新鮮なお肉のすてーき屋さん 後編
前編
部下は店の奥へ連れ去られ、今は評論家一人。いますぐ逃げ出せるが、部下を殺された恐怖よりも、完璧な肉への興味が勝った。ただ料理を来るのを待つ。
「思ったより手間どった」
料理が置かれた。香ばしいにおいと、よくきいたスパイスの香り。ジューシーな表面が食欲をさそう。ただ肉の塊から生えた五本の枝が、ただの肉ではないことを語っていた。
「食べないのか?」
目の前の肉を見つめるだけの評論家に、挑発を含んだ物言いをする。完璧な肉と、人としての倫理、二つを天秤にかけ……完璧な