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良きシルエットに繊細なディテール

例えば、着古したなんでもない黒のTシャツにペインターデニムってわたしの変わらない定番的着こなし。
白のワークシャツにペインターデニムも甲乙つけがたい。
とてもシンプルな着こなしなのに、飽きがこない。
もちろん、合わせる靴も大事だけど、ペインターのシルエットやオンスがそうさせているのだと思う。

ブランドスタートすぐにそんな思いでつくったのが「denim painter」。
モデル名にひねりをくわえないことが、一見なんでもないものの奥にこだわりを感じ取っていただけるのではと思った。
その後、Wというワイドなペインターも作成したけど、初代デニムペインターのシルエットに勝ることは出来なかった。

それくらいに奇跡的なバランスのペインターだと自負している。
なぜか女性から男性まで3サイズでまかなえるのが自分でも不思議だ。
もちろん、そこから8年程経った今は体も増してサイズ4が必要になったことは否めない。それでもサイズ3で履いてみたりと、幅のある着こなしが出来るのも万能なペインターという独特の履き方にあるのかもしれません。

そして、もう一つ欠かせないのがその素材。
皆さんが今想像した通りオンスはライトなもの、肝心なのは「織と色」。
毎度、何かにつけてデニムのことは書いてきましたが、もちろんアイテムが変われば理想の素材や色も変わります。
この素材は当時のダンガリーズを目指し製作しています。
綿花収穫時の落綿を半分織り交ぜることで不純物が混ざり、フラットではない自然なムラが生まれるのです。
バージンインディゴのみを使用して、薄いブルーの槽で糸の芯まで染め上げているのも大きな特徴。
他のデニムとは少し異なる目線での製作工程が、まさにこの表情に繋がっているのです。
最新設備を使って、あえて昔の生産環境を再現するというある種の矛盾的要素も見逃してほしくない点ではあります。

今回、シルエットはそのままに新たなストーリーをのせた新作になります。
サイドのポケットは決してやり過ぎず、立体感を出さないようシングルステッチを強調させました。

トップスはあくまでもシンプルでこそ際立つ。わたしの中のもう一つのペインターストーリーが始まりました。


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