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撮影スタジオに広がる異国の風景

今日はホームページの撮影でした。年に2回はスタジオを借りてカメラマンさんに撮影をして頂きます。

今年、ちょっとお高いカメラとレンズを購入しましたが、TOPイメージは変わらずプロにお願いすることにしています。もちろん、腕は言わずもがなですが、ビジュアル面の妥協をし始めたらこの商売終わりですからね。
また、こんな時代だから築き上げた関係を簡単に終わらせないようにと心掛けています。

洋服の撮影というと少し華やかな現場を想像されるかもしれませんが、全く違いますね。
いつもカメラマンさんと二人きりで、撮影する洋服のテーマから派生するお話しをしながら…どちらかというと少しリラックスな現場です。
因みに今日はマルコムXと映画グリーンブックの話しだったかな。

撮影への手順を少しお話ししますと、
この時期は秋冬物の量産中でもありますから、サンプルは工場へ見本として出て行ってしまっています。
撮影日を決めてから、当日にサンプル(撮影用)を揃えるスケジュールを立てて、撮影後1日ですぐ縫製場に戻す流れです。
通常はここにモデルの手配が入ります。
ただ、わたしのブランドはストーリー主体ですので、商品単体とお話しが引き立つよう基本モデルさんは登場しません。
スタイルの良いモデルさんが着用すれば現実離れするような見栄えになるのかもしれませんが、わたしが目指すのは等身大の日常着です。
身近な人たちを想像してデザイン、サイジングをしているので、高身長のモデルさんもあまり向いていません。
その前に目指している"格好良いの方向性"も少し違いますしね。

一番は、画一枚でそのストーリーの空気をどれだけ表現できるか。

撮影をする商品が決定すると、そのストーリーで構図を組み立て、備品集めに入ります。まずはわたしのガラクタ部屋から備品になりそうなものをピックします。足りないモノは買い出ししたりもします。

今回の撮影の一つはドイツのベルリンが舞台となる「benns」。シリーズ化しているコックシャツのストーリーです。

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Hi Story
“オーガニック先進国ドイツ、その歴史は100年とも言われている。
そんなドイツはベルリンのbioマーケット街にお店を構えて60年になるレストラン「benns」。
その食に対する意識の高さは秀逸で、食材や味へのこだわりはもちろんのこと、器や盛り付けの美しさ、店構えまで徹底されていました。
夫婦二人ではじめた小さなお店でしたが、そのすべてのスタイルが世界中にお手本として今に受け継がれています。
今でも店の奥にはオープン当初の若い夫婦の写真が飾られています、
二人が着ているユニフォームシャツがみんなの憧れであることは言うまでもありません。”
*Hi STORYに登場する人物や団体名等はすべて架空のものです。

秋冬に、このストーリーからBio Markt Woolen Jacketがリリースされます。
ベルリンの冬、まだ暗い早朝にクラシックなウールジャケットを身にまとい、お気に入りの自転車でビオマーケットに向かうbenns店主の姿が・・そんな新たな風景(ストーリー)です。

そんなシーンをジャケットを主役にしながら、最小限の備品をつかって空気感をつくり出します。
今回の撮影は、頭に描いていた以上の満足いく仕上がりになりました。

今日は商品ごとに、スタジオがアメリカ、ドイツ、モロッコ・・、
いくつかの異国の空気を味わいながらの楽しい撮影でした。

そんな背景も踏まえて、まもなく入れ替わるホームページのTOPをご覧いただけると楽しい?かもしれません。

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