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anon future magazine

未来を複数化するメディア〈anon press〉のマガジン。SFの周縁を拡張するような小説、未来に関するリサーチ、論考、座談会等のテキストを配信していきます。更新頻度は月4回程度…
〈anon press〉ではビジネスとフィクションを接続することを目指し、SF作家・文筆家・エンジ…
¥500 / 月
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#座談会

anon press 2周年+『anon press best of the best vol.1』発売記念座談会

(粘性のある大気はその流動の軌跡を空間に残し、距離感を失った闇に奥行きを思い出させていた。爆発の残像を灼きつけた網膜は吐き気のように記憶を再生し、それはある種の懐かしさへと変質していく。舞台中央から幽かな水の音が響き、巨大な湖の中にいることに気づく。気化したアルミニウムの風。沸騰する人工皮革が存在しない犠牲の夢を生成する。霧の甘やかな香りが流れ込み、それは闇の中で音と区別がつかなくなる。) ——なんか、すごい良い本とか読んだあとってさ、作者が生きている人だったとしても、死ん

『anon press best of the best vol.1』受注生産のお知らせ

anon press 初の physical matter となる『anon press best of the best vol.1』を限定受注生産いたします。 本書には、2022年6月から2023年5月までの1年間で anon press に掲載された作品のうち、編集部が厳選した11作品が収録されています。 anon press は2022年6月に活動を開始して以来、週1作のペースで、さまざまなジャンルの作品(小説・詩歌・漫画・座談会・怪文書etc……)を紹介してきま

anon records スタート記念! anon pressレコメンド音楽座談会

MON/KU「Long, Long, Long October」 KYLE MIKASA「Trash Metal Gabber」 メンバー紹介平大典(以下、平):今日は、anon recordsの開始を記念して、編集部メンバーで去年の音楽で印象に残ったものやレコメンドなどをざっくばらんに話せればと思います。まず、12月から始まったanon recordsについて、てーくさんから紹介をお願いします! てーく:てーくです。編集部内で音楽の話することが多くて、いつかのミーティ

長谷川愛・江永泉・青山新 座談会「未来の友達」

クィアスタディーズとスペキュラティヴデザイン、オルタナティヴのための理論と実践青山:今日は「未来の友達」をテーマに、スピーカーの長谷川愛さんと江永泉さんと話しつつ考えを深めていきたいと思います。  昨今、テクノロジーや社会通念の変化によって「自己」や「家族」といった概念が拡張されつつあります。例えば、性自認の問題は自己をいかに定義するかの問い直しであると同時に、同性婚の法制化を巡る議論に代表されるような、家族のかたちの問い直しでもあります。他にも、微生物を含む「超個体」とし