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【完全伝授】たまの登校日には全力で子どもたちを楽しませる

新型コロナウイルス感染症拡大防止のために休校措置が長引いており、この4月は分散登校やオンライン授業などの対応が続き、フルメンバーによるフル授業ができない学校がほとんどだと思います。

そのような中、私が最も大切にしたのは、『やっぱり学校は楽しいな!友達に会えてうれしいな!』という思いもたせられるような授業を実践することです。


「臨時登校日」は正式な授業時数としてカウントされない自治体もあるようですが、子どもたちは楽しい授業、楽しい活動を待ち望んでいるはずです。気軽に会えなくなってしまった友達と過ごす時間を有意義なものにしたいと考えていると思います。


現在は教師にとって満足に授業ができない反面、「教材研究」と呼ばれる授業づくりの時間が例年以上に確保できます。この機会をプラスにとらえて、楽しい授業づくりを追求しています。

1 渾身の授業を練りに練る


普段は日々の事務処理や保護者対応などに追われ、教材研究に多くの時間をかけられないのが現状です。


ところが、今は様々な対応に振り回されるものの比較的時間に余裕があるため、きたる登校日に向けて教師は授業を練りに練ることができます。存分に工夫を凝らすことができます。


私は限られた授業時間にフルスイングしたいと思い(活力がみなぎっているので)、過去に子どもたちに喜ばれた実践をさらにブラッシュアップし、その日を迎えることにしました。


今回の分散登校で与えられた時間は110分。長いようで短い時間です。そして、4月も下旬に差しかかっているにもかかわらず、担任する子どもたちに会うのはまだ2回目です。お互いに顔も名前もはっきりしていない状態です。


110分間の使い方としては、休校中の学習課題の点検や書類の配布、家での過ごし方の指導などたくさんあるのですが、特に心がけたことは「子ども同士をつなぐ」ことです。

教師が仕組む活動によって子どもたちが交流し、それが「仲間づくり」の支えとなります。その結果、「次の登校日が待ち遠しい」と思ってもらえるかどうかが鍵だと考えました。


しかし、三密を避け、ソーシャルディスタンスを保たなければなりません。教室に集まっている時点で矛盾しているという指摘は置いておいて。

本来であれば、手をつないでエクササイズをしたり、ハイタッチして気分を盛り上げたりしたいところですが、接触することができません。制限がある中で、仲間づくりに効果的であり、自信をもって実践した内容を1つご紹介します。

2 『わたしはだれでしょう』で子ども同士をつなぐ


『わたしはだれでしょう』とは、自分のことについてクイズ形式で紹介し、友達に当ててもらうというゲームです。準備するものは人数分のカードと筆記用具のみです。「スリーヒントクイズ」と呼ばれることもあります。ルールをご説明します。

【ルール】


①自分のことを3つカードに書く。(自分の好きなことや得意なことなどをヒントとして書き出す。例:「すしが好き」「木でできた家に住んでいる」「フィンランドに行ったことがある」これらは私のことです…)
②先生(もしくはリーダー)が3つのヒントを読み上げて、最後に「わたしはだれでしょう」と問いかける。
③分かった人は答える。何回間違えてもいいという雰囲気づくりも大切にする。
④全員分読むまで繰り返す。
⑤ゲーム後、書いたカードは掲示する。

ヒントの出し方ですが、「頭を坊主にしている」などのように、みんなにすぐに分かってしまうことを書くより、意外な一面を書いた方がより盛り上がるかもしれないことを伝えてもいいと思います。


クイズ形式ですので、ゲームを楽しむことはもちろんですが、実は自己紹介をするようにお互いのことを知ることも目的としています。お互いの心の距離を近付けるにはもってこいの実践だと思います。それは、学級の中で自分の居場所をつくることにもつながると思います。


対象学年ですが、どの学年でも楽しめると思います。文字が書けない小学1年生の場合には配慮が必要(宿題で保護者に書いてもらうなど)ですが、6年生でも盛り上がるゲームです。中学生以上でも、豊富な語彙力を発揮したり、ウケねらいをしたりする生徒が盛り上げてくれるのではないでしょうか。

ある程度の期間が経って、お互いのことがよく分かった段階で2回目を行うのも面白いかもしれません。

3 子どもたちの笑顔を見られる教師


このゲームの他にも、家の中でできる体操や家族に教えたくなるようなクイズを次々と紹介しました。選りすぐりの持ちネタを惜しみなく披露しました。


行動の自粛によって人とのつながりが希薄になりがちですが、その分人と人とがつながれた喜びは増すのではないかと思います。学校だからこそできること。「あと○日すれば学校でみんなに会える…」という楽しみがふくらむ演出をしてあげたいものです。


実際に分散登校を終えてみて、工夫を凝らした授業によって子どもを楽しませようとしていながら、1番楽しんでいるのは子どもの喜ぶ顔が見られる教師なのかもしれないと気付いた今日この頃です。

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