『「あなたは爆発出来ましたか」のアンサーに投げた手紙型ダイナマイト』
日曜日、ミスiD2019の最終審査に行ってきました
夜行バスで東京へ向かい、今日くらい新幹線にすればよかったなと思っちゃうような肌荒れと背中の痛みを抱えて 毎度お馴染みのきらいな駅に到着。
いつもせかせかきっちりと動いているはずの電車が遅延したり、不安症のせいで呼吸の仕方を忘れてパニックになりながらも なんとか護国寺駅に着きました
駅に着いたとき、最終審査はわたしの記念すべき「終わりの日」だから(一区切りという意味の・まだまだ止まるわけないけれど)、祝日だ。とおもって、どうしてもお花を買いたくなりました お祝いとお別れにはいつもお花があるでしょう
でも、お花は買えませんでした。駅の周辺に花屋は見つからなかったのです。どこも閉まっていて、るすばんでんわでした
これじゃダメだな〜〜って半泣きで会場に着きました 入り口を間違えたりしてまたもや半半泣きくらいになりました
控室にはひとりひとりの女の子たち。フラフラ入ってきたわたしをみんなが見た気がして、(わたしもここに存在している)と、たじろぎました。入った瞬間から妙な空気だったのだけれど、隔離された壁の向こうでは いっぱいの選考委員とカメラが 戦う女の子をみつめているのだなとすぐにわかり、その場からは緊張感がにじみ出ていて 壁すら汗をかいているかのようでした 木目の張り紙をした ただの板なのに
もちろんわたしは圧倒されていました この場にいるにっきちゃんはホンモノなのかな ハリボテなの?と思いました そして、脱すべく、考えました
わたしは 手紙を 書きました
誰かにわたすために 部屋でひとりで書く手紙。書けば、その場は一瞬でわたしの部屋になるとおもったから。最終審査で手紙を読んで貰おうとは最初から考えていたことだけれど、なかなか書けなくて、白紙のレターセットを持ってきていました。わたしはお花の代わりにお手紙を 素晴らしい花びらを持っていました
集中しました その時の気持ちを余すことなくそのままの形で結晶にするため もちろん手は震えていて、字はメチャクチャ!ほとんど殴り書きの字を書き直すことなく一枚にまとめました あとは 歌おうと思っていた歌を 紙に書き写して、それも一枚のお手紙にしました
そうして、時間の結晶のお花を小さなビーズのバックに入れて、わたしは壁の向こうへ行きました
成功したかどうかなんてわからないけれど、やりきった わたしは今日を祝日に出来たな と思いました。
言葉というのは 形にするのがとても難しいものです。それは、言の葉の上に書き写す、というより その場で言の葉を形成して外に出すイメージをしています
デコボコだったり、紅葉していたり、お花みたいだったり、時にはお花だったり その環境が違えば 同じ言葉でも違う色を見せると思うのです
わたしは わたしの言葉を お花に出来たかな、きっと出来ました。そう信じています 審査員さんたち 見ていましたか。
最終面接中 小林さんに、「書類に爆発をしたいと書いてありましたが、出来ましたか?」と聞かれました。
↑(知らない人はこれを読んで)
その場でどんな返答をしたか 断片的にしか覚えていないけれど、「色々な爆発の仕方があることを知った。わたしはカメラテストの時に全てがはじまったから、まだまだ終わりたくないけれど、ちょっぴりだけ 出来たと思う。わたしはこのヤワヤワなままでもっと爆発をしたい パンクになりたい」のようなことを言った気がします。そんな風に言えるなんて思ってもいなかったけれど、それはまちがいなく自分の言葉で、頑なな意思でした。
面接が終わったとき、わたしは手紙を置いてきました 花の香り、或いは種のように存在を残してしまおうと企んだのだけれど、今考えると手紙は爆弾でもあったのかも。
去年の今頃のわたしは今のわたしをみて何を思うのだろう そんなことを頭の中にポツポツ思い浮かべながら、帰りました
次の日 張り切って一張羅のワンピースを買いました
安住日希
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