人生遊技

『人生遊戯』(9) 若者の〇〇離れと遊技機業界 / 小銭好き

※全て無料で読めますが、今後の活動費に当てさせて頂きますのでよろしければご購入も頂けますと嬉しいです。

 皆さんこんにちは。小銭好きです。

 先月4月末に幕張で『ニコニコ超会議2019』という大きなイベントがありましたが、これに日遊協(※1)と呼ばれるパチンコの業界団体がブースを出しました(「超コスプレエリア」にカテゴリー協賛としての参加)。
 日遊協の『ニコニコ超会議』への出展は今年で6年目で、目的としては主に若年層に向けてこの業界に関心を持ってもらおうとする取り組みです(『ニコニコ超会議』の初開催は2012年からですので、初期段階からシナジー効果を期待していたのかもしれませんね)。

 誤解を恐れずに書きますと、「ギャンブル」というカテゴリにおいて、競馬などの公営競技や宝くじは、ネットの普及で以前に比べても顧客の参加ハードルがどんどん低くなってきていますが、パチンコ業界が実際のホールのような営業形態をネット上で行うには、現行の法律下では申請をすることすら厳しいのが現状です(特殊景品と現金の交換、俗に言う『三店方式』がそもそも法律上グレーです)。 

 また、競馬なんかは競馬場自体に子供が行くことは問題なく、実際に馬券を買うかどうかは別にしても、将来の潜在的顧客がより身近に接触する機会に恵まれています。一方でパチンコはというと、我々の世代は「子供の頃に親に連れられて・・・」とか、「悪い友だちに連れられて」なんてパターンで始めることが多かったものですが、今はどこのホールも「18歳未満の人間のホールへの立ち入りの禁止」を徹底しておりますので、そもそも子供の接触機会がありません。
 私自身は子供の頃から接触機会が多いかどうかというのは、大人になってからの嗜好の選別に影響を与えると考えていますので、この辺は「若者の〇〇離れ」という、お酒や煙草と同じ感じなのかもしれませんね。

 ともあれ、なかなか負のイメージが強いところから脱却できないパチンコ業界。
もう少しイメージが変わればと強く願っております。

 さて、そんな私が今から20年ほど前にどっぷりハマったパチンコ。
 私の学生時代は少し複雑で、高校は進学校だったのですが当時中二病を発症していた私は、「大学に行かないこそ格好いい」みたいな感じで、電車の運転手に憧れ、高卒で就職をしようとします。
 ところが当時は就職氷河期真っ只中、おまけに電車の運転手といった現業の仕事でも大卒になる時代。そんな求人はどこにもなく・・・
 結局、もしかしたら将来「地下鉄の運転手ができるかもしれない」という謎の理由で公務員試験を受けて、市役所の職員になります。

 配属先は水道局になり、案の定で地下鉄とは全く何の縁もない仕事をするのですが、それでも休みの日や仕事帰りにはパチンコ店によく行ったものです。
 そこでも前回までのコラムで書いたとおり、勝ち方を知っていた私はまさに日々『小銭稼ぎ』をしていたのです。

 しかし、ある日を境に「人生こんなのでいいのかな」と疑問に思い始めたとき、公務員の同期の子たちは夜間の大学に行っている事が多いことを知ります。
 経済的理由など色々あって、働きながら大学に通っている子がいて、役所からも特例でそういった子たちは「定時が17時30分であるところを、1時間早く16時30分に帰ってよい」というルールを知ります。

 早く帰れて、なんか大学生の肩書ももらえるしカッコ良さそう!
 そんな不純な理由で、夜間の大学を受験すると合格してしまい・・・
 それから昼間は働き、夜は大学に通うという生活が始まります。

 今思うと、人生なめてますよね・・・

(つづく)

(※1)正式名称:一般社団法人 日本遊技関連事業協会。1989年(平成元年)にパチンコ・パチスロに関連した企業が業界の相互の連携、行政当局との協議を図る目的として設立された、

【 小銭好き(こぜにすき) プロフィール 】
 大阪府高槻市出身。
 パチンコ好きが高じて遊技機業界に足を踏み入れる。
 メーカーでの営業、機種開発、マーケティングなどを経て、現在ではホール法人でホールの運営に携わっている。
 遊技機以外にも、メダルゲーム等のゲームセンター用マシンへの造詣も深い。

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