見出し画像

素材や色で自らを解放する

ゴールデンウィークを過ぎるとようやく夏が近づいてくる、そんな実感があります。
今年も気候がさっぱり読めない春でしたが、この感じはもう当たり前のようになってくる気がしています。4月の真夏日に記録的な降水量、もう日本はすでに熱帯雨林化しているのかもしれません。今以上に夏の比重が高まるようなら、洋服業界全体の様々なバランスも大きく変わってくるはずです。

それならそれで夏を今まで以上に楽しむしかない、洋服を嗜みながら。

夏は洋服の着こなしが簡素化されてしまいがちなので、よりセンスが問われる季節でもあります。
一般的にも夏ほど着こなしが難しいというイメージがあると聞きます。
それは着る(重ねる)アイテム数がどうしても少ないので、全てが単調になってしまうということなのだと思います。

わたしは‟洋服はいかに力を抜いて着飾るか”だと思っています。
重ね着が少なければ、より引き算の美学も際立つというものです。

極論を言えば、ビーサンをどう履きこなせるかがセンスだと思っています。

もともとシャツ一枚、パンツ一枚でどれだけ雰囲気を出すことが出来るかなわけですから、そんな大きな差はないわけです。
そこにどう差をつけるか・・。
わたしはいつもシンプルだけど、素材や色柄を大事にしています。
季節を素直に感じながら素材を探って、ひかれるがままに色柄を手に取る。
夏ならシルクやレーヨン、サマーコールなどの素材も良く取り入れます。
色は少しくすんだイエローやブルー、朱赤が好きで、バーガンディなんかも時より無性に着たくなります。

どちらかというと保守的でベーシック好きな人こそ、いつもと違う素材や色にトライしてほしいですね。もともと持っている安定感があるからこそ、きっと絶妙なバランスにおさまるはずです。

素材で遊ぶということは、皆が振り向かない素材を選ぶということ。
色で遊ぶということは、皆が手を出さない色を選ぶということ。
当たり前の事のようですが、それはある程度のバランス感覚と少しの余裕(遊び心)の上にこそ成り立つと思っています。
そして、それが更に自らを解放させてくれる好循環になるのです。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?