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デリバレイトノックオンについて考える(その3)

またデリバレイトノックオンの悲劇が起きました。NTTジャパンラグビー リーグワン 2022-23 ディビジョン1 第8節 交流戦 横浜キヤノンイーグルス対ブレイブルーパス東京(2023/02/18)の後半54分の出来事。イーグルス田村優選手が、故意のノックオンでイエローカードを受けました。

私には田村選手が「故意にノックした」とは到底思えませんし、田村選手も判定には不満そうです。この反則を犯さないようにするには、サッカー選手がペナルティエリア内で守るときのように、手を後ろで組まないといけないのかもしれません。

議論は続いている

ワールドラグビーは2023年1月に「競技規則の適用ガイドライン」という文書を公開し、その中で「何が故意のノックオンで何がそうでないかという問題は、常に議論となっている」と書いています。この規則に疑問を持つ人は少なからずいるようです。

特に次の規則

11.4 プレーヤーがボールをキャッチしようとした際にノックオンした場合、そのプレーヤーがボールを獲得できたはずという合理的な予測があったのであれば、故意のノックオンとはならない。

はなんとも曖昧で捉えようのないもので、「合理的な予測」を任されてしまうレフリーも困るのでは無いでしょうか?

ルールの改正をしたほうが良いのか?

私は、日頃からこの規則を廃止したほうが、ラグビーが面白くなるという説を主張しているのですが、もちろん反対意見もあります。その代表的なものは

  • 故意のノックオンがペナルティでなくなると、粗雑なインターセプト狙いが増える。

  • その結果、ノックオンが増えて、スクラムが多くなり、ゲームがつまらなくなる・

確かに「故意のノックオン」ルールが無かった頃(あるいは適用が今ほど厳格で無かった頃は)雑なインターセプトが横行して、ゲームが面白くなかった」という話には説得力があります。

大胆な提案を

そこで考えました。スクラムが増えて、ゲームの止まる時間が多くなるのは良くないのは明らかです。では、ノックオンでスクラムは止めプレーオンにするにはどうでしょう。但し、これは敵の投げたボールをノックオンした場合のみで、味方同士のパスを前に落としたときは、今まで通りスクラムで再開します。そう、キックチャージでは、相手側のキックを前方に落としてもノックオンにはならずプレー継続しますよね。あれと同じ扱いにするわけです。
敵からのボールをインターセプトしようとする場合でも、クリーンキャッチをしたほうが、はたき落とすよりも、その後の攻撃に有利に働くので、むやみにボールをはたき落とす行為は増えないと考えます。守備のプレイヤーは、ペナルティ、イエローカードの恐怖なく、思い切り前に出てボールに働きかけられ、豪快なインターセプトも増えてゲームは、よりエキサイティングになるのではないでしょうか?

もしこのようにルールを変更すると、ラグビーというゲームの根本的な性格が変わってしまうのではないか、と言う危惧は少しあります。キックチャージは前方に落としても構わないのだから、これに「敵からのパス」を追加するだけの、マイナーチェンジじゃないかという思いもあります。みなさんはどう思われるでしょうか。

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