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501に触れてはいけない。

「デニムの定番は501」、そんなことを語るのは野暮というもので、言わずもがなカジュアルファッションの歴史が全てを物語っています。
しかしながら、501といっても時代によってシルエットも異なるわけですから、要は定番というよりはそのモノ自体がデニムの象徴であり、カジュアルの象徴になってしまっているのだと感じています。

わたしたちの時代はデニム=501であり、501を履きこなすことから始まり、それをいかに応用できるかであった気がします。
時代が進むにつれ、様々なジーンズが世に生まれ、そして廃れていきました。ファッションが多様化していく中においては、トレンドのはざまに街中からデニムが消えてしまったような時期もありました。
それでも必ず戻ってくるのがデニムであり、その象徴はいつも501であった気がします。

もちろん、わたしの人生においても501は身近な存在でした。
学生時代に買った80年代の新品の501に始まり、ヴィンテージの501、そしてこの年になって行き着いた赤耳でもないUSAのレギュラー501。
正直、履くのも年に数回になってはしまいましたが、この歳までクローゼットにポジションを置き続ける彼らはやっぱりすごいのです。

洋服を作るものとして改めて思う。
「 501という型にはやっぱり触れられない 」
カタチをも超越したその存在を再現する意味はこの先も見いだせないまま、新たなデニムにトライしていくのだと思います。

ブランドスタート当初からデニムはペインターを定番としてきました。
もちろんペインター好きというのもあり、カタチ、素材のオンスから色までこだわってきました。
そして新たに1型のデニムを作りました。
まさに履きやすさを重視したトラウザーのようなデニム。

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シルエットも501とは程遠いデニムですが、合わせなどを考えずにスッと履けるという点だけは共通しているのかもしれません。



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