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映画クレヨンしんちゃん花の天カス学園見てきた

 高校生ぐらいの頃はてんで映画館など行かず、友達に誘われた時ぐらいしか行かなかった。そんなせいかクレヨンしんちゃん、ドラえもんといった昔テレビでよく見た映画は映画館で見たことがなかった。
 大きくなってからテレビでそれらを見ることがなくなり、もう二度と見ることもないと思っていたが、今回のでクレヨンしんちゃんの映画は凄く出来がいいという情報がツイッターに流れてきて、俺は行ってみるか思ったのだった。
 以下いくつかネタバレ入りで適当に話す。

 いつもの五人組(しんちゃん、ねねちゃん、かざまくん、ぼーちゃん、まさお)がエリート校・私立天下統一カスカベ学園(通称天カス学園)に泊りで一週間体験入学することになった。天カス学園は管理AIオツムンにより、統制されエリートとして不適切な発言・行動をすれば評価点が下がり、クラスや給食の内容が変わるといった管理された学園であった。
 体験入学で高い評価点をだせば優先して入れることを知っているかざまくんは、評価点を稼ごうとするがしんちゃんが足を引っ張る。そんなせいで大げんか。かざまくんが一人で寮から出てしまうが、彼は寮へ戻らずおしりを噛まれた状態で閉鎖された時計塔で発見された。
 目覚めたかざまくんはしんちゃん級のバカになっていた。これはガキンチョ化といわれ、この学園で多発してた。残された4人と学級委員長のチシオは探偵クラブを設立し、ガキンチョ化の謎に挑むのだった。

 無人バスや、ドローンから立体描写されるAI、リアルタイム評価点システム。これは暗黒管理社会!ディストピアのなんかだと思ったが、この学園には普通に不良がいる。不良はぼろい教室を割り当てられているが、彼らは評価システムなど気にせず、好き放題、むしろ積極的に悪い発言をして己の点数を下げていく。じゃあ上のほうはというと、普通に真面目なやつが多数なのだが評価点2位の人は多少下がったところで影響ないからと校則違反し放題。
 評価点と待遇の変動はあるが、評価点マイナスで退学システムはないらしい。好き勝手やりたいやつはやりたいことするある意味自己責任で自由に出来てしまうバグみたいなシステムであんまり管理社会を感じなかった。望んでないのに下クラスにいるものには辛いという描写はあるが。

 この物語は、エリート主義、エリートから弾かれたもの、管理社会、脱人間、ミステリー、AIの暴走とやってることはたくさんあるのだが、それらが強固なテーマとして存在し、その歪みや辛さを描いていくというのには見えなかった。子供向けゆえ徹手した描写をしてないというのをあるかもしれないが、自分はすべては紹介文にも使われている「青春」に繋げるための前振りではないかと感じた。
 わりとボケーっと見ていたのだが、ラストの事件解決篇から対決まで流れがアツいのだ。ボケた瞳が目覚めるほどだ。青春の中にある痛み、辛さそして友情と熱。そういうものを全身に携え勝負は進む。やがて来る終わり、それでも終わりたくない願い、様々な感情が渦巻く戦いは文句なしにいいものだった。特にイマイチ4人の輪から外れているチシオがここでは存在感を爆発させていて非常に良かった。
 全体を通して絶賛されるほど超面白いという風にはならなかったが、それでも面白いと言わしめるだけある熱量は十分受け取った。スゴイ面白いから見てくれとはいわないものの、なんか映画見たいけど何見ようかと迷っているなら見ることをお勧めするゾ。

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます