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ロボトミーファイター健一!仏陀降臨の巻!

前回までのあらすじ
感情集団オキモチーズのアジトに乗り込んだ健一は、ついにボスのドクター感情に打ち勝ち、前頭葉を切除することに成功する。だがこの程度ではワシの怒りも悲しみも切除できんと言い残しどこかへ去るのだった。

「よぉし、今日は公園でロボトミーファイトだ!最近オキモチーズの奴らばかりで飽き飽きしてたから早くユリカちゃんやギガントとやりたいぜ!ドクターのことは気になるが、俺が早く亡くなったお父さん並みに強くなれば何度現れたってヘーキだぜ!」
「公園についたぜ!おっ、ユリカちゃんもギガントもいるな。お~い」

「この主語が大きい書き込み……許せないわ!徹底的に批判してやるわ!」
「なんだぁこの陰謀論、ぼくが徹底的に証拠を突きつけて叩き潰してやるぞぉ!」
「おい!どうしたんだ二人とも!ロボトミーファイターならそんな感情的になっちゃダメだろ!そういうのはブロックかミュートするんだ、基本だろ?」
「キーッ!許せない!こんなテキトーな反論!もっともっと叩いてやる!」
「政府が出してない資料があるだとぉ?そんなの通用するか!ぶっ潰すぞぉ!」
「どうしちまったんだ二人とも……まさかドクターの仕業か!」

「それをやったのは私です」
「だ、誰なんだ!頭に変なブツブツつけて座禅しながら浮遊して後ろから光がさしてるお前は!」
「私は仏陀、現世の嘆きの声を聴き復活しました」
「仏陀!?なんで仏陀がこんなことするんだぜ!」
「救済のために降り立ったというのに、世界を見渡せばどこもかしこも争ってばかり。ネットで世界中の人々がつながったのに、やってることは互いに罵り合ってるだけ。ならば好きなだけ感情的に罵り合わせるのが救いと私は考えたのです」
「なんてやろうだ……ドクター並みに前頭葉に支配された考えだぜ」

「大変じゃ!健一くん!」
「ワッ!博士!急に万能通信ブレスレットから話しかけてくるのはやめるんだぜ!」
「緊急事態じゃ!いつも調子に乗ってるトラムプ大統領だが、今日はキタッチョ将軍の肖像画にウンコする動画を配信したんじゃ!それにキレたキタッチョ将軍が謝罪しなければ核を撃つといって準備を進めておる!」
「なんだと!世界の危機だぜ!仏陀てめぇがやったんだな!」
「私は人の心を少し素直にしただけです。勝手にやった人のことなど知りません」
「うるせー!そういうのをテメェがやったっていうんだよ!」

「こうなったらロボトミーファイトだ!俺が勝ったら、みんなを元に戻してもらうぜ!」
「勝負は受けてあげたいのですが、生憎現世の遊びについては疎いもので」
「ならハーフルールの簡易バトルでいくぜ!テメェは俺の感情を刺激するようなものやことを見せたり話したりする。俺がそれで感情的になればお前の勝ち、耐えれば俺の勝ちだ。テメェが見てきた人々の醜い争いを俺にぶつけやがれ!俺は絶対に動揺しねぇ!」
「それならばよろしいでしょう。悟りを開いた私でさえ目を背けたくなるような、罵詈雑言たち。果たして修行僧ですらないアナタは耐えられますかね」
「四の五のうるさいぜ!ロボトミーファイトスタートだぜ!

「それではいきましょう。私が厳選したクソリプ100選をくらいなさい!
ウォオオオオオ!頭に文字が流れてきやがる!これが仏の力か!噛み合ってない返事、書いてない文章を読む、意味の分からない画像リプ、どれもこれもクソの塊だぜ!」
「さぁ怒りなさい、嘆きなさい、人の醜さに絶望するのです!」
「こんなもので絶望するか!俺は文字を読めるようになった頃から父さんと2chでずっと鍛錬し続けたんだぜ!この程度の人の愚かさなんて幼稚園の時に理解してたぜ!」
「ほぉ、文字に対しては耐性がありますか。ならばこれを見なさい!有名人の弟動画です!

ウウウウ!なんだこれは!?同じ人が色んな人の弟ですと名乗り、あの事件の真相をお話しますといっている!」
「手っ取り早く承認欲求と再生数を稼ぐため、事件関係者や有名人の名を騙り、デマを流し続ける。まさに現代ならではの醜さ。さぁ文字は耐えられても動画はどうです!?
「う……チクショーこのままじゃ感情が……」
「さぁ叫びなさい!怒号を上げ拳を振り上げるのです」
「うう……こうなったらこれしかないぜ!」

「ロボトミー奥義!セルフ感情ブレイク!」

「なんと!人差し指の根元まで頭に刺した!なんですか!勝てないと思っての自殺ですか!」
「それは違うぜ……人の感情は前頭葉が司る。ならばそれを壊せばあふれ出る感情も一瞬でなくなる」
「な、なんと邪悪な!頭をいじり、感情を制御しようなどと」
「邪悪?そんなことないぜ!悪くなった体の部位を手術で取り出す。それといっしょで悪い感情を流す脳の一部を手術で取り出す、今回は破壊だがな。それと変わらないことだぜ!まぁ即席で手術できるのは俺みたいな一流ロボトミーファイターぐらいだけどな」

「し、しかし頭をいじるだけでいいならば、誰でも感情を抑えられる、誰でも悟りを開いたかのようになれるということではないですか!」
「そうだぜ!現代社会じゃ誰でもロボトミーで誰でも悟りを開けるんだ!そして俺はロボトミーのすばらしさを広げるために日夜戦っている!仏陀!テメェも喰らいやがれ!」
「な!なにをするんですか!」

「テメェの前頭葉もぶっ壊してやるぜ!感情ドリルブレイク!

グワッー!指を私の頭に突き刺しながら、それを軸にして体ごと豪快に回転している!指が回転することで私の頭が!私の脳がものすごい勢いで削られている!」
「完全に前頭葉をこわしてやらあ!」
ウワーッ!!!あ……?な、なんでしょうか?やけに心がさっぱり落ち着いている気分です」
「それは前頭葉がなくなって、感情の支配から解放されたからだぜ」
「そうだったのですか。私は自ら悟りを開いたものと名乗り、全てから解放されたつもりでした。しかし真の解放は前頭葉を捨てた先に会ったのですね」
「その通りだぜ、さぁ仏陀、世界を元に戻してくれないか?」
「わかりました。世界の感情を元通りに。そして私は今一度天に戻りましょう。地獄で苦しむ人々にロボトミーで苦しみの感情をなくして上げなくては」
「へへへ、それでいいぜ」
「ではさらばです。アナタがロボトミーを広げて世界中の人々が解脱できることを祈ってますよ」
「ああ!任せろ!」

「あれ……わたしどうしてこんなのにムキになっていたのかしら?」
「ありゃ?なんでこんなアホな陰謀論に付き合ってるんだぁ?」
「ユリカちゃん!ギガント!元に戻ったんだな!ヤッタゼ!」
「健一くん!」
「博士!」
「トラムプ大統領とキタッチョ将軍が正気に戻った。お互いに感情的になってスマンと謝っておる。うまくいけばお互い感情的にならないようにロボトミーしようという話にできるはずじゃ!ワシは政治工作してくるぞい」
「へへへ、博士はどんな時でも抜け目ないや。それにしてもどうして仏陀は復活したのだろう?ほんとうに人々の嘆きが……?」

――――

「ドクター、仏陀が天に帰ったようです」
「フン、構わん。あんな奴生き返したのは本命の前の実験でしかない」
「さぁソクラテスよ生き返れ!貴様の無知の知で世界中のものどもを感情で支配するのだ!」
「フフフ、今度こそ健一、お前に感情のすばらしさを教えてやるぞ。このメカ前頭葉とギリシャ哲人どもをつかってな!」

【続かない】

ロボトミーファイト健一って?

今回会話だけにした理由

前回のあらすじとか入れたり、基本しゃべってるのは二人だから混乱することなかったりとレギュレーション違反な気がするけど気にしないぜ!

さぽーとすると映画館にいくかいすうが増えます