呪詛

よっつ、豚と呼ばれ

いつつ、死を覚え

むっつ、いじめを覚え

ななつ、信用を失い

やっつ、諦めを覚え

ここのつ、自殺を覚えた


十一、自傷を覚え

十二、端に生き場所を見つけた

十三、屈辱を覚え

十四、除け者同士寄りかかりあった

十五、見下すことを覚え

十六、大人の振りを覚え

十七、ヒトは愚かと知った

十八、幾度も裏切られ

十九、自分もヒトと悟った


ヒトの顔した獣が歩く
いま通り過ぎた子どもらも
いつか誰かを殺すだろう
誰かの心を殺すだろう

駅地下で寝るホームレス
何見て死んでいくだろう
獣の鋭い目だろうか
無邪気な誰かの嘲笑だろうか

駅のホームでフラれたあいつ
苦い顔してフってたあいつ
誰が救ってあげるんだろう
誰がその傷を治すんだろう

六畳ちょっとの子ども部屋
今日もそんな歌をうたった
外に聞こえぬ小さな声で
獣もヒトも呪ってしまえ
自分もろとも呪ってしまえ


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