ももクロ15周年ツアー『QUEEN OF STAGE』を終えて

ももクロ15周年ツアー『QUEEN OF STAGE』ファイナル公演から約3週間経った。(途中で諦めかけてしまったため、かなり経ってしまった)

本当に15周年ツアー、最高だった。

ありきたりな言葉だが、心の底からそう思う。

同じ演目を観たとは思えないほど、毎公演新しい発見があった。
といっても私が行けたのは12公演中の5公演。
実は全貌の半分も観られていない。
(5公演でもこんなにお腹いっぱいなのに…?!)

しかし、さらに多くの公演に行けていればさらに新しい発見ができていたに違いない

ももいろクローバーZはツアーの中でも大きく進化し続けた。
さすが15年間進化し続けているアイドル。

演出の違いも、もちろんあるが、
何よりも、どんどんと洗練されていくパフォーマンス。

これでもかと言わんばかりに、私は毎公演度肝を抜かれた。

「あぁ…これが私の大好きなももいろクローバーZだ」と何度も思った。


では、私がこのQUEEN OF STAGEをどう受け止めたか
しっかりと言語化できるかはわからないが、書き残していく。

まずセットリストがどのように区分けされるのか、以下のように考えた。


①ももいろクローバーZ 参上!!!
②『QUEEN OF STAGE』(女王の座から降りる~建国)
③15周年の感謝を込めて、そしてこれから


以上。シンプルイズベスト。

要約すると

①最初の4曲で「これが、ももいろクローバーZだ」と観客を圧倒させ、奮い立たせる。

実はこの間、一度も『ももいろクローバーZ』と名乗っていない。しかしこれだけで、ももいろクローバーZというグループがどんなグループかが分かる
そんな4曲が集められたのではないだろうか。

②夏菜子ちゃんの「QUEEN OF STAGE スタート!!!」から本編が始まる。

15年で進化したももクロがどんなステージを魅せられるのか

Another WorldからMONONOFU NIPPONまでで一つの王国ストーリーに。


③ももクロの歴代代表曲メドレーからアンコール最後の吼えろまで。

ももいろクローバーZの15年間とこれからのももいろクローバーZを
『ライブ』の中に、もう一本の『ライブ』仕立てで想いを届けてくれたように思う。

何といっても彼女たちの『核』である『ライブ』をド直球でぶつけてきてくれた。


これらを少しずつかみ砕きながら、個人的な感想や意見など交えて話していく。

それでは、本題に入る。


①ももいろクローバーZ 参上!!!

15年間の月日をかけて、大人になって進化を続けたももいろクローバーZ。

やはりオープニングでも昔の写真がたくさん盛り込まれており
「あの時…」「この時は!」と、きっと会場内のモノノフも
ももクロの歴史と自身の歴史と照らし合わせて懐かしく思っただろう。

今回のコンセプトである女王に扮した写真が映し出され、

「trrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrrr!!!」(伝われ)と
壮大な演出で会場内のボルテージが最高潮に達する。

「ガチャッ」「ギーーーーーーーーーーーーーー…」
門が開くと同時にモノノフが静まり返る。

『邪道』…『桃栗三年茶番十五年』
(限られている記憶力の中で思い出せるのはこのくらいだが)

確実にももクロが貫いてきたスタイルを象徴する単語が
メンバーの声で会場内に淡々と流れる。

『Yes, We are?』

この後だ。今までであれば「We are? ももいろクローバーZ!」と名乗るだろう。

しかし今回は違かった。ましてや一曲目のイントロが流れるわけでもなかった。

「Yeah~~~~~~!!!……」という入りから

『待っていても始まんない』という詩織ちゃんのパートに移行する。


何度も何度も聴いてきたはずの『走れ!』が垢抜けまくって現れた。

もはや、最初は「新曲?!?!」と思った。
同窓会で久しぶりに会った同級生が垢抜けすぎて誰かわからないみたいな(?)

デビュー当時はもともとA面でリリースをする予定だった『走れ!』。
『行くぜっ!怪盗少女』と並んでももクロを世の中に発信した楽曲だ。

少し話がそれるが、
9/30に開催されたGirls Award2023では『走れ!』が流れた瞬間
他のアイドル目当てで来ていた女の子たちも「わぁぁ!!」と盛り上がっていた。
モノノフでなくても、きっと彼女たちの歴史にももクロは存在しているのだろう。
「ももクロ、凄いでしょ!」と誇らしくなった記憶は鮮明に残っている。

そんな、『ももいろクローバーZ』と名乗らなくても
誰しもが『ももいろクローバーZ』とわかる曲でライブが始まった。

そして次は『DNA狂詩曲』。これも人気が根強い曲だ。

生きいそげ 遅れるな
臆するな 「もうヤメるな!」

クサらずに 立ち向かえ
立ち上がれ 「もう泣くんじゃない!」

歌詞の一部を抜粋したが
アイドル戦国時代の王道アイドルの型を破りながら
さまざまな困難に立ち向かって活動を続けた彼女たちは
きっと苦しい中でも、歌詞のように自身を奮い立たせて努力をし続けただろう。

『DNA狂詩曲』はそんな時代を彷彿とさせる一曲だと思った。

『PUSH』。国民的アイドルグループともいわれる立場になった後でも

もっと速くもっと強くもっと美しくなる

常に進化を止めない『ももいろクローバーZ』を象徴するような曲だ。

さらに、田中将大投手の登板曲含め、2017年の夏に開催されたライブなどから
アスリートを後押しする、そしてアスリートに限らず『人々を後押しする』

そういった意識を前面に押し出した活動が増えたように思う。

前から、がむしゃらに突き進む彼女たちから元気と勇気をもらっていたが、
その元気と勇気を真っ直ぐ形にして届けてくれるようになった、そんな感じがする。

みんなで\がんばれみんな!!!/と叫べる幸せ空間、最高。


そして、ももいろクローバーZ参上!!!パートのラストを飾るのは『笑ー笑』

ももいろクローバーZが4人になった後、一番初めにリリースされた楽曲だ。何百人、何千人、何万人がこの曲に救われただろうか。

『映画クレヨンしんちゃん 爆盛!カンフーボーイズ ~拉麺大乱~』の主題歌で、歌詞は子どもでもわかりやすく優しい歌詞で作られている。

笑顔の絆を胸に
光のほうへ進んでいく
きみから僕へと伝わってくる この勇気
いつも 笑ー笑

しかし、本質を突いている。笑顔の大切さ、何年経っても変わらない。


夏菜子ちゃんの2014年国立競技場での宣言

『みんなに笑顔を届けるという部分で、天下を取りたい』

『笑ー笑』はその笑顔の天下に向けて大きく貢献し続けている楽曲だ。

以上、ここまでが「ももいろクローバーZ参上!!!」だ。


どんなグループか、もうわかったでしょ?????
と言わんばかりのセットリスト。圧巻だった。


この後は、そんな15周年を迎えた彼女たちが魅せる『QUEEN OF STAGE』だ。


②『QUEEN OF STAGE』(女王の座を降りる~建国)


百田夏菜子女王・玉井詩織女王・佐々木彩夏女王・高城れに女王
全く異なる国の4人の女王が集まり、転生を経て新たに建国する。

全体像としては、そのようなイメージだ。


『Another World』。玉井詩織女王の登場。

自由気ままな女王の下で、国民ものびのびと生活を楽しんでいる国をイメージした。

微笑んでいる きみは
私にとっての Special world
このままどうか私を連れて
目眩く Like a merry-go-round

詩織女王に「私にとっての Special world」と言われたら
すぐに連れて行ってしまうことだろう。お金持ちの王子になりたい。(ただのオタク)

少々私情を挟むが、私の大好きな大好きな曲だ。

8/5の初見、イントロ(レコードに針を落とした音)が聴こえた瞬間、悲鳴をあげて頭を抱えてしゃがみ込んだ。
思わず発したのは「なんで?!」の一言。
今思えばめちゃくちゃヤバいオタクだった。周りにいたモノノフさん、申し訳ない。

バレイベ2023表で初披露をした『Another World』だが、
振付もその時から一新していた。全部違う。まさにAnother World。

オシャレで可愛い女の子が詰まっているそんな楽曲が
ダンサーさんのおかげでキラキラした女子会のような雰囲気にアップグレード。

このツアーを通じて『Another World』がもっともっと大好きになった。(ツアーが終わってしまった今、次に披露されるのはいつなのか………泣)


続いて『じゃないほう』。高城れに女王の登場。

人々に、「私も完璧ではない」と寄り添う女王。きっと優しさに溢れた国だろう。

階段の上から少し緊張気味に手を振るれに女王は
もはや国民が護ってあげたいと思えるような女王だった。

そして、この曲の途中でダンサーのYukiさんのソロダンスがある。人間の心の中にある『葛藤』が、表情も含めて表現されていた。
ファイナルの少し微笑みがかった表情、とても素敵だった。

このソロコーナーは『四女王』を紹介しているのだと思う。
(四天王を意識した造語だ。勝手に作った。)

一人として同じようなタイプの女王はいないが、全員が集まると……?

百田夏菜子女王と佐々木彩夏女王パートもあるので、また後ほど。


では続いて『バイバイでさようなら』

ここでももいろクローバーZの楽曲が登場。

『QUEEN OF STAGE』が始まったと思ったらまさかの『バイバイでさようなら』。

心の中で「そうきたかーーー!!」とひっくり返った。

私の目の前に 終わりがある
答えをみつけなさいって 迫られてる

私は、この『バイバイでさようなら』で女王に終わりが訪れたと解釈をした。

最初は、「代交代で前の代が亡くなり、ガンズで自身が女王の新世代を迎える」
というように予想をしたが、女王が身に着けている帽子を投げていることから

一度女王の座を降りている(亡くなっている)のではないかと考えた。
(帽子は英国女王の象徴ともいえるロイヤルハットと類似しているな~と)

考えてたつもり でもどこかで
どうして私なの?って思ってる

こういった歌詞から、女王として未練が残っている状態だと推測。


そして『Guns N' Diamond』

この世界 足を踏み入れたら
前に進む しかないよ

この世界=女王の座を降りた世界

負けっぱなしじゃ終われない
こんな世界じゃ物足んない
欲しいモノを 手に入れるためには
犠牲も 辞さない覚悟
命がけで進め

女王の決意がここで表れている。

スタンドマイクでの演出が、”揺るがない”といった雰囲気を出していてとても良い。

例え、今は女王ではなくても、また手に入れたい。

そんな女王たちの新たな門出のような気がした。


続いて『PLAY!』

ステージとしてはゲームの一コマを見ているような今までにない演出で、観ていてとても楽しかった。
Bを一生懸命に指さす詩織女王、可愛すぎた。

いろんな人に出会う旅をしたんだ
めいっぱいの壁と闘い 今日集まってる
止まったりしない どの選択肢を選んでも
経験値は たどり着くことを知っている

また違った角度での女王の決意。

そしてこういう国にしたい(ボーダーレスなど)といった意識も込められていそう。

『PLAY!』の世界観でつくられた国、絶対平和だ。


ゴリラのパンチは凄い
怒りのパンチだゴリラパンチ

佐々木彩夏女王、お怒りです。きました『ゴリラパンチ』

熱すぎるってダサいことですか? 人畜無害な若者よ
戦うのって怖いことだけど 守るべきものがあるならば

嵐が吹き荒れる中でも、守るべきもののために戦い続ける。

女王の強さが『ゴリラパンチ』で表現されているのではないだろうか。


また、違った角度から考えると、
『ゴリラパンチ』は桃響導夢で生まれ変わったといっても過言ではない一曲であることから

「新生」を象徴している可能性もある。

それにしてもあの人数をゴリラにするももいろクローバーZさん凄い。


『Nightmare Before Catharsis』

悪い夢を見た
現実か WOW WOW
幻想か WOW WOW
今度こそ WOW WOW
終わりだって言う

二度目の終わりが来るかもしれない。今度こそ本当の終わりが来るかもしれない。

そんな恐怖に苛まれている様子をイメージした。

しかし、

まだ終われないyear
まだ終わらないyear
ツライツライツライツライつらくなんかない
DEAD ENDの先へ

辛い状況ではあるが、何とか乗り越えようとしていたのではないだろうか。

しかし、女王がモノノフにボールを投げ入れ、モノノフがボールを懇願し、それに群がる様は
なんだか”国”って感じがした。
(そこまで忠実に再現されていたのか………?!笑)

私はボールがあと少しのところで手に入らず、毎回絶望していた。本当に。

私も、絶望を糧に掲げていく!!!!!!!!!!!!!!!!


続いては『Re:volution』

今日が「その日」だろ
革命の足音はもうすぐそこにある

言わずもがな『革命』を象徴する一曲だ。

一緒にヘドバンするの本当に楽しい。まだやっていない人はぜひ。全力ヘドバンで詩織女王とお揃いのヘアオイルの香りをまき散らしていたら私かもしれない。

ブルエンとの対バン、全力待機。お願いします。


MCを挟んで『HAND』。高城れに女王の国のイメージに近い曲だ。

人は強くないけど
でも一人じゃないから
Take my hand take my hand
私も強くないけど
でも君がいるから
Gimme your hand gimme your hand

人々にそっと優しく寄り添ってくれる、そんな曲だ。
きっと、この曲にはたくさんのモノノフも救われているだろう。

そして、メンバーの後ろにはメンバーらしき影が映っているのだがそれは映像でメンバーとは全く異なる動きをしている。

「表と裏」だったり「建前と本音」だったり、人間の二面性を表現していたのではないだろうか。


そして『リバイバル』

4人のコーラスから始まる。
何にも頼らず、自分たちで音楽をつくる姿に鳥肌が立った。

さて、ここでは何を表しているのだろうか。

何処へ行けば 生き返るの?
燃え尽きそうなこの魂 灰と化して 華麗に舞う 有終の美でも飾る様に

『バイバイでさようなら』で生じた未練のようなものが
「何処へ行けば 生き返るの?」という出だしからまだ感じられる。

また翼が折れようとも 燃え尽きようとも
何度だってやり直せる もう迷わない

そして、紆余曲折を経て、改めてやり直す決意を固めた。そんな風に感じた。

私は『HAND』と『リバイバル』で共通している”自分らしく”が
今の世の中に必要な指標だと思う。
遠い他者とも比べることが容易になった今だからこそ

一人一人目指すゴールは違うから go on more and more (go on more and more)
信じてる道をただ進めばいいのさgo on more and more (go on more and more)

そんな比較に負けない、自分軸の考え方が大事になる。
この2曲はそんな大切にして欲しいものが詰め込まれている気がする。


『あーりんメドレー(だてあり・反抗期・あーりんはあーりん)』

(佐々木彩夏女王はあーりん女王と呼ばせていただく)

他の3人の女王を追い出し、あーりん女王らしさ全開のパフォーマンスが始まった。

あーりん女王、やってくれた。1人だけ3曲をどーーーーんと盛り込んできた。

何度も\あーりん!/と叫ばざるを得ない状況。
国としては絶対服従の最高の構図だった。笑

この先 この未来 何が起きようと
ピンク きらきら 歌うから! あーりん is Forever!!!

この歌詞で毎回泣きそうになる。

可愛さとかっこよさというのは相反するイメージがあるが、この時、確実に共存していた。



そして『赤い幻夜』。白一色を纏った百田夏菜子女王が現れる。

瞬きした瞬間に消えてしまいそうなくらい儚く感じた。

女王というより天使のような神のような、そんな神聖な雰囲気。

深く 潜り ゆるり 見上げれば
空はもう 夜明け前

もうすぐ夜が明ける。


そして、この2人の女王パートから「ピンク」「赤」と
少しずつ色が出てきているのも何かの予兆だったのかな?(たぶん偶然)


百田夏菜子女王が扉の前に立つと、始まったのは『天国のでたらめ』

扉の向こうから白い衣装を身に纏った3人が現れる。
(ドライアイスで本当に別世界のような雰囲気が出るの、好き)

あの日描いた夢を 仮に(A)として
この未来を(B)とする 神様がいるなら
この(A)と(B)とを イコールにしてお願い

(A)=亡くなる前から亡くなった後も4人が描き続けた夢
(B)=4人の女王が生まれ変わった未来

私はこのように仮定をした。

この(A)と(B)がイコールになれば。

踊るきみの姿のすべてを
笑う顔も 口癖も
覚えて生まれかわるから
来世もよろしく ずっと

生まれかわるまで、あと少し。

そう思いながら四方に歩く女王を見つめていた。


後ろのモニターにはそれぞれ4人が歌詞を口ずさみながら上から自身を見つめている映像が流れる。
来世とやらに迎えに来たのだろうか…??


そして、『GOUNN』
イントロから儀式感が強い。

あなたに逢いたいよ 旅路は永遠の彼方
諸行無常のどこかに けして変わらぬもの

上記の夏菜子女王のソロパートのあと
ダンサーさんの協力を得てメンバーカラーの衣装に早変わり。

まさに『生まれ変わった』ということではないだろうか。

英国風の女王から和風の女王になったと解釈をした。


最後、『MONONOFU NIPPON feat. 布袋寅泰』

これは完全に『NIPPON建国』。

あの一体感、絶対建国していた。
私はその国民として女王(将軍?笑)に向けてコールしていた。

笑顔と 歌声で 世界を照らせ!

GOUNNの歌詞の中にもある「けして変わらないもの」
MONONOFU NIPPONのここの歌詞はまさにそうだなと。


ここまで(ほぼ無理矢理)ストーリーに落とし込んできたが

これは間違いなく、ももいろクローバーZが
15年の活動の中で培ってきたものが詰め込まれた
『QUEEN OF STAGE』だった。

素晴らしいステージを堪能させてもらったと再度実感。


③15周年の感謝を込めて、そしてこれから

ももクロの歴代代表曲メドレーからアンコール最後の吼えろまで
まるで一本のライブのようだった。

ももいろクローバーZと出会ったきっかけを
メドレー、怪盗少女で1人1人と確認し合って

それでも 迷ったら 後ろを 振り向け
あの日の仲間たちが それぞれの拳を 掲げてる

吼えろ

最後の吼えろで、これからも一緒に歩んでいこう
そう伝えられているような気がした。

最後、本当に簡略化してしまって申し訳ないのだが
また時間があるときに補足していきたい。
(別のももクロのライブの感想も投稿したいためこの形で失礼する)


本当に最高のツアーだった。

ももクロちゃん、いつもありがとう。
そして、これからもよろしくお願いします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?