見出し画像

ブルーベリー

 noboruさんのブルーベリーの記事を読んで思い出した。


 昔、ブルーベリー摘みに行ったことがある。
 あれは私が会社勤めを辞めた夏だった。

 知人のお父さんがブルーベリーを栽培していると言うので、摘みに行きたいと行ったら、じゃあいらっしゃいと招んでくれた。
 他にも何人か行きたい人がいたので、みんなで行った。

 ブルーベリーを初めて食べたのは、1981年にカナダ旅行をしたときだった。
 バンクーバーだったと思うが、空港のカフェテリアにブルーベリーやラズベリーがプラスチックのコップのようなものに入って並んでいた。

 旅行中、道端の薮にブルーベリーがなっていて、摘んで食べたと言う人がいたが、私は見つけられなかったので残念に思っていた。
 帰りに空港のカフェテリアで食べることができて良かった。

 それまでブルーベリーは絵本などで見たことはあったが、日本では流通していなかった。
 作っている農家がなく、生のブルーベリーは輸入できなかったからだろう。
 冷凍のブルーベリーならスーパーにあったかもしれないが、よく覚えていない。

 ブルーベリー摘みの当日、みんなウキウキして、丘の上のブルーベリー畑へと向かった。
 知人のお父さんは農業をしていたが、ブルーベリーは半分趣味で作っているということだった。
 趣味と言っても素人が数本植えるのと違って、収穫して売りに出せるほどだったので、遠慮なく摘ませていただいた。

摘んだブルーベリーは全部いただいて帰った


 一緒に行ったうちの1人はケーキ作りが得意で、手土産にレアチーズケーキを作ってきた。
 ブルーベリーを摘ませてくれた人へのお土産だったが、みんなでお茶したとき、ほんの少しずつ味見させてくれた。

 一口食べて、マヨネーズが入っていることがわかった。
 私がそう言うと、隠し味にマヨネーズを入れたということだった。
 他の人たちはわからなかったらしい。

 私はレアチーズより焼いたチーズケーキの方が好きで、自分で焼くときはレモンの皮のすりおろしとレモン汁も入れる。
 このレモンチーズケーキは指輪を贈ってくれた叔父が大好きだったので、お小遣いをいただくお礼に焼いて持って行ったものだ。

 叔父が亡くなってから、チーズケーキを焼くたびに叔父のことを思い出していたが、狭いマンションに引っ越してからケーキ作りはやめてしまった。
 今はキッチンが狭くてオーブンの置き場がないのと、気管支拡張症の症状を改善するためと中性脂肪が高いのとで砂糖を摂らないようにしていたら、次第に甘いものが苦手になってしまい、ケーキを食べることもほとんどなくなった。

 ブルーベリー摘みの日にレアチーズケーキを作ってきた人は、表参道のクレヨンハウスにパートでケーキを焼きに行っていた。
 クレヨンハウスは上の階は絵本や児童書など本の売り場だったが、地下にはレストランがあり、その人はレストランで出すケーキを焼いていた。
 ケーキは自分が焼きたいものを焼いて構わないそうで、ケーキ作りが得意な人には打ってつけの仕事だった。

 私はクレヨンハウスでは1度も食事もお茶もしたことがない。
 表参道で好きな店はたくさんあるので、改めて書くつもり。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?