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他人には他人のパレット、自分には自分のパレット

私には、世界が赤にも青にも、複雑な色にも見えることもあります。それは、私のパレットにいろんな色があるからです。はっきりした色もあれば、名前がついてないような変な色もあります。皆さんのパレットにはどんな色がありますか?たぶん、人間はみんなそれぞれパレットを持っているのではないかと考えました。そしてその色を使って、人生という絵を、描くんだと仮説してみましょう。(私の論であり、一般論ではありませんのでご了承ください)

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そして、そのパレットに色がたくさんあると、色んな良いことがあります。まずは、一つの物事にもいろんな色が見えて、世界が何十倍のも解像度で見ることができます。また、自分の望む人生が描きやすいです。さらに他人と意見が合わない時も穏やかな気持ちになれます。逆に、パレットに色が少なかったり、他人から塗られた自分を演じすぎると、そもそも自分の持っている色が何色なのかがわからなくて、何をしたいのかわからなくてもやもやしてしまいます。だから、私は人生を豊かに、生きやすくするために、色をこれからも集め続けたいと思います。きれいな色も、汚い色も。色の集め方は様々ですが、私はいろんな人と出会い、たくさんのリアルな経験を重ねることで増やしてきました。

もっとこれを、詳しく述べていきます。

パレットがカラフルだと良いこと(詳しいバージョン)

1.一つの物事にもいろんな色が見えて、世界が何十倍のも解像度で見ることができます。

私のパレットには、たっくさんの色が増えました。そしたら、世界の解像度が全然違って見えます。あなたの世界って素敵!私にもちょっとちょうだい!とか言って生きています。そして、その逆も然りで、私はこんな風に見てたんだ〜っていったら、「なるほど!」そんな手もあるんですねとなることもあります。いろんな色を見つけた私は、一つの物事に対して、いろんな色が見えて何倍にも人生を楽しむことができました。だから、つまらないなって思うことがあっても、いや、待てよ、こういう色でみたらなんかオモシロイことあるんじゃないか!?と考えると、はい、どんな時間でも楽しいです。笑

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2.自分の望む人生が描きやすいです。

そもそもパレットの色が少ないと、どんな自分でいたいんだろうの材料が少ないので、選択肢が少なくなります。色が増えるとその選択肢も多いし、色と色を重ねてもっと自分らしい色をつくることができます。私の場合は、臨未来が、いろいろあって、今現在どれも試している途中です。でも最近は色をたくさん増やしてきただけあるので、もっと一つの色に集中したい時期です。望む未来を描きたいなら、まずは描くための絵具を探したいですね。

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3.他人と意見が合わない時も穏やかな気持ちになれます。

話が噛み合わないなと思う人に出会っても、あの人のパレットにある色は、もしかして系統違うかも〜と思って、今度あったらゆっくり聞いたり、観察したりして、覗いてみよって思えるようになりました。そして、他人に過度な期待も寄せることもなくなりました。みんなお互いのパレットを大事にして生きてるんだね。ふむふむ。私は、私のパレットを満たしたいから、私はこう生きるし、あなたのパレットはあなたにしか満たせないので、仕方ないねと割り切る時もあります。そうして、人にはみなパレットがあると知っているだけで、生きるのがすんごい楽になっていきました。

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他人に色は塗らない。これ原則。

でも、気をつけたいなと思うのは他人に勝手に色をつけちゃあかんなと言うことでした。「あなたこうなんじゃないの?」みたいな問いのたて方をしてしまうことがあるのですが、それは他人のパレットを尊重しておらず、自分の色を塗ってしまいがちな危ない言葉だったなと思い、反省しています。それに気が付かずに、物事を進めてしまうと、どんどんその人とズレが生じていき、なんか変な話になり、結果、自分が後悔します。自分の色を塗るよりも、その子にはその子のパレットがあって、そのパレットにのせる絵具を一緒に探したり、その子が好きな色を塗るまで待ったり、塗り始めたら、静かにしたりする方がお互いにとって良い影響があるんだなと思います。そうやってお互いのパレットを尊重し合うことができていると、お互いの色を見せあったり、お互いの色を混ぜ合わせたりできるようになります。

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わらじ荘はパレットをのぞきあえる場所

パレットって、人の内側にあるもので、たくさんコミュニケーションをとってからでしか覗くことのできない物です。だから普通は、他人のパレットを見るのって難しいんですけど、わらじ荘では、人と話す、暮らすということが自然にできることで、たくさんの人のパレットを覗くことができるんです。そうやって、自分のパレットの色を日常的に増やすことができます。そして、その増えた色から、どれを大事にして言ったらいいのかを考え、オリジナルパレットを制作するのです。そうしてここに暮らし、他人と関わり、自分の色を知り、自分のこういう風に生きたいとか、大切にしたいものに気づき、そして、みな、自ずと表現実践できる場所を自分で見つけていくのです。暮らすってだけで、他人のパレットをのぞき、自分の色を増やすことができるこの場所はすごいと思います。

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ここに来るまでの、勘違いと修正

正直、当初のわらじ荘創設期には、、みんながみんなパレットの色がすでに揃っていて、いつでも自分の人生描けますって状態だと勝手に思っていたんです。だから「地域の変態と出会える」「実践したり表現したりできる」そんな学び舎にしたかったんです。

でもね、なんとそれは検討はずれ、私の勘違いだったんですね。ここにくる人たちと話していくうちに、だいたい、20代前半のモラトリアム期真っ最中の人は、まず、自分のパレット持ってるって気付いてないんです。そして、知っていても、自分のパレットに色が少ないです。そもそもやりたいことを描くための絵具の選択肢が少ないと言うことです。「そもそも今自分がどんな状況にあるかわからない」とか、「自分の将来のことなんんて考えたこと、なかったです」って、答える人もいました。小学生の時に将来の夢があっても、どこかで諦めざるを得ない経験をしたり、夢を否定されたりして、結局自分なんてできないと自己否定してしまうことが、こんなにあるんだと知りました。まずは自分のパレットの存在に気がついてもらったり、色を増やすために他人のパレットを覗く対話の時間を設けたりしました。やりたいことある?よりも、「どんな風に生きたいか、暮らしたいか」を聴くようになりました。でも、そんなのわからないわと言う人には「いやあ、最近、どうなの?」から始まる会話を重視するようになりました。その「会話」があるから、「対話」ができる訳です。とにもかくにも、自分のパレットに気づくのが、第一歩。それが見つかるだけで安心する人がたくさんいることも知りました。

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みなさんから見えているわらじ荘ってどんな色ですか?

わらじ荘っていう場所にはいろんな人が出入りすることで、みんなのパレットから溢れる色が何種類も塗られているんだと思います。その中でも、私なりにピックアップした、大きく分けて三つの色を紹介します。そして、周りから聞いているわらじ荘の見え方をいかにあげていきます。

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活動するという色(当初塗った色)
喫茶店を開いたり、イベントもしたりしています。(してました。)最近はわらじ荘でやるより、町会館で月に一回づつ「しゅくだいくらぶ」と「スマイルくらぶ」という子ども向けの小さな会をしています。
この事実に対して、学生にとっての実践の場だねという色をぬる人もいれば、それは地域活性化だね!という色を塗っていく人もいます。
暮らすっていう色(そんな意識しなかったのにできた色)
今年で築109年の家に、みんなで暮らしています。そしていろんな時間を共有します。歯を磨く、一緒に手を合わせてご飯を食べる、挨拶をする、ちょっとした出来事が共有される。この事実に対して、学生の居場所だねっていう色を塗る人もいれば、古民家を使ってくれていてありがとう!という色を塗る人もいれば、そんなの自分勝手じゃんと言う色を塗る人もいます。ふむふむ。
若い人の声を聴くっていう色(新色!)
これは後で下にも出てきますが、さらっと概要までに。わらじ荘には多くの若い人が出入りします。大学生が多いですが、高校生や小学生もきます。人との関わりを求めにきたり、将来のこと考えたいなって遊びにきたり。なんかすっきりした〜とか言って帰る人もいれば、逆にもやもやして帰る人もいます。この若い人の話を聴くって言う行為も、大事だよねって色をぬる人もいれば、甘えだという色を塗る人もいますね。ふむふむふむ。

さて、ここまで読んで、活動、暮らし、話を聴く場という色があったら、あなたはどの色をどんなふうに切り取り、わらじ荘に対して、どんな色を塗りますか?

今わたしが一番大事にしている色のこと

私は今、一番力を入れたい色は、最後に述べた若い人たちの声を聴くという色です。特に今、大学生は家族から離れて1人暮らしで、学校もオンライン。集まるところがない、だから雑談もできない。そんな中、1人で自分と戦っています。大学生だけじゃなく、高校生、小学生も来ます。みんな、みんな一生懸命生きてて。みんなもやもやを抱えていて、ちゃんと向き合っているんですよね。なんかすっきりした〜とか言って帰る人もいれば、逆にもやもやして帰る人もいます。住んでる人、住んでない人関係なくです。でも、みんな話を聞いて欲しいんっだなあって。今必要とされているのは、そんなことなんじゃないかと思います。居場所ってある人はあるけど無い人はない、ここが選択肢の一つになればと思っています。

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↑みたいなことの繰り返しなんだと思います。

わらじ荘を続けていく中で、イベントを派手にやること、もっとずっと大事な色がここにあったんだなって、知りました。私はこの、あんまり目立たないし、わざわざ発信するまでもないことだけど、声を聴くって言う一番シンプルだけど、とっても大事なんだろうなってことを積み重ねたいなと思っています。

追記)なぜ若い人に注目しているのか?

それは、函館のたくさんの大人の方々が色んな函館の課題に挑戦してくれていますよね。観光・食・人口減少・経済・子育て・交通などなどもっとたくさんあるのでしょう。私は、何に一番貢献できるか考えました。そして、見えたことがあります。まず学生の気持ちや心にまで気を遣って、若者減少課題に取り組む函館の人が少ないことに気づきました。そして、何よりこの街で学生を6年間もしているという圧倒的な経験がある。ことを踏まえ、私は若者減少問題と空き家問題に着手しているというまでです。そして、その若者の小さな居場所が、必ず函館の今後の未来につながると信じています。だからと言って、大人の人を近寄らせないわけではありません、しっかり他人のパレットをみようとしてくれる人にはちゃんと解放していきたいです。若者の気持ちが一番の優先順位に上がった今、私は学生を守るということが追加されます。精一杯やっていきましょう。ちなみに、大前提なのですが、私は行政などからお金をもらってやっているわけではありません。自分がやりたいからやっているのですね。

さて、ここまで読んでいただきありがとうございます。ここで改めて、わらじ荘ってなんのためにあるでしょうか?地域のためでしょうか?学生のためでしょうか?もう、一体どんな場所なんでしょうか??

読む前よりも、ちょっとだけわらじ荘に塗られている色が見つかれば幸いです。そして、どんな色に見えていても、正直どうでもいいです。でも、実際にあなたの身体を使って確かめにきて欲しいです。そして私のあなたのパレットを覗いてから、さあ、話をしましょう。

最近の事柄について、私の見解

ここまで色を使って例えてましたが、あえて言葉に置き換えるのであれば、大事にしている「価値観」「軸」みたいなものだと思ってもらえればいいと思います。そんな価値観が共有されないまま進んでしまう話し合いとかってすんごい多いなって最近みてます。自分のパレットで勝手に他人に色を塗っちゃって、憶測で事を語って拡散とかしてしまったりしますよね。それは、他の人の間違った色の塗り方を助長するだけだなと思って、どうなんかなって見守ってます。あと、こんな時代だからかパソコンとかテキストとかでしか相手のパレット見えなかったりしてますね。人には、自分で自覚している色と、気付いてないけど他人からしか見ることのできない素敵な色があったりしますので、直接お話しするしかないかと思います。まあ、でもその前に、お互いのパレットを尊重する気持ちがないと難しいですね。

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最後に…

わらじ荘は住んでいる人のパレットと、関わる人の多様なパレットでいっぱいいっぱいで、いろんな色がつきまくるなあと思っています。どんな色に見えるかどうか人それぞれではありますが、そんな、私たちの曖昧で不確かで、どんどん変わっていく家を、どうか見守っていただきたく思います。そして、どうか、自分の持っている色だけで判断せず、どんな色を大事にして運営しているのか、パレットを覗きにきていただければと思います。

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もしかしたら、地域のためにっていう派手な色が塗られすぎて、そういう場所だと思って応援してくれていた方々もいるかと思います。最近はめっきり地味な色を塗っていましたから、最近は静かだなと思っていたら、そういうことだったんだねと思ってもらえると嬉しいです。結果、地味でも派手でも、正直、どれも函館のために繋がるって信じてます。でも目に見える成果が見えるのは、何十年後になるかわからないです。ごめんなさい。でも私は信じてます。ごめんなさいデータは今とってます。末長くお付き合いいただければとおもいます。

私の荘での役割は3つ。「何かあれば責任を取る」「荘の継続のために、お金を調達する」「荘に関わる若者と大人の緩衝材になる」です。正直、アイディア思考で、どんどん攻めたい私にとっては、守りのような役職で、あまり好きではありません。むしろ嫌いです。笑

でも、私は、この函館という街で、他の人のパレットを覗き見できる場所を維持したいです。そしていろんな色に触れ、自分のパレットをお気に入りの色でたくさんにして、自分の納得できる、自分だけの絵を描く人がたくさん増えたらいいなと願っています。と、同時に、他の人のパレットの色も想像できる人が増えたらもっと世の中は争いがなくなり、平和になるんじゃないかなと思っています。

そして、私自身ももっと、たくさんの色を採集し続け、最高の人生を生きていきたいなと思っております。ここまで読んでくださり本当にありがとうございます。

いただいたものは、全て大切なひとに、そしてまちに、使わせていただきます。