『Live Boxing 4』:メモ

那須川天心のCMに釣られて、Prime Videoの『Live Boxing 4』を観た(結局、丸々5時間以上。ご苦労さん)。

なるほど、天心という選手は、所謂いわゆる「当て勘」が素晴らしい。相手選手との差は、ボクサーとして、というより、より根源的な、格闘家としての才能や資質や経験の差だと思った。

とは言え、相手選手は、確か31歳。

言うまでもなく、人間は生き物なので、歳を重ねると色々「衰える」。中でも、「反応速度」の衰えは、30歳を過ぎたあたりから「問題」になり始める。もちろん、普通の人には、30歳overの「反応速度」(の衰え)が「問題」になることはないが、例えば、F1レーサーやボクサーのような〔ミリ秒レベルの反応速度〕が求められる人たちには「当人が愕然とするような現実」として立ちはだかる。あと、格闘ゲーマーが30を過ぎると辛くなっていくのも同じ理由。F1レーサーやボクサーや格闘ゲーマーにとって、30代の「反応速度」は、一般人にとっての「老眼」のようなもの。つまり、相手選手が天心選手に「翻弄」されたのは、「歳のせい」もあると言えば、言える。かもしれない。

振り返ってみれば、メインイベント以外は全て、「若者」対「年寄り」になっていた(つまり、「そういうこと」なのだろう)。今回の興行で、もっとも「派手」な終わり方をした(一般受けがいいに違いない)試合は、勝った方が21歳で、豪快にノックアウト負けした方は37歳。井上弟と戦ったベネズエラ人はなんと41歳だった。

そう考えると、「若者」同士が戦ったメインイベントが、今回一番の名勝負になったのも当然な気がする。日本人チャンピオンに負けたメキシコ系アメリカ人のあの選手、好かったよね。今回はまだお母さんに家は建ててあげられなかったけど。観戦途中から、『ロッキー』(初代)のBGMが脳内に流れていた。試合をすることになった経緯も、勝敗の結果も、『ロッキー』だった。

でも、一番気になったのは、常に勝利者インタビューの背景で微笑み頷いていた青いワンピースの二人のお姉さん(ラウンドガール)。なんで、こんなふうに、毎回毎回、あからさまに、図々しく、堂々と画面に映り込んでいるのか謎だったからだ。ワンピースの胸のマークにナニカ書いてあるのでよく見ると、「Live Boxing」と書いてあった。それで、ああ、彼女たちは「パネル」だったのかと気づいた。「パネル」というのは、サッカーの試合などが終わったあとで監督や選手がインタビューを受ける時、背後に立てられている、スポンサーのロゴがたくさんプリントされているアレ。四方から観客が観ているリングの上にパネルなんか立てたら、「後ろ」の観客が勝利者インタビューを見物できなくなってしまうからね。

【追記】あとで知ったけど、メインイベントの日本人チャンピオンは31歳だったんだね。じゃあ、「若者」同士の戦いじゃなかったのか。だから、挑戦者はあそこまでガンバレタ(接戦に持ち込めた)のかな。

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