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アプリケーション開発者の『誇りと驕り』

こんにちは、コミューンのあのちっくです。

この記事は、コミューン Advent Calendar 2023 18日目の記事です。
このアドベントカレンダーのテーマは『融け合う』なので私からは、コミューンのエンジニアの一人として『融け合う』為に、あるいは私がアプリケーション開発者としてキャリアを歩む上で大切にしている考え方についてお話したいと思います。

どうぞよろしくお願いします。




『融け合う』とは

コミューン内でよく使われる『融け合う』が一体どういう意味なのかについては、CEOの高田の記事 コミューンは何者で、なにを目指しているのかを読むことで理解が進むかと思います。

私は上の記事にあるマーブルチョコレートの例えがとても気に入っており、完全に混ざり合うのではなく、ちゃんとホワイトとブラックはそれぞれホワイトとブラックとして残っており、アイデンティティは保ちつつも周囲と調和する、という意味が『融け合う』という言葉には込められています。

この『融け合う』というテーマに関連する形で、『誇り』と『驕り』という2つの言葉をベースに私がエンジニアとして大切にしている考えについて話してみたいと思います。『誇り』も『驕り』も少し仰々しい表現でギョッとするかもしれませんが、そこは韻を踏んでいるのでご容赦ください。

自分の仕事に誇りを持ち、アイデンティティを手放さないこと

まずは『誇り』について。
誇りは、自身が本来持つ色を損なわず、大胆さを持つことよって成し得る大きな価値創造の為にとても重要な要素です。

システムをコントロール下に置き、自信と誇りを持って開発をする

よく語られる事ではありますが、"自分事化"をすることが仕事でパフォーマンスを発揮するためにはとても重要なことです。

アプリケーション開発者は、そのアプリケーションのユーザーとなって自分事化するだけでなく、そのシステムを自分の身体のように深く理解・把握し、自分の思うがままに変更出来る状態にするという意味の"自分事化"も考えられます。

もし開発者のシステムへの理解が浅く、自分が行う変更が及ぼす影響を十分把握出来る状況にないとすると、それは予期せぬ不具合を引き起こし、ユーザーが安心して快適にサービスを利用する上での障害に繋がりかねません。

それだけでなく、変更が及ぼす影響を十分把握出来ない状況において開発者は、"不安"と"確認"による様々なコスト(タスク規模の過大評価や、過剰なテスト体制等)を払い続ける必要があり、これは開発者から"大胆さ"と"機敏性"を奪います

だからこそ私達アプリケーション開発者は、システムについて誇りを持ち、深く理解し、変更のための不確実な要素を可能な限り減らすことで、迅速かつ安定的にシステムの変更を出来るような状態にするが重要だというわけです。

他力本願にならず、困難を自分たちの成長の糧にする

私達のようなスタートアップの形態で日々プロダクト開発を行う組織では、常に限られたリソースの中で可能な限り高速にプロダクトを成長させる事が要求されます。
その為、外部のスペシャリストの技術やクラウドSaaSに部分的に頼りながらも事業を高速に成長させるという意思決定をする事も少なく有りません。
それらは開発組織のケイパビリティの如何に関わらず高速にソリューションを獲得できる有効な手段ですが、その選択は時として社内のエンジニアが本来担当すべきだった領域の解決について、その挑戦と成長の機会損失になり得るという事も留意すべきだと考えます。

開発組織として「目の前のタスクに追われて手が空かないので、難しいことは第三者に任せよう!」という選択を安易に続けていると、挑戦を避ける癖がついたりプロダクトの成長に組織の成長がついてこないというような事に陥る可能性があり、これは開発者自らの誇りの毀損に繋がり得る恐れがあります。

開発者が開発者としての誇りを強く持ち、日々適切な挑戦を続けることで技術力を高め、プロダクトの成長に並走するだけでなく、技術力・開発力によって市場での優位を獲得する事がプロダクトの価値を長く広く維持する為に重要なことであると考えます。

そして、適切な課題に挑戦し続け技術力強化を継続していく為には、私達の扱う事業にとってのコア技術が何なのか、そして各メンバーの責任領域はどこで、どのように専門性を発揮すべきなのかを明らかにするという技術戦略観が求められます。

私達は事業の行く先を思い描き、注意深く洞察をしながら、適切に挑戦し続ける事によって誇りを持って仕事を続けることが出来る。というわけです。

驕らず、融け出す事を恐れないこと

驕り、つまり現在の自分こそ最上・完全であるという認識は自身の変化能を損ね、周囲との調和を阻害します。これは他者とのコラボレーションによって起こる新しい価値創造の機会を逃すだけでなく、自身の将来的な価値の低下にも繋がり得ると考えており、驕りを捨てて振る舞う事は自分にとっても組織にとっても有益です。

システムやプロダクトに関する知識を独占しない

まず大前提として、私達の日々のアプリケーション開発業務は、今日のWeb世界を創ってきた多くの技術者やOSS開発者の方々など、先人の尊敬すべき仕事と利他的精神の上に成り立っています。
ですから、私達もその先人たちに倣い、自らが持つ知識財産を進んで共有する事で多くの人が価値創造可能な状態にするべきであると考えます。

そしてこれは私達の事業をより大きく高速に発展するためにも重要なことです。

私達アプリケーション開発者は、プロダクトの本体とも言えるソースコードとインフラシステムに、他の誰よりも近い場所で毎日のように触れています。
それ故にプロダクトの仕様に関する知識をプロダクトオーナーよりも多く所有していることが少なくありません。
これは技術的に複雑なシステムであったり、ある程度リリースから月日が経過し、PdMや開発者の人員の入れ替わりが発生しているプロジェクトに起こりがちで、システム開発の領域は社内で情報のサイロ化が起こりやすい場所の一つだと言えるでしょう。

人よりも多くを知る事は、人よりも優れていると評価する事も出来ますが、その知識的優位性を失わないよう振る舞い、知識を独占してしまうと、他者がプロダクトについてより深く正しく考える事が出来なくなってしまいます。

故に私達アプリケーション開発者は、プロダクトを良くしようと日々取り組む周囲の同士達が、プロダクトの成長のための思考や議論をより精度高く行えるようにするために、有益な知識は独占せずに共有することが重要であると考えます。

自身の価値をアップデートし続ける

前述の観点について、「そうは言っても知識的優位性を失い、自分の価値を下げる事はしたくない!」という気持ちを完全にゼロにすることは難しいと思います。

その最もシンプルな解決策は、価値の低下に負けないぐらい学習する事です。そうすれば絶対的な自身の価値は下がらないなずなので。
だからこそスタートアップ企業は弛まぬ努力と研鑽が求められるフィールドなのだとも言えるかもしれません。

いずれにしろ私達が日々行っている仕事は、将来的には多かれ少なかれAI技術を駆使したシステムに取って代わられるはずです。
そのため、やはり今自分が持っている知識・経験の価値が月日の経過に伴い減衰する事は避けられないものと理解し、前向きに次の新しい自分の価値を探す旅を続ける事が自身のキャリアのために重要なことだと私は考えます。

おわりに

以上、私の『融け合う』の解釈の一つとして、誇りを持つことで自身の色を損なわずに大胆に価値創出し、驕りを捨てることで周囲と調和し、新しい価値創出をするという話をさせていただきました。

コミューンではアプリケーションエンジニアをはじめ、様々な職種・ポジションで仲間を募集しています。

すこしでもコミューンに興味をもってくださった場合は、まず下記ページからカジュアル面談をお申込いただき、そこでお気軽にお話をさせていただければと思います。

ここまで読んでくださりありがとうございました。

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