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役立つプログラムを作ってみた

 BASICの講習会を終えた人は、次にオフィス用パソコンの講習を受けることになったが、それを書く前に、このときに習ったことを応用して、自分でプログラムを組んで使ったことを書いてみたい。

 当時私の所属していた趣味の会は、会員の入会期を年4回に分けて、毎年自分の入会期になると、翌年の年会費を納入することになっていた。
 例えば、3〜5月に入会した人は毎年2月末までに翌年の会費を納める、6〜8月に入会した人は毎年5月末までに納める、といった具合に。

 また、入会期の最初(3月1日、6月1日など)の時点で18歳未満だったら、会費は3分の2でいいという決まりがあった。

 会員名簿はワープロで作っていて(当時出始めたばかりのこのワープロについては改めて書くが)、会員の氏名、住所、通し番号の会員番号を載せていた。
 この名簿には会員の入会期は書いていないので、その月の月末までに会費を納入する必要のある会員がだれかはわからなかった。

 名簿に入会期も追加すれば良さそうなものだが、会員が少なければ、そこから会費を納入する必要のある会員を拾うこともできたかもしれないが、会員は毎月少しずつ増えていたので、会員番号順のリストがあったとしても、同じ入会期の人は飛び飛びに固まっている。

 それに、使っていたワープロ専用機にソートの機能はなかったから、地区別の会員名簿から会員番号順のリストを作ることはできなかった。
 リストが欲しければ、会員番号、氏名、住所などを新規に入力していく必要があった。

 おそらく会計係が自分で手書きのリストを入会期毎に分けて作り、入会者がある都度、リストに追加していたのではないかと思う。

 そこで、私は習ったことを生かして、簡単な会計処理のプログラムを組んでみようと思った。

 まず、会員番号順のデータベースを作る。
 入力も出力も英数字とカタカナが可能だったので、データベースとして1列目に入会期、2列目に会員番号、3列目に氏名、4列目に生年月日を入力してリストを作った。
 新規会員があるたびに、このリストに追加していく。

 リストアップしたい入会期を指定すると、その会員データがすべて抽出される。
 さらに、その年の入会期の最初の日から生年月日を引いた数値が18未満の場合は、その行を赤字で印字するように指定する。

 例えば、2月末までに会費を納入する入会期1の会員のリストは、入会期、会員番号、氏名、生年月日の順に、1983年3月1日時点では以下のようになる。(氏名や生年月日はダミーです)

1    0024    サカイサトミ    1967/5/1  ←赤字
1    0038    ヤマノマヤ     1962/7/19
1    0095    アオキアキコ     1958/1/21
1    0104    タカノタミエ   1966/3/15  ←赤字 この人は3/1にはまだ17歳
1    0137    ショウジユリ  1960/10/4

 どうして1983年3月1日時点での18歳未満がわかるかというと、日付には1900年1月1日を1として、通し番号のように1ずつ増える数値が付いているからで、1983年3月1日から生年月日を引いて、18未満になるデータを赤字で印字するように指定すれば良い。

 今ならエクセルでデータのソートもできるし、関数を使えば抽出もできるが、当時は表計算ソフトの使えるパソコンはまだ普及していなかったから、このプログラムは役に立った。

 会費納入時期が来ると、私はデータを例の幅広のレシートのような紙に印刷して会計係に渡した。
 何年かしてこの会を退会するまで、3カ月毎に、入会したり退会したりする会員のデータをデータベースに追加し、削除し、会費納入が必要な会員のデータを印刷して会計係に渡していた。

 後にも先にもBASICでプログラムを作ったのはこれだけだ。
 自分が趣味の会を辞めて、使わなくなったMZ-7は処分した。
 当時は家電リサイクル法もなかったし、ノートパソコンのキーボードと同じ程度の大きさで、片手で楽々持ち運べる重さだったので、不燃ゴミにでも出したのだろうか。

 趣味の会を辞めてからもう30年以上経つが、そこで仲良くなった人たちとは今でもお付き合いが続いている。
 会える距離にいる人たちとはたまに会うこともあるが、遠くの人たちとは相変わらず手紙やメールのやり取りをしている。

 そのうちの誰がまだ会員でいるのかはわからない。
 現在編集に携わっている人に聞いたところ、個人情報保護法ができてから会員名簿は作らなくなったので、彼女にも当時の会員で現在も在籍しているのはだれなのか、わからないのだそうだ。




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