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スターウォーズ、最初に見るなら「ローグ・ワン」が一番良い説

♪ざんこ~くな 天使のテーゼ 窓辺から やがて飛び立つ

もうね、世の中エヴァ一色ですよ。ビックリするくらい。どこに隠れてたんだってなるくらいみんなエヴァについて話してる。そしてみんなはエヴァの話してるのに、僕はエヴァの話に入っていけない。観てないから。

いやだってさあー、エヴァンゲリオンシリーズ長いんですよー!アニメ版・劇場版・新劇場版と3シリーズあってどれもボリュームあるし。新劇場版だけで4作あるとか今から追う気に全然なれない。やっぱり長いシリーズものはただ長いってだけで手を出しずらくなってしまう…

そして「シリーズが長すぎる故に、新規の視聴者が増えづらい」という問題点はスター・ウォーズシリーズも同じく抱えている。ぶっちゃけ今までスターウォーズを観たことない人にスターウォーズを薦めるのはむちゃくちゃ難しい。まずどの作品から見始めるのかを決めるだけでも大変だからだ。

スターウォーズは主な作品だけでも9作ある。

作品の時系列だと

エピソード 1 2 3 4 5 6 7 8 9(ラスト)の順だが

映画のリリース順だと

エピソード 4 5 6 1 2 3 7 8 9(ラスト)の順になる。

もう100万回言われてることかもしれないけど、スターウォーズの第1作は「エピソード1」じゃないんですよね。基本的にはどのシリーズもライトセーバーっていう武器を持った強い人たち同士のSF戦争物語で、ライトサイド側が主人公、ダークサイド側が闇落ち敵ポジになる。時折ライトサイドとダークサイドの勢力図が入れ替わったりするものの、基本的には劣勢に追い詰められたライトサイド側がなんとかしてダークサイドを倒す物語だ。

スターウォーズを初めて観るときのあるある話として「スターウォーズ 4からみるか 1からみるか問題」がある。スターウォーズシリーズ第1作であるエピソード4から見る方が面白いという人もいれば、作品中の時系列で最も昔の作品であるエピソード1から見た方が面白いという人もいる。その意見に対し僕は「ローグ・ワンから見る」という第3案を提唱したい。

ローグワンは作品時系列中でエピソード3とエピソード4の間、厳密にいうとエピソード3.99くらいを描いたスピンオフ作品だ。「スピンオフから見始めるなんて邪道だ!」と思う人もいるかもしれないが、ローグワンから見るとスターウォーズシリーズを知らない人でもより気軽に楽しめると思う。

「ローグワン」から見るべき理由

①単体作品で、スターウォーズ特有の設定を知らなくても面白い

ローグ・ワンはスピンオフ作品なので、1話完結型の作品になっている。他のスターウォーズ作品は大体3部作構成なので、とりあえず1作だけ観ることは難しいが、ローグ・ワンはローグ・ワン単体で見ても面白い。しかも作中で扱う時代がジェダイもフォースもライトセーバーも廃れた時代なので、スターウォーズの設定を知らなくても楽しめる。「ダース・ベイダーって黒いお面みたいなのかぶった人?」くらいの認識でも全然楽しめる。他の作品に比べ、敷居が低いのがローグ・ワンの良さだ。

②ジェダイもフォースも廃れた時代だけど、みんなフォースを信じている

ローグ・ワンにはスターウォーズ作品でよく出てくるライトセーバーでの戦闘がほぼない。「スターウォーズってライトセーバーの戦闘がなくて面白いの?」って思う人もいるかもしれないが、安心してください、むちゃくちゃ面白いです。ライトセーバーの戦闘は少ないが、その分銃火器や戦闘機を用いた戦闘がカッコよくなってる。SF戦争ものというより単純な戦争映画としての面白みがローグ・ワンにはある。

そして何より重要なのが、ジェダイもフォースも過去のものとなったのにみんなフォース(スターウォーズ世界特有の力、物を浮かしたり人の心を読んだりできる)を信じていることだ。スターウォーズ作品ではしばしば強いジェダイ(ライトセーバーを持った強い戦士)がダークサイドに堕ちる、闇落ち展開が出てくる。それゆえに観客もジェダイやフォースを全面的に信じらなくなる場面がある。一方でローグ・ワンには強力なジェダイは出てこないし、誰もフォースを使えないにもかかわらず、みんな心の奥底でフォースを信じているのだ。

ローグ・ワンにおけるフォースへの信仰を象徴するキャラクターがいる。守護者チアルートと、その相棒ベイズだ。チアルートはフォースの敬虔な信者だが、フォースもライトセーバーも使えない。代わりに木の棒をカンフー映画みたく振り回して戦う(しかもむっちゃ強い)。ベイズは基本的にフォースを信じていない。盲目的にフォースを信じるチアルートを皮肉ることもしばしばだが、なんやかんやでチアルートと良いコンビになっている。しかもこの二人のやり取りがいちいちカッコいい。

例えば

ベイズ「No Jedi here any more.  Only dreamers like this fool.(ジェダイはもういない。夢見てるバカだ。)」
チアルート「The force protected me.(フォースが私を守った。)」
ベイズ「I protected you. (俺が守った)」

とか。

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(チアルート(右下)とベイズ(左上)。チアルートは盲目だが手にしている木の棒で戦い、常人離れした戦闘能力を見せる。ベイズはチアルートの相棒であり、よき友だ。)

ベイズは基本的にはフォースを信じてないんだけど、最後の最後にはフォースを信じて行動するんですよね。ベイズはほんとに味のあるキャラクターでしかもローグ・ワンにしか出てこないので、スターウォーズは見たことあるけど、ローグ・ワンは未履修って人は是非映画を観てほしい。

そしてフォースを信じて決死の覚悟で戦った成果を最後の最後でダース・ベイダーがぶち壊すシーンも最高。今作のダース・ベイダー、マジで怖いんですよ。この時代において、フォースもライトセーバーも思いのままに使える人間がどれだけ絶対的な力を持っていたかがよくわかる。初登場から40年経ち随分ポップな存在になってしまったけど、やはりあの世界のダース・ベイダーは「圧倒的な力、暴力そのもの」なのだ。

③単純に映像がカッコいい

制作費2億ドル(約220億円)。ショボい映像な訳がない。日本の映画製作費の相場が5億円以下、超大作と呼ばれるものでも10億円以下の製作費であることを考えるとまさに桁違いだ。エピソード1~3と比べるとライトセーバーでの戦闘が激減したものの、それ以外の戦闘シーンはホントに素晴らしい。昔の人が血沸き肉躍った「スターウォーズ」で現代に生きる我々も興奮することが出来るのだ。この映像美ばかりは実際に映画を観ないと分からないと思うので、是非!是非!「ローグ・ワン」を観てほしい。

終わりに

ローグ・ワンの最終盤で、エピソード4~6のヒロインレイアとエピソード1~3の実質的主人公ダース・ベイダーが出てくる。ローグ・ワンの続きやレイアサイドの話が気になるならエピソード4を次に見るのがおすすめだ。反対にダース・ベイダーやライトセーバーでの戦闘が気になる人はエピソード1を次に見るといい。「次に見た作品も面白い!」ってなったらあなたはもう立派なスターウォーズファンになっているだろう。

えっ? エピソード7~9はいつ見ればいいかって? うーん、それは時間が有り余った時にでも見ればいいんじゃないかな…(遠い目)


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