禁煙の辛さについて
身も蓋もない話だけど、禁煙を絶対成功させる方法は「タバコの無い環境に居続ける」しかない。
喫煙者は喫煙によってドーパミン過剰な状態が出来上がってしまったために、ニコチンの欠乏がドーパミン欠乏になり、ある種の「飢餓感」を引き起こす。この飢餓感は喫煙によってのみ解消される。しかも、厄介な事に、補給という観点から喫煙という行為は非常に洗練されている。吸引という簡便さと一口吸ってから7秒でニコチンが充足するそのスピード感、これに対する代替手段が無い。
世の中の禁煙方法というのは、それこそ「気合い」から「禁煙外来」まで色々あって、それぞれの方法で成功する人もいれば失敗する人もいる。成功確率の高いという「禁煙セラピー」にしても、失敗する人は失敗する。比率として見れば、「例外」というには数が多い。
じゃあ、禁煙外来が確実なのかというと、結局は人による。何故かというと、ニコチン欠乏の「飢餓感」は人により感覚の大小があり、それをまとめて克服できるような強力な手段では無いから。薬によって喫煙に向かう意識を削り取る事は出来ても、飢餓感を埋め合わせる事は出来ない。
最初の一服でドーパミン過剰な状態になってしまった以上、禁煙するという事は「飢餓感と一生付き合っていく」事を意味する。飢餓感が弱い人であれば、それこそ気合いでどうにか出来てしまうし、「禁煙セラピー』を始めとする禁煙本で提唱されている認知の矯正によって達成できる。しかし、そうでない人はその感覚の強さから、他の関係が無い様に見える雑多な記憶と複雑に結びついた「習慣」というものに打ちのめされる。
身体的依存の観点から、ニコチンは摂取してから3日で体外に排出される。よって、最後の喫煙から3日間は禁断症状が出る。しかし、この3日間の禁断症状も、個人差があまりにも大きいため、巷で流布される話を鵜呑みに出来ない。
そう、世の中にある「禁煙法」の一番の問題は、この「個人差」を強調していないことにある。なので、1つの方法で挫折すると本当に傷が深くなる。何度も失敗するうちに禁煙そのものをやってみようという意欲が無くなってしまう。確かに提唱者はその方法で禁煙を実行できて、他人に対しても同様の効果を確認出来たのだろうが、それはあくまでも「分かる範囲」での事。一人ひとりの症状の出方は本当に多様なので、1つの方法で「駄目だ」と思うのは早計。
と、いう文章を書いている現時点で、禁煙は続いている。本に書いてあるような「軽い禁断症状」などでは無く、誘惑は未だに止まっていない。過去何度も禁煙に(短期間は成功しているが、長期的には)失敗しているが、今回の辛さはまた別格だ。睡眠障害が出たのは初めてだったし、呼吸困難の症状も過去のどのパターンとも一致していない。当然、今流行りの「新型」では無い事は体温がずっと平熱である事から明らかなので、(この辛さに関しては)何か、根本的な間違いがあるような気がしている。
まずは、自分自身を使った実験から始めて見る。
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