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ベッリーニ『ノルマ』MET 2017


📸 Ken Howard

METで9/21月8:30amから23時間配信、ベッリーニ『ノルマ』伊語、1831年初演
https://www.metopera.org/season/on-demand/opera/?upc=811357019306

Bellini’s Norma
Starring Sondra Radvanovsky, Joyce DiDonato, Joseph Calleja, and Matthew Rose, conducted by Carlo Rizzi. From October 7, 2017
https://twitter.com/MetOpera/status/1307804693612167168

見所

Radvanovskyと DiDonatoという世界を席巻する2大オペラスターの競演。見る前からわかる、絶対に期待を裏切らないことが。Callejaは2009年『ホフマン物語』でタイトルロール、Roseは2020年「アグリッピーナ」の皇帝クラウディオ役だった。

『清教徒』と並びベッリーニの代表作の一つ

"女として母として「愛」を貫いた気高い女性を描く

D・マクヴィガーの演出による歴史絵巻"
https://www.shochiku.co.jp/met/program/91/

あらすじ

"紀元前1世紀、ローマ帝国支配下のガリア(現在のフランス)地方。ドルイド教の巫女ノルマ (Radvanovsky) は、敵方のローマ帝国将軍ポッリオーネ (Calleja) とひそかに愛し合い、2人の子供をもうけていた。だがポッリオーネはノルマに飽き、若い巫女のアダルジーザ (DiDonato) をローマに連れ帰ろうともくろんでいる。恋人の裏切りを知ったノルマは、怒りに任せてローマとの戦いを宣言。そこへ、アダルジーザに会うため神殿に入って捕らえられたポッリオーネが引き立てられてきた。自分のもとに戻るなら解放するとポッリオーネに迫るノルマだが…"
~松竹

プログラム
https://www.metopera.org/globalassets/user-information/nightly-opera-streams/week-27/playbills/100717-norma.pdf

wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8E%E3%83%AB%E3%83%9E_(%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9)

キャスト&スタッフ

指揮:カルロ・リッツィ
演出:デイヴィッド・マクヴィカー

巫女ノルマ
ソンドラ・ラドヴァノフスキー

若い巫女アダルジーザ
ジョイス・ディドナート

ローマ帝国将軍ポッリオーネ
ジョセフ・カレーヤ

ドルイド教徒の長オロヴェーゾ/ノルマの父
マシュー・ローズ

動画

ノルマの動画がMETのYouTubeチャンネルから多く上がっている
https://www.youtube.com/c/metopera/search?query=Norma

ラドヴァノフスキーと演出のマクヴィカーがノルマを紹介する動画
https://www.youtube.com/watch?v=UCAo2rIf3nc

ノルマは、子供を愛するプライベートな部分と巫女の長として仕える部分を備えている

ノルマは最後に自然に回帰する
悲劇だが非常に高貴で心が解放される

"ノルマのアリア, Casta Diva〈清らかな女神〉は旋律美の極致"
一幕
https://www.youtube.com/watch?v=VF-NapCY8WM


ノルマを80回歌ったというマリア・カラスが歌うCasta Diva〈清らかな女神〉
https://www.youtube.com/watch?v=ddTO1i9Rt6o


苦悩に満ちた歌

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非常に官能的な歌
若い巫女アダルジーザがポッリオーネに抵抗するが最後には誘惑に負ける

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ラドヴァノフスキーとディドナートのデュエット素晴らしいすぎる

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ラドヴァノフスキー

ソプラノ歌手にとって、ノルマ役は最も難度の高いオペラの1つと言われている。

ラドヴァノフスキーが主演した、ドニゼッティ三部作の一つ、2016年「ロベルト・デヴェリュー」は、私が見てきた中で数少ないカーテンコールで紙吹雪が舞った作品。

ノルマ上演のMETでの歴史

この内容で記事が上がっている
https://www.metopera.org/user-information/nightly-met-opera-streams/articles/from-the-archives-norma-at-the-met/




観ての感想

一流は絶対に手抜きしないを、ラドヴァノフスキーとディドナートから感じた。二人の声質は、ふくよかな飛ぶ声でよく似ており、デュエットがよくマッチする。共にアメリカ人1969年生まれ、公演時48歳、現在、世界最高峰のオペラ歌手だが、日本語でwikiもない...いつか作るか...

一方、カレーヤはイタリアの南にあるマルタ島出身。1978年生まれ。公演時まだ39歳。二人の女性歌手の体格に見合い貫禄があったが、歌と演技で10年の経験の差が少し出ていたと感じた。この二人に合う歌手を見つけるのは至難の技だと思った。

マクヴィガーはラドヴァノフスキーが主演したドニゼッティ女王三部作も演出。本作品は、紀元前のローマ帝国の支配下にあるガリア地方が舞台で、ドルイド教徒の祈りの場である森と巫女の家が舞台。明るい照明場面が一つもない。最近見たMETのイル・トラヴァトーレを思い出す。上に貼ったビデオで、マクヴィガーが時代と背景を語っている。

照明の暗いオペラは苦手ということだけで、この二つのオペラ、My Bestには入らないけど、成熟したオペラ歌手の姿を見せてもらった作品だった。

ポジティブなレビューhttps://blog.goo.ne.jp/tora6yoshi/e/95f29d4ce9062a4d541080046c2b170d

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