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日給5万円? 高額アルバイトの罠!

今も昔も、様々な理由でお金が必要な人がいて、そういう人を狙って罠を
仕掛ける人がいます。
特に、親元を離れて一人暮らしを始めた頃は、
親に心配をかけたくないという気持ちもあって
自分で何とかしようと考える人が多いのかも知れません。

30年程、昔の話です。
私は若い頃からずっと、誰かに支払うためのお金に追われていました。
アルバイトを探して求人情報誌を眺めていた時、魅力的な求人を見ました。

『短期アルバイト日給5万円。即日払い。』
聞いたことのない横文字の会社名です。
記載されている仕事内容は、漠然としていてよく分かりません。

早速、電話をかけて面接に行くことにしました。

その会社は、渋谷の桜が丘の雑居ビル一室でした。
入り口を入って最初に感じたのは、殺風景なオフィスだということでした。
真新しい印象のカウンターとパーテーションの他には、
飾りも張り紙も何もないオフィス。
案内されたテーブルに座って待っていると、スーツ姿の男性が
ファイルを抱えてやって来ました。

「お待たせしました。では、まず履歴書を拝見します。」

ここまでは、普通でした。
30代半ばに見える男性は、興味もなさそうに履歴書を眺めています。
ほんの数秒、眺めたところで男性は顔を上げました。

「はい。それでは、まず当社のお仕事を説明させていただきます。」

男性はそう言うと、
傍らに置いていたファイルを取り出してテーブルで開きます。
どんな仕事かも分からずに座っている私には、ここからが大事な話です。

「突然ですが、サラ金って聞いたことありますか?」

「え? あぁ、はい。」

「返せない人に高い金利でお金を貸して、強引な取り立てをする。
最近、問題になっていますよね。」

「はぁ。そうですね。」

「どうして返せない人にお金を貸すか、知っていますか?」

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