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Netflixドラマ「First Love 初恋」の余韻

最近、Netflixに加入したこともあり、ドラマ、映画など作品をリストに入れる作業をちょっとずつ進めています。
作品名を検索しては「これは配信していないな」「おっ、これは観れる」とつぶやきながら自分の視聴環境が快適になるように整えているところです。そんな中、ずっと観たかった作品「First Love 初恋」を全視聴終了したので、まだ余韻が残っているうちに感想を書き留めておきます。

【全体所感】
◾衣装やアイテムの配色としての視覚、食べ物の匂ってくるような演出、劇伴で流れる北欧的オーガニックサウンド、移ろっていく北海道の四季の美しさと厳しさ、登場人物達の感情の機微など、観ている側の五感を刺激するような要素が散りばめられていて、丁寧に作られているドラマだと思いました。
恥ずかしながら時々涙腺が崩壊してしまって、「この感情はなんだろう?」と自分でコントロールできる範囲の外で何かが動いたような感じでした。今でも不思議です。 

ここからは一行感想。

【1話目〜3話目】感想メモ

▪️1話目からすでに最終回につながる也英のレイキャビク行きの旅が始まっていた。

▪️晴道と也英がCDウォークマンのイヤホンを共有し聴いていた宇多田ヒカルの「First Love」が物語の後半の転換として重要な要素となっている。

▪️2話目のエンディングで晴道が流した涙にじわる。

▪️晴道がタクシーに乗り込む時に持っていた紫色のライラックの花束がとてもきれいだった。

▪️紫色のライラックの花言葉は「first emotions of love(恋の芽生え)」「first love(初恋)」

▪️也英と綴(つづる)の親子関係がほほえましい。

▪️「こんな再会ありえない」とか「観ている側の気恥ずかしさ」とか、そういう閉じてしまいそうな気持ちを乗り越えてしまうエモさがこのドラマには宿っている。

▪️晴道が綴(つづる)に言ったセリフ「それが運命かどうか知りたかったら飛び込んでみるしかないよ」が耳に焼きついた。

▪️久しぶりに再会した也英と晴道が、也英の友達と食事をするシーンで、あの男子学生が店員を「お姉さん」と呼ぶあたりは「ああいう態度を取る人いるよな」とリアリティを感じてしまった。

▪️也英は真面目で真っ直ぐな性格だけども、自分の持っている能力に対して無頓着なところがある。

▪️也英の交通事故が起こった背景から読み取れるのは、人生とは不思議なものでネガティブな気持ちがネガティブな出来事を運命的に引き起こしてしまうこともあるということ。

○1話目〜3話目で使われていた劇伴はこちら↓
アコースティックなサウンドが印象的に使われています。

↑この曲は綴(つづる)のトラックですね。
 技巧的で且つエモーショナルなアレンジ。カッコいい。

【4話〜6話】感想メモ

▪️永遠に届かない手紙、晴道の自衛隊訓練生としての成長、15年ぶりの火星の接近とその間の2人の世界線、也英と綴(つづる)が着ていた白地に黒の水玉の服。

▪️「それが本物なら必ず誰かに発見されるって。マルコポーロが黄金の国を見つけたみたいに」詩(うた)ちゃんのストロークによって綴(つづる)が自分の音楽に対して自信を持てるようになった。

▪️「どんな出来事も人生にとってはかけがえのないピース」というセリフは、このドラマの軸となっている。

▪️綴(つづる)の子役時代の子どものクスクス笑う感じがかわいすぎる。

▪️コッシーは仕事上で晴道の良き相棒。

▪️天狗山での也英のセリフ「こんな取るに足らない人生の底の底の方で何かとてつもない大事なものを失くしているんじゃないかって」晴道は自分と過ごした思い出のことだと直感的に感じ、気持ちが抑えられなくなる。

▪️バッハを劇伴に使うことで、セリフには無いそこはかとなく流れる哀しみや憂いのような感情が伝わってくる。

▪️衣装を見ているとライトグレーと水色の配色にこだわっていることが分かる。

▪️「こんなことあり得ないよな」とか多少ツッコミどころがある、そういう余白がある方が観ていて楽しめるもの。

○4話目〜6話目で使われていた劇伴はこちら↓



【7話〜8話】感想

▪️彼は誰時(かはたれどき)に也英がコンビニで買ったアイスクリームはハーゲンダッツ。

▪️親権者変更にかかる書類を書いていた時に使っていた万年筆は、也英が高校生の頃、お父さんにプレゼントとしてもらったものなのではないか。

▪️晴道が機内で注文した機内食は也英が工場で作っていたものだね。

▪️3.11から1ヶ月後、自衛隊が救助活動を続けているニュースを街頭モニターで観た也英だけど、映っていた自衛隊員の中には晴道がいたかもしれない。

▪️離れていた間も間接的に2人はつながっていたという演出がにくい。

▪️也英のタクシードライバー教習中
、事故一歩手前のハラハラドキドキの運転だったけど、あの運転から優良ドライバーまで昇格したとすると努力したんだなと思う。

▪️旺太郎が也英を初めて見た時のことを「外国の猫みたいで、はかなくて、透き通って見えた」と言っていたけど、也英の佇まいを表すにはぴったりの表現だと思った。

▪️旺太郎の也英の背中を押すようなセリフに目頭が熱くなった。

▪️晴道が話す飛行機の離陸や風に関する蘊蓄が好き。

▪️也英と晴道が一緒に食べることが叶わなかった涙の西洋軒ナポリタン。

▪️綴(つづる)とC Dウォークマンのイヤホンを共有して聴いた宇多田ヒカルの「First Love」により晴道と過ごした記憶が呼び戻され、也英の立ち止まっていた時間が動き出そうとしていた。

▪️「First  Love」の歌詞でタバコの味を「タバコのflavor」と表現している宇多田ヒカルのセンスの良さ。

▪️現実的にその場で感じるのは「タバコの味」なんだけど、記憶の中では「flavor」に変換される、そんなイメージ。

○ 7話目〜8話目で使われていた劇伴はこちら↓





【9話】最終回

▪️最終回は何故かあまり書くことが無くなってしまった。

▪️マルボロの煙草の箱、音楽家になり初恋も成就した綴(つづる)、スマホに下書き保存されたままの晴道宛のメッセージ、パンデミックによる先の見えない日常、本の栞としてそっと忍び込ませた北見行きの切符、駅の掲示板に書いたメッセージ。

▪️也英や晴道、綴(つづる)を見ていると、思いや気持ちが行動の原動力になるのではなく、行動してみることで周囲や自分が変わるんだなと思ったりする。

▪️追伸の手紙をあのマルボロの箱に入れたということは、希望観測的に也英が見つけてくれるだろうと晴道は思っていた。

▪️今度は也英が晴道に気持ちを伝えに行くというエンディング。

▪️最終回で希望的な未来へ飛躍する。

○ 9話目で使われていた劇伴はこちら↓

Such Great Heights / The Postal Service

The Postal Serviceというバンド名がにくい。このドラマで手紙や郵便は効果的に使われているからね。

Don’t Pass Me By  / Big Maybelle

U  / 岩崎 太整
綴(つづる)が作曲したトラック。詩(うた)ちゃんに捧げるU(you)

最後はこれでしょ。

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