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真夜中にしか書けない


真夜中にしか書けない文章がある


わたしは夜がこわくて好き。夜は暗くて静かで空気が一定で、まるで 上手な嘘みたい。あとは鍵のかかった箱の中のよう。昼間は、浜辺のように波が寄せては返し寄せては返し、太陽のひとつでテンション(テンションって言葉 変だね)まで変わってしまうこともある歪な存在だけれど、楽しい日にも心地の悪い日々にも何も出来なかった日にも、暗い夜は平等にやってきて静寂を振りまく。弧を描いて。聖水だ。美しいなあと思う。

わたしはその夜をいつも6畳のベッドルームで過ごしている。部屋には悪い気が溜まる と、精神論とか化学とかスピリチュアルとかさまざまな面で呟かれているけれどそんなのぜんぜんきこえないしーらない。


夜と宇宙が同じ暗さを共有しているということは夜って宇宙なのかな、なんて半分くだらない真実を一晩中考えている。反芻。頭の隅に置いて 別のことも考える。
上手な嘘みたいな夜は 地球じゃなくて宇宙だからほんとに嘘なのかも、なんで考えるとゾッとしない?大人が夜にお酒を飲む理由、子供が夜に外を徘徊してはいけない理由、夜に眠る理由、ワンナイトラブの理由、24時間が夜に終わりリセットされてしまう理由。それは全てが嘘だから、にたどり着く。地上波テレビの放送休止の辻褄合わせみたいね。アレも嘘だもんね。辻褄合わせの番組表が真っ暗なのもなんだか繋がってこわい。嘘嘘嘘宇宙ね。でも、嘘のせいにして なかった事にするのはダサいから、せめて僕達くらいは本当でいようよ。


シェルター、わたしは夜の聖水を受け骨の折れたベッドの上で今日も眠るよ 耳鳴りがするね もしかしてこれが夜の音なの?わかんないけれども

まぶたおちてきた おやすみ 



安住日希

#ミスiD2019 #ミスiD #はらわたの着色

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