格ゲー初めて1年目でも「EVO JAPAN 2024」は楽しい
2023年に「ストリートファイター6」をきっかけとして始めた格闘ゲームですが、現在も熱量を保ったまま遊ぶことができています。自分でも驚くぐらいには楽しいものと感じていて、これまで他のゲームに割いていた可処分時間の多くを格ゲーに使っていることに気づきました。今後も遊び続けたいと思います。
そんな個人的な盛り上がりから、アメリカはラスベガスで開催されている格闘ゲームの祭典「Evolution」の日本版「EVO JAPAN」に初めて参加することにしました。単に遊びに行くだけではなく、メイントーナメントへのエントリーも含んだプレイヤー参加です。EVOはプロ・アマ問わず世界中のプレイヤーが参加する巨大な大会で、今年のEVO JAPANの「ストリートファイター6」部門のエントリー人数はなんと5000人超え!トーナメント表には強豪プレイヤーが名を連ねており、優勝するには3日間行われる大会で彼らを倒して勝ち上がらなければなりません。そんな過酷な大会ですから、私のような格ゲー歴1年目が勝ち上がるのはまず不可能。それでも参加することで得られたものは多かったです。
e-Sportsはフィジカルも大事
EVO JAPAN 2024の会場は有明GYM-EXでした。東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会で生まれた遺産ですが、現在はこういった大型イベントに使われることが多いようです。
施設の規模はなかなかのもので、巨大な空間に大量の長机とPS5(EVOはソニーのグループ企業として買収している関係もあってPS5が使われています)が並ぶ様は圧巻です。とはいえ、大会参加者に加えて観戦や出展ブースに訪れるだけの参加者のトータルの人数は会場のキャパ的にギリギリのところだと感じました。1日目の午前はまだ余裕があるかと思われましたが、午後にはコミケを彷彿とさせる混雑具合で通路を行き来するだけで体力が持っていかれることに、、、これもまたe-Sports!
0回戦に負けないために
オフラインの大会への参加が初めて、そもそも大会参加もほとんどしたことがない私ですが、スムーズな大会運営には参加者の協力が必要なことは分かっていたのでそれなりの準備はしていました。
まず、エントリーについて。今回のEVOは大会参加には有料のチケット購入が必要になり、チケット購入時に発行されるコードを使ってトーナメント管理サイトのStart.ggに登録しなければなりません。チケット購入のみではエントリーされたことにならないので、0回戦敗退にならないためにも何度か確認しながら登録を行いました。それでも初めてのことなのでエントリーできているか不安になりましたが、登録完了後にはStart.ggからメールが届くのでそれをもって完了と言えるようです。私の場合は「ストリートファイター6」と「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」にエントリーしています。
次に持って行くコントローラー。基本的に大会で使用するコントローラーは各自が持参することが想定されています。PS5を使用した大会のため、コントローラーによっては使用できません。PS5はセキュリティの観点からPS4以前とは認証の仕様が異なるらしく、そのためにPS4以前の世代で使用できていたコントローラーの多くが認識しなくなっています。アーケードコントローラーを持参したはいいけど、基盤が古いタイプのものだから使えなくて対戦すらできずに終わっては練習した時間も無駄になってしまいます。私が普段使っているレバーレスのコントローラーはPS5にも対応した基盤のため使用できることは分かっていましたが、念の為自宅のPS5実機でも検証したうえで現地に向かいました。
いよいよ大会当日。大会開催前の1週間ほど前に決まったトーナメント表を見ると「ストリートファイター6」が10:00からスタートのプール、次の「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」が16:00からとだいぶ時間が空くことになりました。複数部門へのエントリーをしていて時間が重複しているようならば、事前に運営に連絡して時間を変更してもらうことも可能なようです。今回の大会は受付もスムーズに行われていた印象で、予想よりもかなり早く会場入りできましたが、早めに行っておくに越したことはありません。広い会場で自分の試合が行われる場所を見つけるのは一苦労ですし、会場で迷って集合時間に遅れてしまうと最悪DQ(Disqualified、失格)となります。早めに会場入りしたことで試合前に野試合ができたので、事前にある程度慣らしておくことができました。
いよいよ対戦
事前の慣らしはできたとはいっても普段と異なる環境、周囲に多くの人がいる雰囲気、大会の緊張感がもたらすハプニングは付き物です。実力を100%発揮できる人は稀でしょう。元が初心者の私ですが、本番では自分でもこれはないだろう!?と思ってしまうようなミスをやってしまいました。こういった大会慣れの部分も実力の内で、強い人はミスをしたとしてもリカバーする能力があったり、リスクの少ない戦い方を心得ているものです。
上手い人の話でいうと、トーナメントではプロ選手のプレイを近くで見ることができたり、プロの選手と試合になる場合もあります。私も「グランブルーファンタジーヴァーサス -ライジング-」の最初の試合相手がカナダのプロ選手の方だったようで、当然の如くボロ負けしたわけではありますが、学びの多い試合でもありました。プロの選手は牽制としての弾撃ちの打ちどころが上手かったり、確定反撃ポイントの知識もあるために一瞬の隙を逃さずに確実にダメージを取っていきます。それでいて、ラウンドを取られて負け傾向になったとしても冷静に内容を修正できる。大会で負けないための戦い方があるのだと理解できましたし、自分の動きの問題点も認識できました。
ブースも見どころいっぱい
大会の結果は残念ながら全負けに終わりましたが、大会が終わってもEVOの楽しみはあります。大会の進行の他に会場では企業によるブース出展もあり、新作ゲームの試遊やコントローラーやグッズの販売などもあります。
Riot Gamesが「League of Legends」のキャラクターを使って仕掛ける2 on 2の格闘ゲーム「2XKO」は4人対戦での試遊ができました。シンプルな操作ながらも格闘ゲームとしての奥深さが感じられたので、今後の展開が気になります。今年中にプレイテストも行われるそうなので、それも楽しみにしています。
ブシロードゲームズがパブリッシュする「HUNTER×HUNTER NEN×IMPACT」は冨樫義博の漫画「HUNTER×HUNTER」を原作とした格闘ゲームです。事前に話題となっていましたが、実際に試遊してみると思ったよりも複雑なシステムで、単純な連打ゲーにはならずに戦略性がある試合が成立しそうです。
デバイス関連の出展ではSNSで見かけていた新型レバーレスコントローラー「VARMILO FK2」の実物に触れることもできました。キーボードメーカーが仕掛ける商品ということで、キーボードでは割と聞くラピッドトリガーを導入したボタンが特徴的です。通常のスイッチでは構造上ボタンを離してもある程度の距離は押した判定が残ってしまいますが、ラピッドトリガーならば離した瞬間にボタンがOFF状態になります。しかもボタンの作動点をWEB上のサービスから自分用に微調整できるそうです。
ブースの方に聞いたところ、ボタンに関しては調整中だそうで、会場で触れられたものよりもストロークがさらに短くなる(1.5mm程度)とのこと。ボタンの配置やボタン数も様々な意見を踏まえたうえで決められているそうで、個人的にはかなり好みのデザインです。ある程度の重さや大きさを持たせて安定させること、運搬用にキャリーバッグ付きにしたり、キャリーバッグが膝置き用の台になるなど実用的な仕様です。価格的にも16900円からと同様のレバーレスコントローラーとしては比較的安価なのも嬉しいところ。オリジナルの基盤を採用していてPCのみでの対応となりますが、総合的にはかなり良いものだと思われます。7月頃の発売に向けて現在予約受付中なので、気になる方は予約してみてはいかがでしょう。
コミュニティの力を感じる場E
EVO JAPANではメイントーナメントの他にも様々なゲームによるサイドトーナメントが開催されています。中には格闘ゲームではないものも含まれており、サイドトーナメントの運営は有志による自主開催でEVOの運営チームは直接かかわりません。それでもほとんどのトーナメントが大きな混乱もなく終えられているのは凄いことです。コミュニティの人々の熱量の高さが伝わりましたし、各所でプレイヤー同士の交流が行われているところを見ると同窓会のような意味合いもあるのだと感じました。
今回初めてのEVOでしたが、これまで触れてこなかったことが勿体なく感じるぐらいには面白い場だと思います。来年も開催されると思いますが、また参加できるように頑張ってみようとモチベーションを上げる機会にもなりました。