プランマ―病診断後の内服 メルカゾール
<前回までの話>
いろいろな検査をした結果、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)ではなくプランマ―病という良性腫瘍だということがわかりました。
先生の説明では治療の第一選択は「手術」だというのですが、それまでに少し甲状腺ホルモンの数値を下げておこうということで、メルカゾール内服が始まったのですが・・・
内服開始から2週間後に、いつも通り採血後に診察を受けると
「メルカゾールを内服すると副作用というのもあるので、それを確認するために2カ月間くらいはこうして2週間ごとに来てもらうんですが、今回の採血結果では少し白血球の数値が下がっているんです。もともと白血球は4000/μLくらいなんですね。今回は2600/μLで数値が下がってるんです。
肝臓と腎臓も少し下がってはいるんですが・・。
白血球成分の中(血液分画)の好中球(顆粒球)の数値も下がっていると注意なんですが・・・。あんまり下がるようだとこの内服を継続できないので、メルカゾールを10mgで内服してもらって2週間たちましたが、少し減量して7.5mgの内服にして2週間後に来てください。」
そう先生から説明がありました。
メルカゾールの副作用 <無顆粒球症>について少し補足ですが
血液中の白血球の成分のうち顆粒球(特に好中球)が減少し、ほとんどなくなる病気です。
初期症状として、かぜや扁桃腺炎のときと同様な発熱や喉の痛み、全身のけん怠感(だるさ)等があります。無顆粒球症になると、感染しやすくなるのです。このコロナ感染が流行っている中、体を守ってくれる兵隊の白血球が少ないということは、やばいなということは安易に想像できるのでした。
<採血の白血球データについて>
一般的な採血データについては、みなさんもなんとなくご存じかと思います。血液の中でも白血球と言われるものは主に感染に対する兵隊だと思ってもらえたらいいです。
白血球兵隊たちは5つの部署があり、全体の白血球を1としたとき
①好中球(Neutro) 約60% ⇐ちなみに今回私のデータは57%
②リンパ球(Lymph) 約32%
③単球(Mono) 約5%
④好酸球(Eosino) 約2%
⑤好塩基球(Baso) 約1% これが全部で100%の白血球の内訳となります。その部署での役割がそれぞれあるのですが、ここではメルカゾールによる顆粒球減少をみるために必要な項目だけ出して置きました。
(もちろんこれだけでは判断できませんので、わからないことは主治医に確認してくださいね)
この中で好中球は一番占める割合が多いのですが、これが50%以下になってくると、兵隊の戦力が落ちるので体内に入ってきた敵をやっつけることが難しくなってくるというわけです。
私の場合、メルカゾールの内服を開始してから扁桃腺が痛いということはありませんでした。体のだるさは多少ありましたが、それは甲状腺ホルモンの更新によるものなのか、薬の副作用なのか判断ができません。熱も出ていませんでした。
とにかく、少し内服量を減らして様子をみようということになったのです。
先生に手術がどんな感じになるか聞いてみると、
意外な言葉が返ってきました。
先生:「手術はうちじゃなくて、東京の伊藤病院に行った方がいい。知ってますか?餅は餅屋じゃないけど、あそこは甲状腺の人ばかり手術しているから、そのほうがいいい。」
え??この病院だってかなり大きな病院なのに?と不思議に思ったのですが、一般の病院で甲状腺の手術件数はそんなに多くはないので、慣れている所の方がスムーズだというのです。
腫瘍は直径で2㎝程度、な~んだぜんぜん大きくないんだから症状も軽くて、手術もぽろっとくりぬけばいいんじゃない?と安易に考えていたのですが、
先生:「腫瘍の大きさは症状とは比例しません。小さくても症状がひどい人がいて、貴方の場合は結構出ている方です。手術は良性でも、くりぬき法ではなく、たぶん片方の甲状腺をとることになると思いますよ。」というのです。
甲状腺の病気になった人は一度は聞いたことがある伊藤病院。
東京の表参道に面していて、以前母が「行ってみたい」というので受診に2回ほど付き添ったことがありました。外来の先生は常に10数名ほどいます。伊藤病院は甲状腺専門病院なので、全国から患者さんがそこに来るというだけあって、待合室にいる人すべてが何らかの甲状腺の病気を持っているのは間違いなく、とても混んでいました。
そこは外来受診だけでなく、入院を伴う手術やアイソトープ療法などもやっているようです。
なんだか気分がスッキリしないまま、受診を終えて処方された薬を受け取り
帰宅。毎回、受診は一日がかりで待ち時間も長く本当に疲れます。
相変わらず脈は速く、頭痛は時々あって、だるいなという感じはしています。あとはとてもお腹がすくのに、たくさんは食べても太ることはありません(むしろ微妙にやせてきたかな)。とはいえ、日常生活は普通にできています。
さて、2週間後の診察がどうなるでしょうか・・
プランマ―病(甲状腺機能亢進症)って聞いたことがなく
ネットで検索しても体験談を載せている人が少なかったので
自分の体験を通して同じ病気の人が
少しでも気持ちが楽になったらいいなと思い
記録として私の体験談を投稿することにしました。
参考になればうれしいです。
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