マトリックス・レザレクションズ

『ブレードランナー』を最初に観たときは、「こんな未来がアリなのか!」と感激したけど、『マトリックス』を最初に観たときは、「大昔から存在する所謂「水槽の中の脳」仮説をモチーフ(設定)のど真ん中に据えたモノを、そのうち誰かがやると思ってたけど、とうとうやったナ」とニヤリとした。きっと世界中の何億という人間が同じようにニヤリとしたはず。

画に関しては、有名なネオの「弾丸避け」は面白く観たけど、あとは、なんか「総じて動きがダサいなあ」と思った(し今も思ってる)。特に(何故か評価の高い)カンフーアクションはマヌケ過ぎて(どうにもサマになってなくて)観てられない。あの、当時流行った「静止画でカメラが周囲を180度ぐるっと回るやつ」も、スゴイというより、笑っちゃう。

「水槽の中の脳」モチーフなのに、タルコフスキー的な(思索的な)方向には行かずに、丸出しのアクション娯楽に仕立てたことで、商業的には大成功したけど、結局、「よくある、人類解放のために超能力者が戦う映画」に「成り下がって」いる。せっかくの「水槽の中の脳」モチーフで、こういう展開かね、というがっかり感はある。それでも最初の『マトリックス』は面白く観れる。つづきの2作品は観ても観なくてもいい「ただのアクション映画」。

で、今回の『レザレクションズ』だよね。

ちなみに、「マトリックス」シリーズでは、派生作品の『ANIMATRIX』の中の『The Second Renaissance Part I /Part II』と『Beyond』の方が、本編よりも好き。

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