5G標準必須特許の最新状況【前編】(2023年4月)
「知財情報を組織の力に®」をモットーに活動している知財情報コンサルタントの野崎です。
皆様も5G(第5世代移動通信システム)に関するニュースをよく見かけるかと思います。
5Gについて議論する際は標準必須特許(SEP:Standard-Essential Patent)の保有状況を確認する必要があります。標準必須特許とは、
のことで、私が利用している商用特許検索データベースのPatbaseにはETSI(European Tele communications Standards Institute:欧州電気通信標準化機構)に対して宣言されたSEPを検索することができます。
これまで公開されている5Gの標準必須特許に関するランキングは、
にあるドイツの特許データベース会社IPlyticsが公開した2022年6月のデータが最新版のようです。
なお、最新版ではありませんが、日本のサイバー総研が2020年10月時点で調べた際のシェアは以下に公開されています。
2022年と2020年と調査時期は異なり調査方法も異なるので、この記事ではPatbaseを用いて、検索条件なども明示した上で5G標準必須特許の最新状況について紹介したいと思います。
まず前編では5G関連の標準必須特許をどのように調べたか、そしてIPlyticsの最新情報との比較結果を示します。
ただし1点ご注意いただきたい点は、上述のIPlyticsのデータは出願件数ベースですが、今回紹介するPatbaseのデータはパテントファミリーベースであるということです。
1. 5Gに関する特許を検索する
Patbaseで5Gに関する特許を検索する場合、
のように検索します。SEPPROJはSEPプロジェクト名を意味しています。5G関連のSEPプロジェクト名としては5Gや5G NR、NR(New Radio)があります(以下のようにSEPプロジェクト名には揺らぎがあります)。
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