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2022年の私的GOTY~ゲームはひとりでもみんなでも~

2022年は本数的にはあまり多くの作品に触れる事ができなかった。積みゲーばかりが増えていくのはなんとかせねばと思いつつ、ゲームを買うのは最高に楽しいから仕方がない。

とはいえ、アドベンチャー好きとしては以前から期待していた『ディスコエリジウム』の日本語訳が実装されたというのに、プレイ時間が冒頭1時間で止まっているのは問題があると思うし、パッケージで購入しておいてインストールすらしていないタイトルがあるのはいい加減にしろ!と自分で自分を叱りつけたい気分だ。2023年こそはそういった罪(積み)のゲームを減らす努力をしたいと思う。

そんな積みに満ちた私の2022年のベストテンは以下の通り。

  1. AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ

  2. Overwatch2

  3. GhostWire Tokyo

  4. NeonWhite

  5. ヘブンバーンズレッド

  6. Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revenge

  7. IMMORTALITY

  8. エルデンリング

  9. EVE ghost enemies

  10. Milk inside a bag of milk inside a bag of milk

1位は『AI:ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』
以前私もnoteに記事を執筆した『AI:ソムニウムファイル』の続編だ。2人のプレイヤーキャラクター、2つの時系列、2つに分裂した死体、夢と現実、さらにはゲームとプレイヤー・・・いくつもの要素が「2」であること強調しているのが特徴。ネタバレをせずに紹介するのも難しいタイトルなのだが、前作に引き続きシナリオを手掛けた打越鋼太郎は見事なエンディングを提示してみせた。

下ネタだらけの90年代フィールのテキストは前作から踏襲しつつも、90年代のメタな表現を取り入れたアドベンチャーからさらに一歩進めた脱構築に驚き、3Dモデリング主体のリッチなビジュアルで語られるストーリーや、ステージ毎の仕掛けの多様さはまさに「温故知新」と言うべき仕上がりだと感じる。

外国人ハーフである青年が日本人コミュニティから疎外されてしまう問題や、身体障害、種を越えた愛など様々な人々を描いた作品でもあるが、それらが取って付けた要素となっておらず、境界を描くことがテーマである本作にとっては必然性のあるものだった点も良かった。

2022年はアドベンチャーゲームが豊作の年で、『AI』以外に挙げた『IMMORTALITY』や『EVE ghost enemies』、『Milk inside a bag of milk inside a bag of milk』の方向性はそれぞれ異なるものの、物語る手法に工夫が凝らされた良い作品だった。ベストテンからは外したが、『As Dusk Falls』の選択肢がもたらすスリリングさや『春ゆきてレトロチカ』の実写映像のリッチさも忘れがたい。

アドベンチャーゲームとは言えないと思うが、『GhostWire Tokyo』でのリアルに再現された渋谷の街や『エルデンリング』の美しい風景を巡る快楽はアドベンチャーゲームで味わう世界を知る体験と近いもので、作品世界とじっくりと向き合わせてくれる充実した時間が過ごせた。

5位に挙げた『ヘブンバーンズレッド』はKeyとWright Flyer Studiosが組んだ運営型のRPG。戦闘システムに関しては特筆すべき点は少ないのだが、シナリオの描き方は運営型タイトルとしてはかなり挑戦的なものだ。運営型のタイトルでは一つのキャラクターをいかに「延命」するかが重要視されている傾向があり、シーズン毎の衣装替えは定番である。当然、『ヘブンバーンズレッド』も衣装替えによるバリエーションは導入しているのだが、ゲームを運営し続けるために物語上もキャラクターを生かし続けることは果たして良いのか?そんな疑問に対する回答がシナリオ上で表現されているのは驚きがあった。

期間限定のイベントシナリオであっても、メインシナリオに絡めた展開にして物語を充実させていく運営方針、毎回感動させるような展開を用意する作り込み、細かなところもフルボイスにする手間のかけ方など、現在もKeyがノベルゲームの世界ではトップランナーであることを証明するようなタイトルだった。メインシナリオライターである麻枝准は近年はゲームの制作からは離れていたが、これほど大きなタイトルでカムバックを果たすとは意外だった。

一人で没入するゲームが充実した年ではあったのだが、フレンドとのマルチプレイも大いに楽しんだ年だった。

6位に挙げた『Teenage Mutant Ninja Turtles: Shredder's Revenge』は古典的なベルトスクロールアクションの楽しさを味あわせてくれる最高のパーティゲームだ。ステージのバリエーションが豊かで、飽きることなく一気に遊び切る事ができるボリューム感も素晴らしい。フレンドとギャーギャー言いながら遊ぶ小学生の頃に戻ったような感覚が楽しくて仕方がないのだ。

4位に挙げた『NeonWhite』はシングルプレイ専用のタイトルではあるものの、Steamのフレンドのレベルクリアのタイムが表示される機能があるために、何とかしてこの人に迫ってやろう、あと1秒!と何度も繰り返し遊ぶモチベーション維持ができた。

そして、何と言っても2位に挙げた『Overwatch2』はマルチプレイの醍醐味を実感させてくれる素晴らしいタイトルだった。そもそも自分はこれまで競技性の高いマルチプレイ専用タイトルを遊んだ経験がほとんど無く、eスポーツシーンについても完全な門外漢だったのだが、『Overwatch2』で初めてOverwatchに触れてその戦略性の高さや、集団戦の面白さを練り上げたルール設定、魅力的なキャラクターの虜になった。今ではプロゲーマーの配信を見ることもあるし、キャラの動かし方についてYouTubeの動画で学ぶこともある。単にエイムの精度を上げることが勝利条件ではなく、知識と経験を積み重ねることが実力に繋がるのは良いバランスだと思う。

マルチプレイのタイトルは一緒に遊んでくれるフレンドの存在がプレイのモチベーション維持には重要になると思うが、初心者の自分でも根気強く一緒に遊んでくれたフレンドたちには感謝の気持でいっぱいだ。2023年も引き続き、マルチ・シングルともに幅広く遊んでいきたいものだ。

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