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オランダ女子サッカーのリアル

今回の記事ではオランダの女子サッカーに関して、私の知っている範囲で書けたらと思います。

まずは
オランダ女子サッカーリーグ
の仕組みについて。

現在私がプレーしているのは、オランダ2部リーグTopklasseと呼ばれる完全アマチュアのリーグです。
11チームで形成されており、私が所属しているのはSassenheimという首都Amsterdamより少し南にある地域を拠点に活動するTer Leede(テルレーデ)というチームです。
男子チームもあり、現在5部に所属しています。

そして私がプレーしている1つ上のリーグは、吉良知夏選手がいるTelstar(テルスター)や、古賀塔子選手がいるFeyenoord(フェイエノールト)が所属するオランダ1部プロリーグのEredivisie Vrowenと呼ばれるリーグです。
(チームごとに資金の差がある為チームによっては働きながらサッカーしている選手も沢山います。)
AjaxやAZ、PSVなどの名門クラブを含む12クラブで形成されています。

そして、この1部と2部の間に降格と昇格は存在しません。(WEリーグとなでしこリーグ1部の入れ替えがないのと同じ)
ですが、2部と3部、3部と4部の間には降格と昇格が存在しさらに入れ替え戦が行われます。

⚠️このシステムは2024-2025シーズンで終わりで、2025-2026シーズンからは新たなシステムに変わりリーグ編成や昇格降格などが大きく変わるそうです。

Telstarのホーム711Stadion
ADO Den HaagのホームBingoal Stadion

吉良選手の試合をよく観に行くのですが、2部に比べて身体能力に優れた選手が多いイメージがあります。
その中でも体の小ささを有無とも言わせない、一際早い頭の回転と優れたテクニックで違いを見せて試合を作っている吉良選手には脱帽です。

次に
なぜオランダリーグを選んだか
について。

正直1年前の私はオランダでプレーするなんて全く思っていませんでした。
なぜなら私には目標があったから。

イングランドでプレーしていたシーズン終盤、ビザの関係でイギリスに残ることが難しく日本に帰る事も考えていました。(現在は取得方法が変わり取りやすくなっています)
私は、イングランドに挑戦する以上イングランドで結果を残してレベルを上げたいと思っていました。
それが無理ならまた日本でプレーするつもりでした。
ただ、せっかく学び始めた英語を失いたくない事、いつでもイングランドに戻れる環境にいたかったことから日本に帰ってプレーすることを諦めて、イギリスから近いオランダのチームにトライアウトを受けに行くことを決めました。
それが今のチームです。
当時の監督はとても良い方で、イギリスに残る事を第一優先にしたいと言ってもなお、快く受け入れてくれました。

そして練習参加をした次の日にはオランダのビザを取りました。
それほど、その時の私にはイングランドではなくてオランダの方が向いていると感じたのです。
エージェントの方もこの即決には驚いていました。
でも、それほど強く思ったのが事実です。

それからは、日本でビザ取得に必要な書類を集めてすぐにオランダに入国しました。

そしてチーム合流。
日本人はもちろん1人で、オランダ語を話せないのは私だけ。
ちなみにその前のシーズンには現在日本でプレーしている平國瑞希選手が所属していたので、また新しい日本人がいる!といった雰囲気でした。

何より驚いたのはチーム年齢の若さ。
みんなしっかりしてて、背が高くて(笑)、なんか大人びてて、助けてもらうことばかりだったので勝手に年上だろうと思っていたら10代の学生が多くいて驚きました。

次に驚いたのは言語力の高さ。

ご存知の方も多いと思いますが、オランダは英語を母国としない国で世界一英語力の高い国です。チームメイトの9割は英語がペラペラ。
誰に聞いてもすぐに英語に訳して分かりやすく説明してくれます。
ですがもちろん、ミーティングも練習も全てオランダ語で進んでいきます。
当たり前だけど、圧倒される日々でした。
少しでも気を抜くとあっという間に置いていかれちゃう。ほんとにあっという間に。笑
恥ずかしなが、日本にいた時から練習メニューを理解するのがすごく苦手で…
なんとか隣にいるチームメイトに説明してもらうものの、一回では理解できない事がほとんど。
分からない時はとりあえず見て、目で理解するを繰り返します。
(今でも、1人で違うことやってる時はありますが…😅)

私のチームは、月、火、木が練習で土曜日が試合です。
ちなみに、毎週月曜日がミニゲームデイです。
真剣だけど、楽しみながらやるこのミニゲームが大好きです。
月曜日は、ファーストセカンド関係なくみんなごちゃ混ぜで練習しますが、火曜日木曜日は週末の試合に向けてファーストセカンドに分かれて練習します。
オランダの他のチームがどうかは分かりませんが、ファーストチームに監督、アシスタントコーチ、トレーナー、キーパーコーチがいるのはもちろん、セカンドチームにも監督とコーチ、トレーナーがいるし、サード(ヤングと呼ばれる若い子達が主流)にも監督とコーチがきちんといるのは、環境面ですごく整っているんじゃないかと思います。

オランダでプレーしてまだ1年しか経っていませんが、自己主張の重要性は毎日のように感じます。
オランダ人は自分の意見をとにかく言う。とにかく話す。とにかく伝える。相手が誰であろうと自分の意見をぶつける。
時には監督と、チームメイトと口論になるほどぶつかり合います。
これは、良くも悪くも言えることで、悪く言えば感情のコントロールができないと捉えられるのかなと思います。(個人的に落ち着かなきゃいけない場面でも感情的になりすぎてるときがあると感じるので…)
ただ、日本人の性質として、感情を出すことは恥ずかしいことだ、我慢することが正義だとされている風潮があると思います。
そういった面では、オランダ人のこのマインドはリスペクトしなければいけない部分だと感じます。
特に私は自分の意見を言うのが苦手だし、感情を出すのが苦手です。
だからこそあえてこの、伝えないと生きていけない環境に身を置いてみたというのもあります。
チームメイトから意見を求められることも多々ありますが、英語力の面だけでなく自分の思ってることをはっきり伝えるという面でもチャレンジしている分野です。

新しいシーズンが始まり、新しいメンバーとまた新たな気持ちで新シーズンを迎えています。
チームとしては去年より少しでも順位を上げられるように、そして個人では毎試合コンスタントに試合に絡んで、チームにいなくてはならない存在になれるようにしっかり気を引き締めて頑張っていきたいと思います。

長かったですが、読んでくれてありがとうございました😊
少しでもオランダ女子サッカーのリアルが伝わってればいいなと思います。
気になることがあれば、インスタでもコメントでもメッセージお待ちしております。

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