ルールブック未所持でクトゥルフ神話TRPGのキーパーをするとどんな問題が起こるのか
お久しぶりです、皆さん。アノマロです。
今日はルールブック未所持キーパー問題の話題です。定期的にTwitterで話題に上がるこの問題。
未所持でキーパーをしたことを軽い気持ちでツイートし、自治意識の高い人に見つかって晒し上げられた、という苦い経験をお持ちの方も中にはいらっしゃるかもしれません。
この記事にはルールブック未所持でキーパーをする方を追及する目的はありません。未所持キーパーをすることで、あなたや周囲の人に対してどのような不利益が想定されるのかを考えてみるものです。
ルールブック未所持で探索者役(プレイヤー)をやる場合は問題の量も性質も違うので、ここでは考えないことにします。
また、未所持だけど貸してくれる友人がいる場合は未所持として扱わないことにします。
前提として:法に触れるわけではない
ルールブック未所持でキーパーをしても法律に触れることはありません。
ただし、ゲームをするために、不法に複製されたルールブックの記述をダウンロードすることは、違法ダウンロードになる可能性があるので注意してください。
また、ダウンロードせずにデータを閲覧するだけなら違法ではありませんが、webに掲載されたデータ自体が違法なものなのであまり推奨される行為ではないでしょう。
たまにクトゥルフ2015の特徴表の内容とかがそのままアップされてたりすることがありますが、著作権法に違反しています。
問題1:ネットで叩かれる
1つ目の問題はネットで叩かれることです。ツイッターなどには未所持キーパーに恨みを持っている人や、非常に正義感の強い人が大勢います。
こういう人たちに見つかると、ツイートのスクショを取られて晒され、フォロワーたちに袋叩きにされます。
もちろん、未所持を表明しなければ叩かれることはないので、ツイートしなければとりあえず火の手は上がりません。
問題2:正しいルールでゲームができない
そりゃそうです。ルールブックが無いんですから。
問題3:正しいルールを求めるプレイヤーに対応できない
プレイヤーが「ルール通りに処理してほしい」と求めるときに、それに対応することができません。
クトゥルフ神話TRPGはゲームですから、ルールが存在します。そしてルールブックには「キーパーはルールに対して責任を持つ。キーパーはルールに親しんでいなければならない」と書かれています。
ゲームを面白くするための積極的な理由以外で正しいルールの適用をしないことは、プレイヤーを不満に思わせる十分な理由になるでしょう。
問題4:正しいルールでゲームが行われるという想定で作ったキャラクターや取った作戦が機能しなくなる。割を食う。
たとえ話をしましょう。
友達に明日サッカーをやろうと言われたAさんは、がんばってシュートの練習をして足さばきを鍛えました。
ゲーム当日、そこでAさんが目にした光景は、みんなが手を使ってボールをゴールに投げ込んでいるものでした。
友達「ウチのクラブではこうだから」
Aさん「納得いかねえ!!」
つまりルール通りやろうとした人が割を食ってしまうわけです。
未所持キーパーに恨みを持つ人はこうやって生まれます。
もちろん、完全に身内でやるならサッカーという名のハンドボールをやったって誰も損をしないので、悪くはないのですが……
これが次の問題につながっていきます。
問題5:一緒に遊んだプレイヤーが、ルールブック未所持でキーパーをしていいと勘違いしてしまう
あなたはわきまえているかもしれない。未所持でキーパーをしていいのはクローズな身内の中だけだと。
でもあなたと最近遊ぶようになった友人は違うかもしれない……
現に、身内で純粋培養された未所持キーパーが、一念発起して未所持のままネットでオンラインセッションの公募を……なんていうのはたびたびある話です。
問題6:間違ったルールが広まってしまう
未所持キーパーがルールの参考にするのはなにか。それはこれまで自分にキーパーをしてくれた人の記憶だったり、リプレイ動画だったりです。
そしてその未所持キーパーのもとで遊んだプレイヤーも、そういったものを参考にします。間にルールブックが介在しないので、間違ったルールが広がってしまいます。
というか現時点で間違ったルールが広がっています。
ルールブックでは決定的成功(クリティカル)は"01"のみで、02~05は決定的成功ではないこと、知ってましたか?
問題7:行動の規範がルールブックではなく、自分のこれまでの経験の範囲に限定されるため、他者が理不尽に感じ、トラブルが起こる。
上の問題6でも述べましたが、未所持キーパーがルールの参考にするのはなにか。それはこれまで自分にキーパーをしてくれた人の記憶だったり、リプレイ動画だったりです。
つまり、ルールブックではなくこれまでの経験が未所持キーパーの規範になるのです。
これの何が問題かというと、プレイヤーがキーパーに対して理不尽に感じてしまうことです。
たとえば推奨技能の話をしましょう。あるキーパーは言います。
「推奨技能に機械修理って書いてあるのに、誰も取ってこなかったからシナリオが詰んだ。プレイヤーが悪い」
ここで「そりゃ推奨技能とってこないPLが悪いわ」って思った方、いませんか?
でもですよ、ルールブックに“推奨技能”なんて言葉どこにも載っていないんです。じゃあ推奨技能を取らないといけないってどうして思うのか。
それはこれまでのその人の経験からくる規範があるからです。
「今までそうだったから、それが正しい」というやつです。
でも、キーパーとプレイヤーは他人同士ですから、経験をあまり共有していないことがほとんどです。
人によっては推奨技能は「取ったら面白い技能」程度のものかもしれないし、人によっては「ないとシナリオが詰む技能」なのかもしれません。筆者にとっては「推奨技能なんかない方がいい」です。
規範をルールブックに頼れば、このギャップは少なくなります。「ルールブックに書いてあるのでこう裁定します」と言われて理不尽に感じる人は、だいぶ少ないでしょう。
未所持でキーパーをすることのメリット
ここまでルールブック未所持でキーパーをすることに対する不利益ばかりを考察してきたので、ここからは逆に未所持のメリットを探してみたいと思います。
まずなんと言っても、7000円というお金を節約することができます。中学生とかだと月のお小遣いが3000円なんていう人も少なくないのではないでしょうか?
そして次に……次に……
あんまり思いつきませんね。
何かあったらコメントで教えてください。
お金がないけどルルブが欲しい!
正直な話、18歳以上なら日雇いのバイト1日するだけで買える金額なので、ルルブ買うお金がないというのはどうかと思いますが、中高生以下でしたらバイト禁止の学校などもありますし、家庭の事情でお小遣いがもらえない方もいるでしょう。
もうできることと言えば、親にプレゼンして「いかにルールブックさえ買えば超低コストで遊び倒せるゲームなのか」を伝えるしかありません。
あと、外国の友達が「TRPGはクリエイティブなゲームなんだよ」って言ってたので、それをパクるのがいいかもしれません。クリエイティブって横文字つかっときゃ親も「おっ、良いかも」って思……思わないか……
まとめ
未所持でキーパーを続けると、間違ったルール広めちゃったり他人に恨まれたりネットで吊るされたりする上、メリットと言えば7000円浮くことくらいなので、お金さえあれば買った方がいいでしょう。
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