銭湯三人娘

私は銭湯が好きでよく行く。

友達と行ったり一人で行ったり。

私は週に一回必ず銭湯に行く。

銭湯、サウナデビューをした時、
とてもビクビクしながら入ったのを覚えている。

銭湯には常連達の
暗黙のルールがある。

ある程度のルールをネットで調べて行くといいと思う。

私なんて地元の京都の銭湯で
めちゃくちゃ怒られた事がある。

かなり理不尽な事で怒られたが、それも常連からしたらルール違反だったらしい。

裸で怒られるというのはとても恥ずかしい。笑

行く頻度が増えて、ある程度の
銭湯のルールがわかれば

もう一流の

"銭湯マスター"

もう慣れたもの。

今や堂々と銭湯内をウォーキングする姿は
常連のおばあちゃん達も、

(なんだあの子は)

と言わんばかりの目つきで
私を見る。

そんなのはお構いない。

さて、このコロナ騒動になる前

都内のスーパー銭湯に一人で出掛けた。

平日の夜でかなり人が少なくて

入りやすかった。

私はいつものルーティンで

まず身体を良く洗い、湯船に浸かり、
しっかり身体を拭いて、サウナへGO。

サウナは体調によってだけど私は、

5〜7分入り、水風呂10秒、
身体を良く拭き露天風呂で休憩。

計3セット

このルーティンで私は整う。

その日

第1セットを終え、

露天風呂にある寝湯で
整い待ちをしていた。

もうすぐ整いそう〜って思った時

静かな露天風呂に女の子が三人
入って来た。

大学生くらいの子達だったから
(ちょっと整うにはうるさいかも、、)

と思って場所を移動しようとしたけど

身体がリラックス状態で中々重たい。

もう少し居ようと思って目を閉じた。

『それでね、私』

と一人の子(A子)が話し始めた。

私と彼女達の間には植物や間接照明の壁があり
私は寝湯に居てビクともしてなかったので
人がいないと思われてた。

『結局先輩とヤっちゃったの。
　でね、その後連絡全然来なくて
　予定聞いても空いてないって言われるの』

はいはい、聞いてみましょう？#誰

『でもね、でもね、絶対私の事好きじゃないとか
　そういうのではないと思うの。
　可愛いって言ってくれたし営みも最高だよとか言っ　
　てくれたし。

　先輩、
　本当に忙しいんだと思う！！
　だけど自分から連絡すると、こっちの方が好きって　　
　思われるのもやだし、、。
　だけど連絡したいし会いたいし、、

　ねぇ、B子C子はどう思う？？
　率直な意見を聞かせて！！』

あーっははは🤣

もうね、B子C子言ってやって！！！
この子に！

B子
『そうなんだ〜。
　でも本当そうだと思う〜。
　A子ちゃんの事絶対好きなんだと思うよ〜
　連絡くるまで待っておきなよ〜』
　

...
おい、B子さん、
あんた友達じゃないね？

C子
『うん、私もそう思う〜！』

...
C子、あんたまで。

二人の回答が適当すぎてびっくりした。

私は友達と銭湯に行ったら
かなり腹割って話す。

だって身体も赤裸々なのだから
自然と感情も赤裸々になるものじゃないの？

銭湯、温泉とはそういうものではないの？

私は他人の話だが数年人生の先輩として
言いたい。

『ちょいとあんた！そんなのあんたに脈あるわけないでしょ。
男にキープされてどうするの。
友達の言葉、ほんっと適当だね。
相談する相手間違えてるよ。

可愛いんだからもっと
自分を大切に、自分の価値をもっと上げなさい。』

なんて言える訳がない。

服を着ていても赤の他人が
話に割って入ってきたら“何？“

ってなるのに

真っ裸で

2.3個上くらいの年の私になんか
説教じみたお言葉なんて

とてもお節介なのだ。

私の頭の中は、
(あぁぁぁ言いたいよぉ!
その彼の考えてる事とか私わかるのにぃ〜
言ってあげたいよぉ〜)

とか
そんな事を考え悶々としているうちに
のぼせてしまい

整うという極上のリラックス状態を

通り越して

『ぎもぢわるいぃぃ』
といった最悪な状態になってしまった。

私はもう後2セットある事を思い出して

うぇ、となって寝湯から上がり

千鳥足で脱衣所まで向かって歩いてる時

『ねぇ、あの人大丈夫かな？
　自分の体調に合わせて入らなきゃなのにね、』

なんて聞こえてきた。

嗚呼、なんて恥ずかしいのだろう。

さっきまでA子の事を心配していた私は
逆に心配され、教えられていた。

とんだ間抜けっ面だった。

こんな時
友達がいたら
面白出来事でソッコー話してたなぁ

と考えながら少しあの三人娘を羨ましくなり

銭湯を後にした。

終