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【エッセイ】だめな自分も包み込む、全肯定ソング3曲

〇はじめに

世の中には素敵な応援ソングが山ほどあるけれど、
本当につらいときに私を支えてくれるのは、
「そのままでもいいじゃん」とありのままを肯定してくれる曲だ。

そんな曲を聴いて、思いっきり休んで、十分にパワーを充電できたら、
また前向きに頑張ろうと思えるから。

今回は、王道の応援ソングとは言えないけれど、
きっと皆さんの心を軽くするであろう私の大好きな3曲をご紹介したい。

〇クリープハイプ 『大丈夫』

大学生の頃はまっていた、ちょっと大人な歌詞が特徴的なクリープハイプ。
この曲の構成は、「あたし」が特定の「あんた」に向けて話しかけているというものだが、不思議と自分に語りかけてきているように思えてくる。

私が好きなのは以下の部分。

あー、痛くてたまらないなら
薬飲んで横になってそのまま朝になるまで寝てれば良いよ
もう大丈夫だから
あー、怖くて眠れないなら
酒飲んで酔っ払ってそのまま朝になるまで起きてれば良いよ
もう大丈夫だから

痛くて怖くて辛くて、こんな状況を変えたい。
でも変われない自分が情けない。何かに逃げてしまう。

長い人生、誰でもうまくいかないときはあるはずで、
そんなときに逃げてしまう弱さも含めてすべてを肯定してくれる歌詞。

こんな包容力のある人間になりたいと思う(笑)

〇マカロニえんぴつ 『ヤングアダルト』

「ハロー、絶望」というキャッチ―なのに切ないフレーズが印象的な曲。
夢を追い挫折した若者たちの現実を描く。

夢を見失った若者たちは
希望を求めて文学を
はたまた汗まみれのスマートフォンを
握り締めて詩を書き溜める
ハロー、絶望
こんなはずじゃなかったかい?
でもね、そんなもんなのかもしれない

冒頭の「スマートフォンを握りしめて詩を書き溜める」という描写は
思いを必死でnoteに綴る自分自身の姿となんとなく被る。

その後の「でもね、そんなもんなのかもしれない」という一節は
目の前の現実を受け入れて生きていく諦めとも受け取れる。

でも、私はやっぱりこの曲は応援歌になり得ると思う。
というのも、最後は以下のように締めくくられるからだ。

夜を越えるための唄が死なないように
手首からもう涙が溢れないように
無駄な話をしよう 果てるまで呑もう
僕らは美しい
明日もヒトでいれるために愛を集めてる

辛い夜を乗り越えるために、誰かと無駄な話をして、果てるまで呑む。
自分自身を見失わないように愛を集める。そんな姿は美しい。

もちろん解釈によるが、この歌はあきらめたくても諦められず、
必死でもがいている若者たちへの賛美歌だと思う。
少なくとも私は、ひとりの若者としてそのエールを受け取った。

〇Official髭男dism 『コーヒーとシロップ』

最後の一曲は全肯定ソングとはちょっと違うかもしれない。
言うなれば、「全力寄り添いソング」だろうか。

この曲は、慣れない仕事にもがき苦しむ新社会人の苦しみや自問自答を描いており、MVを観ても「分かる!しんどいよね!!」と共感の嵐である。
以下のように胸を苦しくさせる表現も多い。

朝が嫌になった テレビも嫌になった
いつも時間に数字に 追われる毎日
不思議に思った 君は平気なんだろうか?
笑顔の裏に隠した 言葉はなんだ?

例えば 何十年先に偉くなれたなら
そしたら 僕もあんな風に威張りだすんだろうか?
例えば 君が明日どこかへ逃げ出したなら
そしたら 「誰でもいいさ」と笑い出すのか?

間違えたから謝るんだ それくらい簡単ならば
笑って明日を待てるのに まだ
「出来ないから」と攻められてほら
このカップのふちで僕は
今も飛び込む時をそっと待っている
堪えて堪えて高いところから吐き出す時を

この曲がある意味究極の応援ソングだと思うのは、
ひたすら苦しみや悩みに共感してくれるからだ。

「頑張ろう」なんて前向きに鼓舞する言葉はもちろん無い。
「今は嫌なことを全部飲み干すしかないけど、いつかは全部吐き出せたらいいな」という来るかもわからない「いつか」への淡い期待を歌って終わる。

こんなの聴くと辛くなる曲じゃないか、と思われるかもしれない。
けれど、失恋した時に失恋ソングを聴く人が多いように、
辛い時、ただただ寄り添ってくれる曲というのもまた必要なのだと思う。

そんな曲を聴きながら思い切り悲しんだり落ち込んだりした後、
なぜだか吹っ切れて前向きになれることもあるから。

***

以上、私の人生に寄り添ってきてくれた、大好きな曲たちでした。
ついつい熱くなって長々と書いてしまいましたが、
最後まで読んでいただきありがとうございました!

Anna

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