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シンセについて聞いてみよう その9~DAWの普及から現在に至るシンセサイザー~

佐々木:はい!では今回はDAWが一般的に普及してからの、今現在に至るシンセについてお話しようかと思います。負けないでくださいね!もう少しですよ!

南:ふぁい!!(何がもう少しなのかはわからない)

佐々木:えぇ〜まず前回お話したDAWの登場によって、
ソフトシンセがより一般的になり、皆がシンセサイザーを触るようになりました。

南:はい。私がシンセについて聞いているくらい一般的にw

佐々木:本当にそうですね、、、笑

そして現代の潮流としてシンセは二つの方向に流れていきますが、まずDAWとシンセの融合について少しみていきましょう。

南:融合というのは、、フュージョン!的な?

佐々木:そうですねw僕らがよく使っているStudio Oneはどちらかというと、録音ベースのソフトで、他のDAWもだいたい同じような仕組みでできています。

しかしちょっと変わったDAWが登場しました。それがAbleton Liveというソフトですね

南:でましたね〜噂の。

佐々木:はい、噂のw
僕はCubaseからstudio oneに移行して今も使い続けているのですが、同時にAbleton Liveというソフトをバージョン5くらいから使っています。

南:あ、そうそう前から気になっていたんですよね。なぜ二つのDAWを使っているのか、、と。

佐々木:そうですよね。このLIVEというソフトはちょっと独特でして、他のDAWにない機能を持っていました。逆に今では他のDAWがLIVEのような機能をつけてきてもいます。
どんな機能かと簡単に言いますと、DAW自体がサンプラーのような仕組みになっているんですね。

南:サンプラーのような、、、、

佐々木:はい、前に話したAKAI MPCシリーズというのを覚えていますか?

南:あ、いや、、覚えて、、、

佐々木:はい、わかりましたw
MPCというのはミュージックプロダクションセンターという名前でして、
意味としては音楽を作るための中心的な機材、、、という位置づけだったんですね。

サンプラーというのはもともと録音できる機材なので、歌でもギターでも録音して繋げていくみたいな作り方もできます。
似たような機材としてはMTR(マルチトラックレコーダー)のような録音に特化した機材ですが、一般的なDAWはMTRが祖先と言えるのですが、
LIVEの祖先はMTRというよりMPCだったわけです。

南:なるほど。。。

佐々木:なのでLIVEはサンプラーのようにオーディオを直接コントロールすることに長けていました。
今までのDAWは録音した素のは時間軸やピッチなどは変えずそのまま作品にする形でしたが、LIVEはサンプリングした素材をいじくりまわして音楽を作ることに特化していました。DAWがそのままサンプラーのような動きをしているんですね。

南:はぁ〜なんかすごそうだけど何がすごいのかよく見えないw

佐々木:そうですよね!汗
使ってみないとなんともわかりにくいかもしれないですが、、
MTRのような録音機械に慣れてしまっている人にとっては、逆に使いにくいかもしれないです。
ですが、サンプラーというものは、
今までの作り方とはかなり違うアプローチができるので、音楽そのものが新しくなっていきました。
そしてこのLIVEというのは名前の通り、リアルタイムでの操作にかなり強いソフトでして、音楽を止めないで音楽を作り続けていくことができることも、目新しい感覚だったんだと思います。

南:ふむふむふむ、、、ふむ?

佐々木:つまりLIVEというのはDAWでありながら、楽器のようにリアルタイムで演奏できるDAWということです。
そしてそれは全く新しい楽器を発明したくらいのインパクトがありました。

南:あ、、だからシンセでありDAWである、、ということですね!

佐々木:はい〜そういうことなんですね。僕個人としてはLIVEの存在は、今までの音楽制作の認識を根本から覆すくらいの衝撃だったと思っています。構造、ルールなどについても今までなかったものを生み出せるポテンシャルを持っていると思われます。そういう意味でAbletonLIVEというのは一番最新のシンセサイザーと言えるのではないか、、、という話でした。

南:ホォー佐々木さんがそういうなら間違いない!!!

佐々木:うん、どうだろう?笑
という事でここまでのシンセの進化の終着点がLIVEでしたが、その後状況が変わっていきます。

南:え?終わりじゃないの?

佐々木:はい、そうなんですよ、ここから状況は混沌としていきます。

今は、、もはやカオスですねw

南:えぇぇぇ、、、、ここまできたのにw

佐々木:まぁ、軽く説明していきますと、、、
全てのものがデジタル化していく弊害のような話をしましたよね?

南:はい、しました。

佐々木:AbletonLIVEもDAWなのでデジタル化されているものなのですが、結局は弊害として皆が同じようなものを作ってしまうという事がさらに続きます。
そしてDAWはさらに、ある特定の音楽を、より簡単に作れるようにするために進化してしまいました。そしてもはや、誰が音楽を作っているのか?という問題に突き当たります。

南:誰が、、、、?

佐々木:はい、DAWを作る会社はオールインワンで音楽を作れるシステムを作り、ソフトシンセのメーカーはプリセットを膨大に作り誰でも簡単にすごい音を生み出している気になれる。もはやミュージシャンが音楽を作っているのではなく、
楽器メーカーが誰でも音楽を作れる道具を作っているにすぎない
、、、という状況に陥ります。。

南:確かに、、、、

佐々木:そこでミュージシャンはあえて不便なアナログシンセに戻ってみたところ、それが素晴らしく良い音を出していたことに気づいてしまったんですね。
確かにデジタルはノイズもなく、いつだって完璧な音が出た、けれど個体ごとの特性も弱く、オリジナリティがない。アナログシンセは不安定で不便だけど、独特の個性があり、組み合わせで使うことでオリジナリティを生む、、、と感じたのかもしれないです。

それで70年代に普及して消えていった、アナログシンセが2010年ごろにまさかのリバイバルするんですよ。
そして過去の名機が中古市場でどんどん高値で取引されていきます。ソフトシンセで似たような音がほとんどタダみたいな値段で買えて簡単に使えるのに、あえて過去の本物のシンセを使うのがクール!っていう時代が来たんですね。

南:なるほど〜!見えて来た!!

佐々木:はい〜、そうすると各社は無視はできないですよね。特にハードシンセをメインに作っていた会社は、いや、私たち昔作ってましたけど、みたいな状況になり、じゃー新製品は本物のアナログシンセで行きましょう!ということになった。

特に早く反応していたのがKORGで、買いやすい値段に設定して次々とリアルアナログシンセを発売して行きます。それはもう大当たりで一時期KORGはアナログシンセばかり作っていました。

そうやってソフトシンセの時代に新しいアナログシンセが次々と作られたり、過去の名機を復刻したりする時代が今のシンセサイザーの潮流ですね。

そしてさらに最近は、新作のFM音源のシンセが作られたり、ウェーブテーブルシンセの新製品が出たり、、、、という状況になりました。

南:あーー確かにカオス。

佐々木:そう、しかもさらにカオスは続き、、、

DAWを使い大量のメモリーを搭載し、膨大なプリセットの中から音楽を作る、、という脱個性的な音楽の作り方にもう飽き飽きしてしまった人たちが、
DAWレスで音楽を作る、という試みをはじめました。

南:DAWレス!

佐々木:そう、便利は不便!みたいな人たちは、便利極まりないソフトシンセを捨て、あえて不便なハードシンセを使ってどうやって音楽を作るか、、、ということを始めました。

それとちょっと前まではクラブでもLIVEでもパソコンを持ち込んでパフォーマンスをしていたのですが、
ある時気づいたんですよね、、ステージにいる意味がないじゃないか、、と。
DAWの再生ボタンを押せば後はヤフオクのチェックしていても誰にもバレない、、、と笑
みんなはそうじゃないかもしれないですが、僕はそうでした笑

南:え!!チェックしてたんですか!?

佐々木:実は昔ライブをしながら、、、って実際はやっていないですけど!笑

まぁそういった人達が、マシンライブというのをやりはじめました。パソコンを使わず、ハードシンセやハードシーケンサーなどを使ってライブをやっていくような形ですね。最近はDAWは音楽を作るもので、ハードシンセはパフォーマンスをするために買うみたいなことが増えて来たんじゃないかなと。
ただDAWで簡単にできるのに何故?という疑問は拭いきれていない。なのでそもそも深く考えずどちらが楽しく音楽が作れるか?という事を本気で考えはじめているんじゃないかと思います。

南:なるほど〜佐々木さんのデスクの上がなぜこんなにシンセで溢れているのか、やっと少しわかって来た気がしますよ!

佐々木:おぉ!理解してくれますか!

南:理解はしましたけど、共感はしてません!

佐々木:グフ、、、

ということで状況はカオスですが、シンセサイザーは楽しい!ということがまた最近復活して来て嬉しい気持ちもありますね。

南:なーるほどなぁ〜なんか色々理解した気持ちになれた〜

佐々木:おぉぉ!よかった、、、本当に、、、よかった、、、、泣

南:いや、そんなに喜ぶことでもないが、、、!

佐々木:ということでシンセというものの全体像をここまでざっくりと見て来ましたが、
シンセサイザーというのは何か?、、、の答えとしては

ただの楽器の域を超えて、現在進行形の音楽そのものを考えるためにもとても楽しい道具である!

という事がわかっていただければ、、と。

南:おぉぉ!締めた!佐々木さんが締めた!クララが立った!笑

佐々木:まだ取りこぼしていることはいっぱいあるんですが、一旦これにて!

南:おおぉ!ありがとうございました!!!!!!!!

佐々木:、、、、、、、、、、、、、。

南:、、、、、、、、、、、、、?

佐々木:、、、、、、、、、、、、、。

南:、、、、、、、、、、、、え?

佐々木:、、、、、、、、、、、、、と言う事で。

南:、、、、、、、、、、、、え!?

佐々木:次回からは具体的な使い方とか仕組みを、、、、

南:えぇーーーーーーー!!!!!!!!!!!



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