フォロー牌切りリーチと予想関連ブロック
はじめに
協会の須田良規プロが同じ協会でMリーガーの堀慎吾プロ(サクラナイツ)の読みについて
https://kinmaweb.jp/archives/148615
という素晴らしい記事を書かれています。
今回は、堀プロの読みとそれを記した須田プロの記事にインスピレーションを得て、書いています。
孤立2・8VS関連牌付き1・9牌
孤立数牌の価値は周知のように1・9<2・8<3~7。
孤立19は孤立28よりも価値が低いですが、他の牌と連関していれば孤立28より価値は高まります。
ある色の1または9が他の色の28より後から出てきたときは、その1・9周りにほかの関連牌があることを仄めかしています。
そこで、
https://twitter.com/anmo_suzuki/status/1464510694871560193
と言ったものの、自分でつけておきながら「仄めかし牌-仄めかされ牌」という名前がピンときません。
2~8の後に手出しで切られた他の色の1・9が示唆する手中の関連牌を何と呼べばしっくりくるのでしょうか。
もう少し明示的に、予想関連ブロックとか潜在的関連ブロックと呼んだ方がいいかもしれないと後から思いました。
予想関連ターツというと、ターツの定義は「あと1枚で順子が完成する数牌の2枚」(例 12,13,23)なので、ちょっと不正確です。
以下では、予想関連ブロックと呼んでおくことにします。
フォロー牌切りリーチと予想関連ブロック
こんなリーチがあったときに、
2p周りに何かあって、例えば下図
のようになっていると予想することができます。
2pが親の現物、なんとなく、くっつき狙い等の理由で残した孤立牌もあるし、レアケースですが、両面+両面+222pで両面が埋まって暗刻切りにしたケースもあり得ますが、ここでは2pは何か関連する牌が手中にあったと仮定します。
言い換えれば、2pは手牌の予想関連ブロックのフォロー牌で合ったと仮定するということです。
2p逆切りの予想関連ブロックは、
などのようにたくさんあります。
麻雀牌の組み合わせ自体が、天文学的な数字になるにせよ、有限である以上、ある牌の予想関連ブロックのパターンも有限であるはずです。
予想するのは予想関連ブロックではなくその確率分布
最後に、重要な点を1つ述べておきたいと思います。
2~8の後に手出しで切られた他の色の1が切られたとき、予想するべきなのは113とか122といった予想関連ブロックではなく、複数のパターン(理想的には論理的にあり得るすべてのパターン)の予想関連ターツの確率分布でなければならないという点です。
数字は適当ですが、大雑把にあり得そうな形から
のように、リーチ宣言牌の2pが切られる直前の関連ブロックンの形を予想したとします。
三色や一通等の手役が関係しない限り、122pから2pを切ってペンチャンに取ることはないので、そういうのは0%と考えます。5枚以上の予想関連ブロックも無視します。
上述の確率分布
から、危険牌の放銃率を
と評価すること可能と考えられます。
Mリーグの対局で、冒頭で例として挙げた堀プロはこれに近い判断をしていたのではないでしょうか。
堀プロのケースでは、手役(一通)に関連しているという読みですが、本質的には同じことと思われます。
まとめ
まとめです。
数牌切りリーチの宣言牌が数牌で手牌に関係していた(何らかのフォロー牌である)と仮定するとき、想定される関連牌を予想関連ブロックという。
論理的にあり得る予想関連ブロックのパターンは有限で、重要なことはそれらの各ケースがどのくらいの確率で生じるかを予想することである。
あり得る予想関連ブロックの主観的な確率分布から危険牌の放銃率を想定することができる。
以上です。
今回の記事は、上掲の須田プロの記事にインスパイアされた面もありますが、もう一つ、問題意識としてあったのフォロー牌切りリーチと予想関連ブロックという関係がこれまで十分に言語化されていないのではないか疑問でした。
金融学者ナシム・ニコラス・タレブは『反脆弱性』で「世の中のモノの半分には名前がないので。それも面白いほうの半分に」(『反脆弱性』上巻4ページ)と述べています。麻雀には、なんとなく皆感じているが、まだ名前がついていない考え方がたくさんあります。今後も、少しずつ、麻雀の理論を言語化・体系化していきたいと思います。
最後までお読みいただきまして、有り難うございました。
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