消費される「可愛い」

消費されるだけいいですけどね。
消費するものもない場合も往々にしてございます。

おはようございます。
10月とは思えない暑さです。

SNSとか加工アプリとか端末自体の機能とかどんどん発達して、新しいお化粧品も整形技術もメイクテクニックも、興味を持って調べればいくらでも自分にあったもの探せる時代です。

「可愛くない自分」に嫌気が差したら「可愛い自分」に作り変えることができる時代です。

可愛くなった自分の姿を世界に発信すれば、ちゃんとちやほやもしてもらえるしね。
そりゃあみんな可愛くなりたくなります。
「可愛くない自分」に価値がないと思っちゃったりします。

わたしも可愛い女の子は好きで、所謂ドルオタです。
でも自分は女性でノンケなのでガチ恋には絶対ならないし、単純に「お顔が可愛い」とか「歌がうまい」とか「ダンスがうまい」とか「接触のときの対応がいい(人当たりがいい)」とか、そういうところに憧れを持って推し事をしています。

わたしが先にドルオタになってライブに彼を連れてったりして、彼も立派なドルオタになりました。
でも彼は男で恋愛対象は女性なので、多分わたしとは違う目線でアイドルちゃんたちを観ています。

それを身に沁みて実感する出来事がありました。

わたしに内緒でわたしの知らないアイドルのライブやコンカフェに行っていたのです。

やっぱり彼は男で可愛い女の子が好きで、可愛い女の子に会いに行くのは後ろめたいことだから、同じアイドルオタクであってもわたしには言えなかったようです。


可愛いについてすごく考えたし、全然答えでないし、可愛くない自分が嫌すぎて死にたくなりました。
大好きだったアイドルが嫌いになりました。

過去のことなのに、いまこれを書いている間も、あのときと同じ胸とお腹の重くて痛い感じが完全再現されています。

わたしもあの子達みたいに、無理矢理二重にしてカラコンで黒目きゅるんきゅるんにして短いスカートをはいて夏には水着冬にはエッチなぴったりニットを着て毎日明るく元気にバカなふりをしてニコニコしてないと、彼に愛し続けてもらえないんだと思いました。

やったことのないアイプチとかアイテープ練習しました。
つけたことのないカラコン買ってみました。
冬だったのでエッチなぴったりニットを探して街を彷徨いました。

なんの意味があるのかはまったくわからなかったけど、そうでもしていないと生きている価値すらないと、そう本気で思っていました。

しかも、せっかくもし可愛くなったとしても、年を重ねると消費された「可愛い」は尽きて、しょーもないオバサンになっちゃうんだわ、と思うと毎日が地獄でした。

可愛いは自分ではないだれかに更新され続けて、SNSのいいね数や「かわいいね」って言われることによってどんどん消耗し、一歳ずつ年をとる毎に減っていってしまうから、エビちゃんみたいな40歳になるためには、死に物狂いで毎日毎日可愛いを追求してその為だけに生きていかないといけないんだと思います。

それを仕事としてるひとはいいかもしれないけど、「可愛くなりたいなぁ~」「年を取っても可愛くありたいなぁ~」とふんわり考えているだけじゃ、あっという間にババアになってしまうんだって思うとほんと凹みますね。

どうなりたいかみたいなゴールが見えないのはとても不安です。だってわたしはエビちゃんにはなれないから。

ゴールが見えないのはこの記事も同じですね。結論はありません。
わたしも彼も結局いまだにアイドルオタクやっているし、一生懸命歌って踊る彼女らに心を動かされるのも変わりません。

エンターテイメントとして割りきることができたのかもしれないです。彼が意識の低いアイドルもどきとのワンチャンを狙わなければいいだけのことです。

地下の地下とか、しょーもないコンカフェはもうやめてほしいです。

わたしはアラサーだって、多分アラフォーになってもアラフィフになってもずっと「女の子」気分で「可愛い」自分でいたいしそのために死ぬまで泣いたり死にたくなったり苦しんでいくんだと思います。

でも、そんなもんだよなって、それでいいって信じてます。
いまは。


とても大きな台風が近づいています。猛烈な雨風が予測されて、命を守る行動を!と言われているのに、去年買ったばかりの新車の心配ばかりしている私です。



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