メモ帳アプリに書きためていた日記③

歯磨き粉が床に落ちる。

大きいカバンをかついで、好きなシャツの肩がこすれてしまう。

コンロが壊れている(チャッカマンを使わないと火がつかない)ことを入居時に管理会社に伝えずにここまで来てしまった。

クリーニング屋のハンガーをまとめて捨てる。

電車。スーツケースを両足で抱えた隣の女性が、「カズローさん」とLINEしている。「頭痛薬〔…〕エアコンは設定温度を上げすぎると」などとある。

マルチビタミンの錠剤を床に落として、洗って飲む。

玄関の革靴を踏んでしまった。

ファーストフード店のソースをシャツにこぼす。夕方まで喫茶店で時間をつぶすつもりだったがシミのことが気になってなにも手につかないに決まっており、イトーヨーカドーで重曹や漂白剤を買って帰宅する。ユニットバスの洗面台に湯を張って台所洗剤とクレンジングオイルをたらし、重曹・漂白剤といっしょに洗濯機に入れる。2500円の古着とはいえお気に入りの柄シャツだった。

マルチビタミンをまた買い忘れる。

出先で脱いだエアリズムをカバンにしまいっぱなしだった!

朝シャワーを浴びたときボディーソープを「たしかに」使ったか不安になる。

お手洗いで席を外しているあいだに隣の男が咳をしたかもしれない。確率の中で生きるということ。

パンツを間違えて捨ててしまった。

ズボンを裏返しにしていなかった。洗濯が衣服を痛める行為であることに、一人暮らしするまで思い至らなかった。

パーカーをハンガーから雑に外してしまった。

ベルトの保管方法について。これまでクローゼットにぶらさげていたが、折り曲げないほうがよいらしく、慌ててフックに吊るす。

大喜利の大会で食べ切らなかったラムネを夜食べる。

イヤホンの片方を流しに落とす。

割引で買ったお寿司を残す。まいばすけっとのお寿司はもう買わないこと。

マスクを外して電話する汗だくの男

部屋の隅に積み上げていたダンボールが崩れる。

サイゼリヤ。おばあさんと若い男性が隣あって打ち合わせをしている。保険の営業のようだ。しばらくして、18時頃に40歳くらいの男性が到着する。お客さんご飯注文するかなあ時間帯的にどうかなあと事前に話し合っていたが、客の男性は仕事の合間に時間をつくってきたらしく、ドリンクバーだけで大丈夫のようだ。お客さんの職場はこのあたりでSEをやっている、おばあさんの夫は最近亡くなった、若い男性は、彼女との別れ話でコロナをうつされてしまい、別れた2日後に「ごめん、陽性だった」というLINEがあった、好条件のプランに加入するにはギリギリの年齢のため、最悪でも誕生日の前の月まで、できれば今月中に加入したほうがいい、うちは家内が諸々のことを決めているので、いったん持ち帰って家内と相談したい、週明けの月曜までならギリギリ待てますなど一通りのやり取りを済ませてお客さんを見送ると、おばあさんが「あ〜今日はだめだった、あたし」とこぼしていた。

bluetoothスピーカーを蹴ってしまった。

ミラノサンドAが硬かった。

半年前にクリーニングに出したままのコートを引き取る。明らかに僕が悪いのに、新人店員さんが保管場所をなかなか見つけられず怒られていた。

デスクライトの光の色が気にかかる。学生のときは、レポート用紙の黄色い紙を2枚重ねでかぶせて暖色寄りに変えていたっけ。

「風邪で休む 泣きながら電話 風邪というのは嘘 母からの電話 不安で眠れず 喫茶店〇〇」
※見た夢のメモ

東急本店が潰れるらしい。上京したときには渋谷の南側は東急のビルがひと通り立ち揃っていて、宇田川町には新しいパルコができたが、道玄坂のあたりはまだ手つかずだった。

河出文庫のコーナーにハラリの本が平積みになっていて、こっちくんなと思ってしまった。

ファミレス。60代くらいの女性二人組の会話。「男の人ってなんなんでしょうね だから自分の価値観だけしか認めない人 なんで穏やかにさあ 背中を見せて暮らしてくれなかったのかなあって いちばん好きだったのは中学の頃のKくんかなあ Hさんと大学学部も一緒で うちの夫も一年 へえ色々つながってんだ Kさんてかわいいから目立ってたんだ 女の子であそこの学校行くのって 「ちむどんどん」 18から来てからずっとこっち 予備校言ってたんですけど そのときにくみちゃんという沖縄の子がいて まるきり、だから主人公だと思う」

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