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<< 前半 《黒モヤ撃破ぁあああ!》 《勝利おめ~》 《隊長生きててよかった》 パソコン画面から黒いモヤが消えるとともに、チャット欄が沸いた。 やったぜ、俺の絵が脚光を浴びている! 小さなサイバー部隊長は、赤い回復薬を取り出すと一息にあおった。 《おお、くすんでた軍服がキレイになってく》 《HPは見えないのな》 『うまい。今まで受けた中で最も上質の治療だ』 「そっか? この赤色でよければ何杯でもどうぞ」 俺は空き瓶にお代わりを描き満たした。 《R229・G47・B9
「よ~し生放送やるかぁ!」 音量OK、ペイントツールOK、今日もYoutubeでお絵描き配信。閲覧数はゼロだけど。ま、最近はサイバー部隊を描いてる。ネット犯罪から市民を守る隊長だ。でも武器を描くのは苦手なんだよな。手もやばい事になる。 『よう』 男前な声に続き隊長の足が動いた。 ───え? あろうことか小さな隊長は屈伸を始めた。あり得ないだろ、ハッキングされたのか。いやさすがに無理だよな、と思い直す。 「俺クスリなんてやってないぞ」 すると画面端に黒いモヤが出現。
(三国志のパルプ小説です。6,800字あります) 序 その日、飛将軍呂布は曹操軍に降伏し、ほどなく首が飛んだ。 他の捕虜の処遇も定まり、あとは参謀の陳宮を残すのみである。 彼は陣幕の中で縛られ自由を奪われていた。主と仰いだ男の死に顔を、目を細めて見やる。 「ひどくお寒い幕切れじゃないか。いったい我々はどこで間違ったのか。私が味方しようとも、敵に回ろうとも、曹操め、あやつが関わると堤が切れる」 ───西暦198年末、徐州。 呂布は曹操軍に攻め入られ、連戦連敗して下邳