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#39 宝くじ売り場の魔女

宝くじは買うタイプです。当たりませんが。(笑)

数駅隣の駅前に、よく当たると評判の宝くじチャンスセンターがあります。

先日たまたま通りかかって、ふと昨年のハロウィンジャンボを買った時のことを思い出しました。

あの日、私は魔女に会ったのです...


今日は、私と魔女と宝くじのお話。




その日は、大安吉日とか一粒万倍日だとかなんとかで、迷わず私は宝くじを買う列に並んでいました。

すると背後から、

「私はね、買ったら絶対100万円以上当たるの。それ以下は当たったことないから。絶対。」

え?話しかけられている?
と、思い振り返ると、、、、

((あ、魔女だ))

すぐにそう思いました。(笑)

そこには、頭のてっぺんから靴の先まで全て、何もかも全て、オール、All、紫のお婆さんが立っていたのです。

髪の毛も紫、口紅も紫がかったピンク、爪はギラリと輝いて、あらゆる指に指輪がジャラジャラ。
ワンピースのような、セットアップのような、とにかく服も上下が紫。

あまりにイメージする魔女と合致したせいか、私は大して驚きもせず、
「えー!!すごいですね!」
と、答えていました。

そして果敢にも、「コツとかあるんですか?」
と、質問までしてしまう始末!
これも、魔女の魔力でしょうか...

すると、魔女は、

「いい?売り場の人は、1日中あの小さなボックスの中から宝くじを手渡しているのよ。それなら、より福が強そうな人相じゃなきゃ運は引き寄せられないはずよ。だから、人相を見るのよ。引き寄せられる人かを見るの。」

力強く言い切りました。。。

それは、魔女だから成せる技なのでは?
その時の私は、お婆さんは魔女だと疑ってもいないので、もはや魔力の話をしている気がしました。

魔女の話は続きます。

「左右のボックスを見なさい。どちらが福が強そうに感じる?人相をよく見なさい。」

ここで、私たちの後ろに並んでいたおじさんから、
「すみません、並んでるんですよね?」
と聞かれます。
「並んでます!申し訳ありません。」
と、謝る私。人相をじっと見ている魔女。

私も試しに左右のお姉さんの顔を見てみました。

どちらの方も、愛想が良くてニコニコしていて、いい感じです。

強いて言うなら、、、、うーん、左?

そんなことを考えていると、魔女が、

「左の人ね。」と、言ったのです。

なるほど。。。私にも魔力があるのかも、、、

すると私の番になりました。
しかし、空いたのはのボックス。

私が左がいいと言って後ろに譲ったとしても、私の後ろは魔女で、魔女だって左がいいし。。。
魔女も更に後ろに譲るのならいいけど、行列だし、空気を読んで魔女が右に行っちゃったら。。。
それはなんだか申し訳ないないな。

こんなことを瞬時に考え、迷い、迷ったけれども、順番に従って私は右のボックスに行きました。

私と少しの差で左が空き、魔女は左へ。


先に購入し、帰り際にチラッと魔女を見てみると、
「当たるといいわね!」
そう言って、ニヤリと笑っていました。



さて、結果は、、、、当たらず。

その後、魔女に会えることもありませんでした。

なんだか不思議なお婆さん。

もしまた会えたら、
「あの時の宝くじ当たりました?」
なんて、話しかけてしまいそうな自分がいます。

もしまた会えたら、
「あんた、福を引き寄せそうな人相ね。」
と、言われたいなと思っている自分がいます。

引き寄せられるかは自分次第。

でもあの日、魔女に会ったということが、すでに私も何かを引き寄せることができた気がしています。

またどこかで会えますように。

その時は、どちらのボックスに行くかは譲らないぞ!と心に誓っているものの、またもや魔力に負けそうな自分がいます。(笑)

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