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私が日本小型バリュー株に強気の理由①

上がってしまった株を今振り返ると「なぜあの時買っておかなかったのか😔」と後悔しませんか?

例えば、私はsantecを去年の10月からずっと推してきました。その頃から私をフォローしてくれている方ならご存知だと思います。国内だけでなく海外投資家に向けて英訳して発信もしました。

santecの成長速度と株価の比較をすると明らかに「買い時」だったからです。まさかこんなに早く上がるとは思いませんでしたが・・・

最近、「第二のsantecはなんですか?」と聞かれることも多くなりました。残念ですが、今のところsantecに並ぶような企業は見当たりません。それほどsantecはずば抜けています。

でも、santecほどじゃないですが『日本の小型バリュー株は将来全部上がる』と私は予想しています。

今日と明日、二日に渡ってその理由を解説します。今回はパート①です!


今週、日経平均株価がバブル期の最高値を後少しのところまで迫ってきました。もしかしたら来週にも未経験の新高値を突き抜けるかもしれません。

この日経平均爆上げは「海外投資家の買い」によるものです。日経平均株価は近頃の急騰によりPER16倍に達しましたが、S&P500は21倍です。つまり米国株と比べるとまだまだ割安圏。さらに円安も加わると、海外投資家から見た日本株はまだ非常に割安なんです。

これだけじゃありません。日本にはさらなる『奥の手』があります。

それがインフレーションです。通貨の価値が下がって物価が上昇していく現象です。海外投資家は日本のインフレを見越して先に買いを入れてきているように見えます。

「え?でも去年からGDPは減少してるし日本は景気後退してるんじゃないの?再び日本はデフレに向かうのでは?」と思うかもしれません。

しかしそう思っているのは不安症な日本人だからです。30年間もデフレに慣れ親しんだ日本人はいざインフレになると言われても"体感が追いつかない"のです。実際給料は"まだ"増えていないですからね。

今年、日本株を売っていたのは日本の個人投資家で、買っていたのは海外投資家でした。つまり日本人は日本経済と日本株に悲観的で、海外投資家は日本株に強気なわけです。さらに言うと、海外投資家は「日本経済のさらなる上昇に賭けている」と捉えられるでしょう。


一方、日本のGDPが減少しているのは賃金が上昇していないからです。物価は上がってるのに賃金が上昇しないから購買力が下がってインフレ率が低下しています。

インフレ率が低下すれば企業の利益が下がるので、株は下落します。しかし株価はその逆で「日本のインフレは加速する」ことを示しているんです。株価は最も経済に敏感な指標ですから。

このインフレの流れを止めないために絶対必要なことが「賃上げ」です。企業にとっても日本政府にとってもインフレ達成は悲願のため、必ず賃上げしてきます。すでに超大手企業の給与は去年大きく上がりました。

物価が上がって、賃金が上がって、30年間横ばいだった企業売上高を引き上げて、"円安"でさらにEPSを底上げすることで日本の大相場は完成します

こうなったら"割安な株はどこにも無くなるだろう"と私は予想します。

なぜならインフレが加速すれば現金を持つ意味は無くなり、本格的に「FOMO(株を持たない焦り)」の心理状態になった国民が一斉に株を買い漁り始めるからです。

その時、まず買われるのはS&P500などの投資信託です。つまり30年間溜め込まれた2000兆円という日本人の虎の子の銀行預金がついに動き出し、円を売ってドルを買うという国策の『円安誘導』に向かいます。円安になれば日本企業の利益はさらに上がり、日本株をグングン株高へと進ませます。こういう裏事情こそ、陰謀論者が議論すべきだと思います。

今はまだNISA陰謀説やら日本経済オワコン説が台頭していますから熱狂相場の初動にすらなっていません。

このような筋書きで円安+インフレが進むと株式市場はどうなるでしょうか?

当然、大型株から株価は値上がりしていくでしょう。現在の『日経平均最強相場』はまだまだ続くと思います。

これにはファンダメンタルズ的な理由があります。大企業ほど価格転嫁しやすく、いち早くEPSに反映されます。EPSが上昇すれば企業が持つ純資産は増えるので自社株買いや増配のニュースで株高を後押しします。だからまずは強いビジネスを持つ大型株から上がります。

でも日本の大相場はこれが初動です。そのうちインフレが加速して大企業だけでなくその下請けや取引先の企業も値上げできるようになると事態は一変します。

何百社もの企業財務を見た人ならわかると思いますが、この20年間、多くの日本企業の自己資本比率はずっと上がり続けています。過剰なまでに自己資本比率が高い企業が多いです。

この背景には「バブル崩壊のトラウマ」が関係していると思います。バブル崩壊前までは日本企業は借金して設備投資してそれを担保に借金して・・・を繰り返しました。そのおかげで売上は爆上げしましたが、いざバブルが崩壊すると今度は借金の返済が不可能になりいくつもの会社が倒産しました。

ここで生き残れたのは「無借金企業」と「株主無還元企業」でした。内部留保を蓄えていた企業だけがバブル崩壊を乗り越えられたんです。さらにトドメのリーマンショックがその経営方針に「間違いが無い」と確信させました。

経営者「やっぱり借金はいけない。従業員も少ない方がいい。給料も低い方がいい。利益は経費削減で伸ばすしかない。」

そうやって、保守的な日本の経営者だけが生き残りました。デフレ経済で日本企業が生き残る唯一の手段だったわけです。

しかしこれからやってくる円安&インフレ経済では、その経営者が生き残れなくなります。なぜなら物価が上がり続ける経済ではコツコツ経費を削減して利益を出すよりも、借金をして、設備投資して、人をたくさん雇って売上を拡大させる方がはるかに利益を伸ばせるからです。

すると上場企業は強気の経営スタイルに変化せざるを得なくなります。内部留保を溜め込んで防御力を高めるよりも、自社株買いや増配をして、株主還元を増やして株価を上げる方向にシフトするでしょう。

東証がPBR一倍割れ企業に圧力をかけている裏では、日本政府が東証に圧力をかけているのではないかと私は考えています。

デフレ経済下では企業は株主還元要請に応えることはしませんが、インフレになれば少しずつ株主還元をしていくはずです。周りの企業が株主還元をしていけば、"右に倣え"の日本人サラリーマン社長は株主還元を強化していきます。

一斉に株主還元が始まった時には割安株はどこにも残っていないでしょう。残るのは赤字企業か、変化について来れなかった負け組だけです。そんな企業はさっさと上場廃止の流れになっていくでしょう。

これが日本経済から見た「これから日本の小型株が上がる理由」です。

次回は、明日夕方に公開予定です♪

次回予告
「歪み続けた小型株市場〜アベノミクス3.0相場がやってくる〜」

のあの妄想予測をお楽しみに💓


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