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児童書がいちばん自由にのびのびと、書きたいものが書ける|如月かずさ(児童文学作家)【後編】AnoMartsインタビューvol.6
「給食アンサンブル」を読んで驚いたのは、主人公が一人ではないこと。正確に言うと、オムニバス形式でクラスの仲間それぞれが主人公になり、脇役になるのです。家族に守られて自分が中心の小学生時代から、中学生になると友達との複雑な人間関係を築くことになります。それは成長でもありますが、悩んだり葛藤したり、カーストなんてものに巻き込まれてしまうこともあるかもしれません。
スポーツができる子や、勉強ができる子
『おしゃべりな たまごやき』を読んで|笑って許せる王様が素敵すぎる
大らかでゆるい。でもそこがいい
新学期が始まって少したちました。新学期といえばお弁当ですよね。小学校では給食が多いですが、中学や高校ではお弁当の学校もたくさんありますよね。僕も子どもが小さい頃は、お弁当は妻と分担してよく作っていたのですが、なにはともあれたまごやきですよね。唐揚げやしゅうまいなどのおかずは冷凍食品でごまかしても、卵焼きがうまくつくれるとそれなりにお弁当っぽくなります。自分の気
本当は怖い?てぶくろのはなし 〜ウクライナ民話に込められた反戦の思い〜|『てぶくろ』を読んで
ウクライナにロシアが侵攻して2年が経とうとしていますが、最近『てぶくろ』というこの絵本が再び注目を集めているのはご存知でしょうか?実はウクライナ民話がもとになっているからです。表紙にもタイトルの上にウクライナ民話とはっきり書いていますね。内容的にも楽しいユーモラスなお話しだと思っていましたが、実は平和への強いメッセージがあるとして時を超えて違う意味を持ってきている作品なのです。
表紙だけを見る
「らしさ」から解放されて、 ハッピーで生きやすい社会に|如月かずさ(児童文学作家)【前編】AnoMartsインタビューvol.6
今回の如月さんのインタビューの中で出てきた「あわい」という言葉がとても印象に残りました。
「あわい」とは物と物との間という意味。
如月さんの作品はこの「あわい」をいつも大切にされていると思いました。
私たちは、つい男らしさや女らしさだけを意識して生きていますが、その間にはさまざまなセクシャリティーがあり、そこで悩んでいる人もたくさんいると思います。たった2色しかなかったら世の中は味気ないものです
11ぴきのねこぜんぶ読む|『11ぴきのねこ』シリーズを読んで
ユーモアに隠れた集団の暴走と手塚治虫と反戦と11ぴきのねこ』シリーズはかなり変なお話し
『池の水ぜんぶ抜く』というTV番組があります。池に溜まったゴミを掃除したり、外来種の駆除をしていました。しかし、生態系が崩れたり、そもそも外来種=悪では無いという意見など賛否両論あったようです。それぞれの土地で環境も違うので、半分抜くとかゴミだけ拾うとか臨機応変にやる必要もあったかもしれません。でも、町の人が
居場所をめぐる冒険|『ぐるんぱのようちえん』を読んで
レゴとダイヤブロックははまらない
子供の頃レゴブロックで遊んでいるとたまにどうしてもハマらないパーツがありました。よく見るとそれは、レゴブロックとよく似たダイヤブロックだったのです。レゴブロックはデンマーク製なのに対してこちらは日本製。微妙にはめこむ凸凹の大きさが違うので、無理にグイグイおしてもくっつかない。なのでレゴブロックとダイヤブロックという、違う規格のものは一緒には遊べないんですよね
君たちはどこをみているか|『君たちはどう生きるか』を観て『どろんこハリー』を思い出したこと
宮﨑駿作品で賛否両論は珍しい
先日宮崎駿の最新作『君たちはどういきるか』を見てなぜか絵本の『どろんこハリー』を連想しました。正確にいうと内容よりも、今回特殊な公開のやり方と繋がりがあると思ったのです。
『君たちはどういきるか』は賛否両論割れているそうです。
こんな事って今まで無かったですよね?宮崎駿やスタジオジブリの作品は今までほとんどが公開したら絶賛、絶賛の嵐でみんなが大好きみたいな評価
マイノリティか、マジョリティか?どっちなんだい!|『スイミー』レオ=レオーニ を読んで
内側から見ている景色と、外側から見える景色
内側から見ている景色と、外側から見える景色って違いますよね。
先日用事で札幌に行ってきました。北海道のある世代は東京や本州を「内地」と言います。「それは内地のやり方でしょ」みたいな感じで。北海道人は本州とは海で隔たっているので、外側から内側を見ている感覚がどこかにあるんですよね、自分も含めて。
そしてこの外側にきた感じは、自分の子どもが発達障害と
多様な家族をひとつひとつ拾い上げる物語|いとうみく(児童文学作家)【後編】AnoMartsインタビューvol.5
苦しい状況や、挫折を感じたことがある読者ほど、いとうさんの作品を読むと、
まるで自分の事を書いている物語だと感じるでしょう。
そして最後には人生捨てたもんじゃないとポジティブな気持ちになります。それだけ、いとうさんが主人公達の気持ちに寄り添って、応援しながら物語を書いているからだと思います。
たしかにお話を聞いていると、物語の登場人物がまるで実在の人物の事を話しているような時がありました。いとうさ
主人公が顔を上げるまで、人物を掘り下げる|いとうみく(児童文学作家)【前編】AnoMartsインタビューvol.5
いとうさんの作品には様々な形の家族が登場します。
ご本人も読者から、家族のお話が多いですねと度々言われるそう。
その家族の形は、両親が亡くなっていたり、離婚していたり、決して幸せとは言えない家族も多い。だけど、登場人物達はそれに負けず前を向こうとする。
それはきっといとうさんが子ども達の力を心底信じているからなのでしょう。
だから読者は主人公と一緒に、いとうさんと一緒に物語の中を走って頑張れ!
と