよび関連する方法を提供する。単なる例として、本発明は、材料処理、製造、検出器および検知、加速器(例えば、粒子加速用の高出力レーザーパルス)、X線または他の高エネルギー放射線/粒子を含む様々な用途に適用することができる。生成(例:高エネルギー粒子を生成する他の粒子とのレーザー衝突)、レーザー核融合反応による中性子発生器、その他のエネルギー用途(例:電力、宇宙船、旅行、その他の空、陸、水上の乗り物のためのエネルギー生成)、防衛用途(衛星、航空宇宙、陸上およびミサイル防衛、潜水艦、ボートなど)、バイオテクノロジー、化学、機械、電気、通信および/またはデータのアプリケーション。

とレーザー核融合への言及もありました。もちろんBLFの出願なので、レーザー核融合関連の出願だとは思うのですが、一応確認はしましょう。

2 特許分類を確認する

次にこの特許に付与されている特許分類を確認します(以下はCPCで、分類定義はGoogle機械翻訳)。

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