ベルリオーズ『ファウストの劫罰』 MET 2008

METで今日は、ベルリオーズ『ファウストの劫罰』仏語。1884年初演。5/27日7:30amまで
https://www.metopera.org/season/on-demand/opera/?upc=811357012154

Wiki
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%AE%E5%8A%AB%E7%BD%B0

Berlioz’s La Damnation de Faust
Starring Susan Graham, Marcello Giordani, and John Relyea, conducted by James Levine. From November 22, 2008.

<出 演>年齢は出演時
マルグリット:スーザン・グラハム (52歳)
ファウスト:マルチェッロ・ジョルダーニ (49歳)
メフィストフェレス:ジョン・レリエ (40歳)

<指 揮>
ジェイムズ・レヴァイン

<演 出>
ロベール・ルパージュ

<振 付>
ヨハネ・マドール、アラン・ゴティエ

見所

グノー『ファウスト』と見比べるのが面白い。共にゲーテの原作に基づくが、本作は、オペラとしてのストーリーを持っていない「劇的物語」。コンサート様に楽しむ?

例えば、有名なラコッツィ行進曲の場面
https://youtube.com/watch?v=ICY8ZPuU-X4&list=PLrQibQnm0FmetU6BbhPIlHXCGE4LvGDtS

冒頭の舞台はドイツからハンガリーへ変更

感想
グノー「ファウスト」を見たばかりなのでストーリーが追いやすかった。今まで見たMETの男性歌手で一番格好いい人を見たかも。メフィストフェレス役ジョン・レリエだ。カーティスに行ったエリート。歌も演技も素晴らしい。バスなのでまず、ヒロインの相手役で登場してくることはない。日本語ではwikiもない。蚤の歌が面白かった。それからスーザン・グラハムの歌がよかった。「トゥーレ王の歌」は不思議な歌。2回聞いてしまった。マルグリートの聞かせどころ、4幕はじめ「ロマンス」、2曲とも、グラハムの声に癒された。

昨日のグノー「ファウスト」の方がファウストが口説く時に、ドキドキしたなあ。まあ、「劇的物語」なので、圧倒的に歌う箇所が短くなっているのだが。

ベルリオーズセットはグノー「ファウスト」に続き、実験的。だからうまく行った映像場面もそうでない場面もあったと。テンペストの演出家。水の中に潜ったように宙を舞っているシーンはどう撮ったんだろう。

METは準備の時間が、例えばブロードウェイミュージカルなどに比べ、限られているという。録音技術に改良の余地があるのか、METの合唱で各パートが一つの声のように聞こえる歌にまだ出会っていない。各合唱団員が歌いすぎてるのかな。お芝居もできるというのがMET合唱団の強み。合唱の声質は時間制約のため、あまり追求できないのかなあ。少数意見だろうか。。

ダンスもあまり合っていなかった。きっとあのセットの限られた空間では踊りにくかったのだろう。ちなみにMETのダンスで一番感動した一つは、ルネ・フレミングが主演した「メリーウィドウ」!

最後にベルリオーズの音楽は美しくて、映像技術やアクロバットでオペラを視覚的に面白くし若い世代をオペラに惹きつけようしている試みに敬礼。

レビュー
https://applause.at.webry.info/200812/article_3.html

http://www.nakash.jp/opera/review08/64metfaust/r.htm

http://shirokuma.photo/?p=3643 >しろくまさんのレビューはいつも簡潔。さっと調べたいときにいつも読ませてもらっています。

http://merrywillow.com/?p=872
一つのご意見


録音された音楽は辛いものが
奇抜な演出が目障りになり肝心の音楽に集中できない
舞台装置といっても案外単純>コスト削減??
ドラマとしての構成より、ストーリーの部分部分を断片的に作曲して繋いだものですから、オペラ仕立てにするのにはそもそも無理がある、というのが私の意見。コンサート形式でベルリオーズの音楽そのものをジックリ聴き、ドラマ性は聴き手の想像に任せる。そういう方が聴き易い、と思う

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