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トキメキにお金を払う そして生活は続く


咀嚼 嚥下 吸収 排泄 睡眠 だいたいこれで生活が続いてゆく。歯磨き粉の味を変えてみるとか、靴下を冬用のに変えるとかを挟みながら。


11月17日、ミスiDフェスにて文芸賞を授かった。証明書はないしインターネットに書かれるのみの厚さではあるけれど、今までもらった卒業証書や賞のどれよりも嬉しかった。そして、どれよりも重たかった。文芸賞という おもみ は 今もわたしの膝の上に座り続けている。ねこみたいねって思って撫でる、それは少しトゲトゲしている。

17日は祝日になった。とてもたくさんの人が祝ってくれた。パパもママもおめでとうと言ってくれたし、お兄ちゃんは飼い猫の写真を送ってくれた。SNSではファボやリプライ、長文のDMまで抱えきれないほどたくさんの愛をすべて抱えた。愛されてると感じて、幸せで、泣きながら眠った。しあわせがほしい!と自分から雄叫びを上げれば かえってくることもあるんだ。と 初めて知ることができた。にっきちゃんが賞を取ってくれて泣いたとか、わたしまで肯定されたような気持ちになったとか言われて 嬉しくて嬉しくて、完全にやわらかなハートが目の前をつつみこんでいた。

夜行バスで地元へ帰った、ゆらゆら帝国を耳に流し込んで、朝から学校へ行った。勉強呼吸咀嚼嚥下吸収排泄睡眠をして、次の日も学校へ行った、勉強呼吸咀嚼嚥下吸収排泄睡眠をして、その次の日も、学校へ行った。そうしているうちに 心臓の赤いちいちゃい電球がピコピコ光り出したのに気付いた。足が止まって、学校へ行けなかった。

人間というのは不思議で毎日を送らなければならない(満期は死ぬまで)の宿命を与えられており、そこにはルーティンが存在していて、そこに「日常」なんて名前をつけている。それなのに、それだけのみをあたためて生活していくには 限界があるなあ と思ったのだ。

なんというか、つまらない!つまらないんだ!あきちゃったよう。そして泣いたよ。


日常沼から抜け出すためにわたしは新しいことに首を突っ込んで(まだ言えなくてごめんね)、好きなひとに写真を撮ってもらって、優しさを抱きしめて、悲しみは食べて消化して昇華して、パパとママにごめんなさいをして日帰りで東京に行ったりしたよ。そこでかわいいお洋服をひとつ買ったの。トキメキにお金を払った途端、わたしの心はふんわりかるくなった。人とご飯を食べた途端、食事も作業じゃなくなったし、たのしい。

キラキラのトキメキを求めている。止まらない止まらない前だけ見ていたいと思った。これを書いているのはまたもやトイレだし、noteスランプでこれにたどり着くまで5回は書き直したけど、それでも止まっていることにはならないのだよ。ゆっくりしていそうなわたしは陽だまりの中で笑っているうちに羽が生えてどこかへ飛んでいってしまうかもしれないから、どうかみていてね。好きな匂いの香水みつかったの。買えたら君に匂い嗅がせてあげるよどうか来てね。会いましょう 会いましょう 会いましょう。

ミスiD2019へ。文芸賞を、 ありがとうございました。びっくりされちゃうくらい強くなるからみててよ小林さん

生活は続く わたしも続いてゆく 君も またね あらあらかしこ

安住日希

#はらわたの着色 #ミスiD #ミスiD2019


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